『巨大ビルのボディで、最強のゴーレム部長は月給50万の超人』の復活!
ふう、なんとか『飛行の魔法』でみんなを助けられたな。
ゴーレム部長は、ビルの下じきになったみたいだ。
それより、なぜ今回はチートが切れなかったのだろう。
図書館の受付嬢、ランなら知ってるかも。
「なあラン。ゴーレム部長を倒したとき、チートが切れなかったんだが。何でか知ってるか?」
「さあ。でも、私の持ってる本に書いてあるかも!」
「持ってるのかっ!? じゃあ、読んでくれ!」
「待ってください。今、胸の谷間から取りますので……」
「そんなところに本がっ! しかも、タイトルが『夜の忍法のすべて』って……」
「間違えました。こっちです!」
「『チートのすべて』! 俺の悩みに、ピッタリの本じゃないかっ!」
「読みますよ。むかしむかしあるところに、エッチな女忍者がいました」
「さっきの本じゃん!」
「見られたらヤバイから、カバーを入れ代えてました!」
「しょうがないな……。じゃあ、『夜の忍法のすべて』の中身が、『チートのすべて』か?」
「はい! きっとそうです!」
「そっちを読んでくれ」
「了解です。……女忍者は大名に押し倒されました。それから、ゆっくりと胸を触られて……」
「そっちもかい!」
「すいません。『チートのすべて』は、持ってきてませんでした!」
「ヤバい本を肌身離さず持ち歩くなっ!」
やれやれ、ランのおふざけも相変わらずだな……。
ん? なんか、地面がゆれてる!
そう思った瞬間ーー!
突然前方に、巨大ビルが復活した!
いやまて、ビルから手足が生えてる!
さらに、ビルの最上部からゴーレム部長の頭が飛び出した!
「ふはははっ! ゴーレム部長。……いや、『巨大ビルのボディで、最強のゴーレム部長は月給50万の超人』の復活だ!」
長すぎる!
まず、名前に『、』が入ってる時点でおかしいだろっ!
だが、ゴーレム部長はこりずに自己紹介をする!
「巨大ビルのボディで、最キョ……」
かむならやめろ!
ゴーレム部長は悩んだ後、俺に相談してきた。
「なあ、この名前は長いよな。ビルって名前でいいかな?」
「アメリカ人かっ!」
「そうさ。ミーのハートはアメリカン」
「バリバリの日本語だがな!」
「そんなアメリカンなハートをもつミーは、いつか『自由の女神』に告る!」
「急に、熱血アニメキャラになったなっ!」
「ああ、この恋は燃える! OKが出たら、子供作って女神に家事させて……」
「こいつ、女神から『自由』を奪う気だっ!」
「自由の女神こそ、同じポーズでじっとしてて自由がないだろ。俺の自宅に招き、自由にさせる!」
「こいつ、自分のヤンデレを正当化するつもりだっ!」
「ヤンデレだと!? 失礼なっ、愛だろ!」
「恐ろしい愛だ……」
「新婚旅行は。俺たちの高すぎる身長では、飛行機はムリ……。世界一周徒歩の旅にしようっ!」
「こいつらの新婚旅行で、世界遺産がすべて踏みつぶされそうで怖い!」
「ふふふっ、勇者よ! 俺の新婚旅行を実現するため、消えてもらう!」
「バカ言うなっ! 世界遺産のため、お前を倒す!」
「小さすぎるお前に、何ができる!」
「なめるなっ! 俺は『チートポーション』を飲んでいる!」
「なっ、チートだと!?」
俺は、巨大な火の玉を手から放とうとした!
しかし、MPがたりない!
嘘だろっ、なぜこのタイミングでチート切れだ!
俺の手が震えている。
それを見たのだろう。ランが耳打ちした。
「勇者様、思い出しました。チート切れのタイミングを」
「そうか、教えてくれ」
「ランダム」
「真に受けて損した!」
一向に攻撃しない俺を、ゴーレム部長は不審に思ったらしい。
「おやおや、チートじゃなかったのか? 攻撃しないなら、ずっと俺のターンだっ!」
うおっ、ゴーレム部長が地面を殴りつけてきた!
ものすごい衝撃だっ!
恐らく衝撃波だろうが、ガーネットの黒ローブが破れてしまった!
魔女っ娘姿になったガーネット。恥ずかしそうに、ミニスカのすそをおさえてる!
こっちの事情などお構いなしに、ゴーレム部長が言う!
「さあっ、我が衝撃波でふっ飛べ!」
また地面を殴るつもりだっ!
もし、衝撃波でランの白ローブが破れたら……。
この世界が終わってしまう!
俺が危機感を抱いていると、ランが何かを唱えた!
もしや、魔法か!?
「勇者様っ、私の魔法を見ていて下さい!」
嬉しいような、危険なような……。
ランの両手から、虹色の光が放たれたっ!
その光は、ガーネットに当たる!
なんと、ガーネットの服装が変わった! ミニスカの忍装束だっ!
ガーネットは恥ずかしそうに、
「ランよっ! 余はコスプレ枠かっ!」
「すいません。この『コスプレの魔法』は、自分に放つことができなくて……」
「なっ、なんと!? 余にとっては、厄介すぎる魔法なのだ……」
「ガーネット様! 恥ずかしがってる場合じゃないです! ともに、勇者様を応援しましょう!」
「だ、だが……」
「次、地面を殴られたら私たちはは○かになりますよっ!」
「そ、そ、それは困るのだぁっ! 行くぞ、ラン!」
「はいっ、おどりましょう! 勇者様、がんばれ!」
「ロ、ロアスよ~。が、がんばるのだ~」
ランと忍装束のガーネットは、脚を大きく上げて応援してくれた!
きたきたっ、力がみなぎってくる!
「アリどもめっ! ぶっ飛ばしてやる!」
ゴーレム部長! そうはさせるかっ! 光の魔法を食らえっ!
空から降ってきた大きな光が、ゴーレム部長を包む!
「きょ、巨大な俺が一瞬で片付けられるなんて……」
ゴーレム部長は浄化されて、跡形もなくなった!
いよいよ、まもけん(株)も王手な気がする!
社長室を目指すぞ!




