魔物建設(株)
新たな待ち合わせ場所ができた『まものタウン』。
という解説より、そろそろ眠たい!
宿屋へ行こう!
決意した矢先、嫌なBGMがした!
「クンクン、クンクン」
犬がいる!
待て、頭が二つある。こいつは、『ケルベロス』だっ!
ケルベロスが、大トカゲの臭いをかいでる!
それから俺を見て、
「君だね、この大トカゲを丸焼きにしたのは!」
臭いでわかったのかっ!? ソムリエみたいだなっ!
ケルベロスは、俺をにらみつける。
「彼はウチの係長だ。必要な駒……いや、大事な歯車だ!」
結局、道具としか見てない! 言い直した意味がないからっ!
「少々、女運がない奴だったが。彼には、この街の重要な職務に就かせていた」
このケルベロス、もしかして社長とか?
俺がそう考えていると、ガーネットは懐かしそうに言った。
「おおっ、ケルベロス社長なのだっ! 久しぶりなのだ!」
ケルベロスは左右同時に首をかしげて、
「はて、なぜ私の名前を? 私には、人間の知り合いなどいないが?」
「余なのだっ! 女魔王・ガルネフロント=ヴァリウス! あだ名はガーネット!」
「ガルネフロント様は、Eカップの巨乳魔王のハズだが?」
「だから、今は転生しておどり……」
「おどり?」
「い、いや何でもないのだっ!」
「まあいいでしょう。ガルネフロント様、転生されたのですね。食中毒で亡くなったと聞いたので」
「ま、まさか噂に……」
「ええ。あなたは、モンスターたちから嫌われていましたから!」
「マジなのか!? なぜなのだっ!」
「あなたは、魔王のくせに優しすぎた。ゆえに、ジャマです! 私は、魔界追放も計画していました!」
異世界追放みたいに言うなっ!
ガーネットは涙目で、
「さすが、ブラック企業の社長! 冷酷なのだっ!」
「それは、ほめ言葉です!」
そう言った後、ケルベロス社長は遠ぼえをした。すると、トロールがやって来た!
「彼はトロール課長だ。さあトロール課長、『魔物建設(株)』の恐ろしさを思い知らせてやりなさい!」
ケルベロス社長は去っていった!
さては、部下に指示だけ出して何もしないタイプだなっ!?
しかし、トロールが課長とは厄介だな。ゴブ・リン子並みにでかいし!
俺が身がまえると、トロール課長は掌をつきだした。
どうやら、待ってほしいようだ。
トロール課長は、スマホを耳に当てる。どこかへ電話するみたいだな!
「ガー、ガガガガーガー!」
しゃべれないのかよっ! よく課長なんてやってるな!
しばらくすると、スケルトンがやって来た!
「課長、あの勇者をぶっ殺せばいいんですね!」
さっきの指示が通じてるっ! ガーしか言ってないのに!
しかも、課長は寝転んでポテチ食べるなよ!
部下のスケルトンがかわいそうだ。俺は、真っ先にトロール課長に突っ込んだ!
「やめろっ! この女がどうなってもいいのか!?」
なんと、スケルトンがガーネットを人質にとった!
「お、俺はまじめが取り柄だっ! しかし、会社で大きな失敗をした!」
スケルトンは、悲しそうな声で続ける。
「ここで、会社の言うことを聞かないといけないんだっ! クビ……いや、追放されるから!」
言い方がいちいちweb小説風!
この世界のモンスターは、読み専だらけなのかっ!?
「ガァーッ!」
うおっ、課長が吠えた!
ともかく、俺はスケルトンにかなしばりの術を放った!
スケルトンが、かわいそうだからな。
これで、心置きなくトロール課長をぶっ飛ばせる!




