げ、月給50万だとっ!?
俺とパーティの仲間たちは、合体ロボットを倒した。
まものタウンに変えられた人間の街を守る。
そのために、超ブラック企業の魔物建設(株)改めまもけん(株)を潰す!
「よし、みんな! ひとまずこのビルの上を目指そう!」
俺が呼びかけたその時ーー。
「緊急アナウンスです! 勇者が侵入! 社員総出で駆除してください!」
スズメバチみたいに言うなっ!
ガーネットは怯えた様子で、俺に話しかける。
「も、もしや大量の魔物が攻めてくるのか!?」
「怖いのか?」
「こ、怖くないのだっ! 余は魔王であるぞっ! ザコなど、ひとひねりなのだっ!」
その時、遠くから魔物のおたけびがした!
「きゃあっ!」
ガーネットは、俺の胸に飛び込んできた!
俺は思わず笑みがこぼれて、
「やっぱり、怖いのか?」
「こ、怖くないのだぁ……」
「そうか、ならなんで抱きついてきたんだ?」
「ひゃうっ!」
ガーネットは真っ赤になって、俺から離れた。
次の瞬間!
「ウオオオーッ!」
再び、魔物のおたけびが聞こえてきた!
俺が前方を見ると、ゴーレム1体が叫んでいた!
「ウオオオーッ! 駆けつけたのは、俺だけかよっ! おい、アナウンス! なぜだ!?」
「社員の9割は退職しました」
「腰抜けどもが! 残りの一割はどうした?」
「カップ麺ができあがるのを待っているので、席を外せないそうです」
「会社より、カップ麺が大事かっ!」
「はい、最近みそラーメンにハマってるので!」
「お前もかっ! 来いよ! なんか、飲み会を開いたら俺一人だけだったみたいな空気じゃん!」
「……」
「無視かっ!」
「いえ、みそラーメンができたので!」
「ふざけるなっ! このゴーレム部長に逆らうのか!」
「ズズズー」
「ラーメンすするなっ! 大事な話だろっ!」
ゴーレム部長は、俺たちを見つめる!
「月給50万のゴーレム部長の恐ろしさ! 見せてやる!」
給料を強さの数値みたいに言うなっ!
ゴーレム部長は、スケルトンの前に立つ!
「スケルトン、裏切ったらしいな! それより、貴様の月給は何万だ?」
「引かれて、16万だっ!」
「ザコめっ、月給50万の力を思い知れっ!」
まずいっ、ゴーレム部長はパンチをくり出した!
「食らえ、スケルトン! 月給50万パンチだっ!」
もはや、技名になってる!
しかし、俺はすばやくゴーレム部長の腹にパンチした!
ひざをついたゴーレム部長は、
「こ、この月給50万の俺が……。ひざをつくだと……」
苦戦してなお、月給アピールかっ!
「ぬおおっ、なぜだ! なぜなんだっ!」
さっきまで叫んでいたのに、急に笑い出す。忙しい部長だ。
「ふっ、ふふふ! いいだろう! 給料50万の本当の恐ろしさを見せてやる!」
な、なんだ!? ゴーレム部長のこの余裕は?
ゴーレム部長は、ランに近づく。
「キミ。好きなものを買ってやるから、愛人になりなさい!」
「……すいません、人外はNGです!」
あっさりフラれた! しかし、ゴーレム部長はめげなかった!
今度は、ガーネットに近づく。
「おじょうちゃん。いいものを買ってあげるよ。おじちゃんについてきなさい!」
誘拐犯かよっ!
ガーネットは首を横に降り、
「ふざけるなっ! 出直すのだっ!」
女の子二人を金で釣れなかったゴーレム部長。めっちゃ怒ってる!
「ウオオオーッ! 何この、『上司の俺が、一人飲み会でさびしいから、誘ってみたけどみんなに断られた』みたいな空気はっ!」
まあ、飲み会めんどいからな!
なんて、冷静になっている場合じゃなかった!
なんと、ゴーレム部長はガーネットの腹をわしづかみにした!
部長の大きな手が小さな体をしめつける!
「よくも断ったな! 俺は月給50万だぞ!」
俺は助けようとするが、ゴーレム部長に怒鳴られた!
「動くなっ! 動くと、このメスガキは終わりだっ!」
くっ、ガーネットを人質にとられてる! これでは、うかつに攻撃できない!
俺が手も足も出せない一方、ランはゴーレム部長に向かっていった!
「すいませーん、ゴーレム部長! 愛人になりますので!」
ランはノー○ンにも関わらず、全力で走る!
ランの白ローブから、生脚がチラチラ見えている!
「遅いぞ、ようやく俺のすごさが解ったか!」
ゴーレム部長は乗せられてる!
明らかに、ガーネット救出作戦だろっ!
しかし、ランのおかげで助かった!
ゴーレム部長は、ガーネットを床に放った。それから、ランの下へ向かう!
今がチャンスだ!
俺はゴーレム部長の身体を斬り裂いた!
上半身と下半身が分離した部長。そのまま床に横たわる。
ところがーー。
「だましたなっ! 完全にキレたぞぉおおおっ!」
なんと、真っ二つになったゴーレム部長が再びくっついた!
さらに、ゴーレム部長の身体から邪悪な黒いオーラが出てる!
だが、負けない!
まもけん(株)の終わりが近いから!




