表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/43

竜巻に乗って謝罪しろ!

 「ガー!」


 怒り狂ったトロール課長は、俺に突撃してきた!


 しかし、めちゃくちゃ遅い!


 これはチャンスだ! 俺はトロール課長へ向けて、かけ出した!


 ところが、俺の足も異様に遅い。どうやら、チートが無効になったようだ……。


 俺とトロール課長は、ゆっくり走った。そして、相対(あいたい)する。なんか、舞台の左右から現れる芸人みたいノリだ!


 トロール課長は大きく叫ぶ。


 「それでは、ショートコント……」


 やらねえから!


 「ショートコント……」


 まだ言うか!


 「ショートコント……石を投げる!」


 いやいや、コントじゃない! ガチのやつじゃん!


 俺は何とかよけた。石は家にぶつかる。なんと、家は全壊してしまった!


 トロール課長はまた叫ぶ!


 「どーも、ありがとうございましたーっ!」


 ありがたみのカケラもねえよ! 家を弁償(べんしょう)しろよ!


 俺は、うんざりしながらもつっこみをいれた。


 その間にも、トロール課長は石を拾う。


 そして、振りかぶって投げたー!


 今度は、木が倒れて家を潰した!


 勇者として、ここは正義の一言を言ってやらねば気がすまない!


 「おい、トロール課長! 大工さんと家主に謝れっ!」


 「ふぁーい」


 鼻くそほじりながら言うなっ!


 罪悪感が無さすぎる悪の中ボス、トロール課長。奴は俺をなだめようと、


 「まあまあ、そう怒るなよ。ほら、ガーネットとかいう娘の動画を見せてやるから!」


 スマホを差し出すなよ! さっき、鼻くそをほじってた手で!


 俺が嫌がってると、トロール課長は振りかぶった!


 やばい!


 俺はその場にしゃがんだ。何かが、崩壊した音がする。


 トロール課長は俺を見下し、


 「オラオラ! 炎の魔法を出してみろよ! さっきの勢いはどうしたんだよ!?」


 トロール課長はニヤけつつ、


 「まさか、弱くなったんじゃないだろうな?」


 バレたか!? いや、落ち着け! これは、ざまぁ展開だ!


 「どうやら、図星のようだな! まあ、お前はどうでもいい! 妻には内緒で、ガーネットを愛人にする!」


 何、深夜あたりにやってる不倫ドラマをおっ始めようとしてるんだっ!


 「ガー!」


 そう叫びながら、ガーネットに迫るトロール課長。どう見ても変態である!


 おどりこの衣装を隠さず、必死に逃げるガーネット!


 その後をトロール課長が追う……って、競馬中継かっ!


 その時、ガーネットの前方に家が! とうとう、ガーネットは追いつめられてしまう。


 後退できないガーネットに、トロール課長のいやらしい手が迫る!


 ガーネットが危ない!


 俺の身体は、自然と動いていた!


 どうやら、一瞬チートが戻ったようだ。


 俺は、すばやくガーネットの前に仁王立ちをした!


 トロール課長は嫌な顔をして、


 「げえっ、勇者の胸をもんでしまった! 気持ち悪っ!」


 それは、こっちのセリフだっ! 上級テクでもみやがって!


 トロール課長はブチギレた!


 「勇者はジャマだっ! ぶっ殺す!」


 トロール課長は拳を握った!


 すると、ガーネットは思いきり叫んだ!


 「ロアスはやらせないのだっ!」


 トロール課長は苦笑いをして、


 「ガーネットちゃんは、俺と遊ぶんだよっ! 勇者を殺した後、たっぷりね!」


 「嫌なのだっ! 陽キャの女たらしより、大事にしてくれる人がいいのだっ!」


 「な、なんだとっ!? 俺は課長だぞ! 金もたくさんあるんだぞ!」


 「それでも、嫌なものは嫌なのだっ!」


 「このメスガキィー! 勇者もろともぶっ殺す!」


 まずい、トロール課長がまた拳を握ったぞ! 恐らく、パンチをくり出すつもりだっ!


 「ロアス、しゃがめ!」


 「? なんでだよ、ガーネット!」


 「いいから、しゃがむのだっ!」


 俺は指示に従う。すると、ガーネットは黒ローブで俺の頭を覆った!


 おどりこの衣装がすぐ目の前に!


 「ロ、ロアスよ! が、がんばるのだっ! コレを見て、強くなるのだっ!」


 ガーネットはそう言ったら、急に悲鳴をあげた!


 「きゃあっ! パンチが来る……」


 ガーネット、怖がる必要はないさ。悪のパンチは受け止めたからな!


 「トロール課長! 竜巻に乗って、奥さんに謝罪しろっ!」


 俺は竜巻の魔法を放った!


 竜巻に巻き込まれたまま、トロール課長は地平線の彼方へ消えていった!


 足下に落ちている、トロール課長のスマホ。


 俺は拾い上げて、再生してみる。


 ガーネットのおどりこの衣装が、しっかり映っている!


 ガーネットは慌てて、スマホを奪い取る。


 「ロ、ロアスっ! な、何を見てるのだっ!」


 「んー、ガーネットのいやらしい姿」


 「ふええっ、見てはいけないのだっ!」


 「さっき、自分から見せたくせに?」


 ガーネットの顔は一気に赤くなり、


 「もう! ロアスはいじわるなのだっ! 余のこと、大事にしてくれないのだっ!」


 大笑いする俺。


 一方、ガーネットは恥ずかしがっている。しかし、どこか嬉しそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ