この浮気者っ!
俺は、トロール課長に向き直った。それから、掌に巨大な火の玉を発生させる!
すると、スケルトンが必死になって止める!
「勇者よっ、やめろ! 課長には、奥さんがいる!」
「ガーしか言えないのに? プロポーズはなんて言ったんだ?」
俺はそう言って、トロール課長を見た。すると、トロール課長は大口を開ける!
「ガァー!」
やっぱりそれか! よくOKしたな!
どうした、トロール課長! まだ何か言いたいことが?
「プロポーズの言葉を教えてやろう!」
しゃべれるのかよ!
「あの日の感動をもう一度! 俺のプロポーズを聞け! 『この夜景より……、あなたのパンツが見たい!』」
つっこみどころしかない!
つっこみどころその一、感動できないから!
その二、下心丸出しのプロポーズだなっ!
その三、奥さんよくOKしたな!
その四……って、俺のつっこみが江戸時代の掟みたいになってる!
いや、下手したら憲法とか創れそうだ!
俺は、つっこみでMPを消費している。
その最中、トロール課長は俺にスマホを見せびらかした。
「ちなみに、動画投稿サイトにも載せたぞ!」
わざわざ恥をさらすなっ!
閲覧数、3!
トロール課長は残念そうに、
「なんで、3人しか見てないんだっ!」
トロール課長は、悔しそうに続ける。
「しかも、このアカウント……。閲覧したのは、俺の両親と妹だっ! 近々、家族会議が開かれるかも……」
そうなるよな、一族の恥をさらしたんだもんな!
「うおおおっ! これもすべて、勇者のせいだっ!」
出たっ、トロール課長の責任逃れ!
トロール課長は、スケルトンに指示を出す!
「スケルトン! 代わりに、俺の怒りをぶつけてやれ!」
自分で戦えよ!
かなしばりが、解けたスケルトン。奴は、ガーネットに膝カックンをする。
あお向けにコケたガーネット。
その隙に、スケルトンが突撃してきた! そして、俺の前まで迫る!
拳を握りしめて、スケルトンは大きく叫んだ!
「ガァー!」
今度はお前が言うんかい! 今年の流行語大賞に選ばれそうだ!
などと考えていると、スケルトンはパンチをくり出した!
このスケルトン、何かとかわいそうだからな。
俺は、またかなしばりの術を放った!
スケルトンは動けなくなった!
いよいよ、悪の中ボス! トロール課長をぶっ飛ばす!
俺は、トロール課長に向き直る。するとーー。
トロール課長が、ガーネットを動画撮影してる!
「ふ、ふええ……。や、やめるのだっ!」
ガーネットは、あお向けでおどりこの衣装をさらけ出してる。
その姿に、トロール課長は興奮したようだ! 奥さんがいるにも関わらず!
俺はトロール家が心配になったので、
「おい、トロール課長! 奥さんに悪いだろ!」
「頼む、撮影の邪魔だから黙っててくれ!」
「やれやれ……。おい、奥さんのこと好きなんだろ?」
「ああ、愛してる!」
「奥さんのどこが好きなんだ!?」
「ガー!」
「いや、ガーじゃわからないから! どこが好きなんだって聞いてるんだ!」
「ガー! ガーターベルト!
真性の変態だっ! 奥さんの下着姿が好きだなんて!
俺はトロール家のため。トロール課長の目を覚ますため、究極の質問をした!
「奥さんと、そこで寝ているガーネット! どっちが好きだ!?」
「ガー!」
まさか……、ガーネットと言う気じゃないだろうな!
トロール課長は続ける。
「ガー、ガーゴイル!」
ガーゴイル? 愛人の名か!?
トロール課長は、力強く言った!
「俺は妻、ガーゴイルを愛してる!」
とか言うなら、ガーネットを撮るのをやめろっ!
俺がつっこみすぎて疲れた時、トロール課長は撮り終わった!
「よし、動画サイトに投稿だっ!」
トロール家に、新たな火種を作ったー!
「おっ、早速閲覧者が来たな!」
トロール課長は嬉しそうだ。しかし、喜びは儚かった……。
「アカウント名……、ガーゴイル! やばい、妻に見つかった!」
トロール課長は、めちゃくちゃ焦っている。しかしすぐに俺を見て、
「これもすべて、お前のせいだっ!」
なんでそうなる!?
責任逃れの世界大会があったら、間違いなくあんたが優勝だっ!
どうやら、トロール課長は本気で怒ったようだ!




