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新しい依頼。どうやら簡単には終わらなさそうだ。

 俺たちが冒険者ギルドに行くと、ギルド内の冒険者たちから視線を感じる。

 きっとリリが可愛いから注目を集めているのだろう。


 リリに言うと調子に乗るから言わないけど。


「パックさん庭園墓地の依頼の方お疲れ様でした。先ほど、ブレナ様より指名依頼を受け付けました。失礼ですがブレナ様とはどのような関係でしょうか?」


「えっ? 関係と言われても墓地を掃除してたら声をかけられただけですよ。私の家も掃除して欲しいって」


「そうですか」

 ギルド受付のお姉さんは一瞬悩むような表情を見せる。

 もしかして、ブレナはギルドで依頼を受けてはいけないブラックリストの人とかなのだろうか。


「もしかして、何かまずい依頼でしたか? 一応ギルドを通してもらおうと思ったんですが」

「いえ……そういうわけではないんですが」


 どうも歯切れが悪い。


「何か問題があるようであれば引き受ける前に言って頂けるとありがたいんですが」


「えっと……そうですね。あまりこういうのは良くないんですが、ブレナ様はこの街の領主の奥様だっていうのはご存知でしたか?」


「えっなんですかそれ?」


 領主の奥様!? 

 そんなの知っているわけない。

 ただちょっと知り合っただけのおばちゃんだと思っていたのだから。


「そうですよね。来たばかりですからね。はぁ。ギルドとしても領主と揉めることを良しとはしません。なので今まで依頼が何かあれば、この街でもトップのA級クラスを手配して行ってもらっていました。でも、今回E級のパックさんたちが指名をされたので、ギルドとしても非常に悩んでいるんです。パックさんたちの人柄はすごくいいのは感じるんですが、冒険者としての実績が何もないものですから」


 僕たちはまだ駆け出しの冒険者だ。

 まともに依頼をこなしたのも今回が初めてのようなものだ。


 前の時にはドラがでたせいで、報告までしていない。

 町長さんがかわりに報告してくれていてもカードがない以上終わりとはなっていないはずだ。


「それでどうしたらいいでしょうか? 今から断った方が良ければ断ってきますけど」

「それが出来ればギルドとしても安心なんですけどね。ちょっとギルドマスターに聞いてきますのでちょっとお待ち頂けますか? それほどお時間はとらせませんので」


 受け付けのお姉さんはそのまま裏の事務室のような場所へ消えていった。

 

「リリどうする?」

「えっ普通に受ければいいんじゃない? 別にただの掃除なんだからパックの得意とするところだし。パックのクリーンなら落とせない汚れなんてないんだから」


「いや、そんなことはないだろうけど」


 僕とリリが話していると受付のお姉さんとイケメンの青年が一緒に戻ってくる。

「ギルドマスターが直接お話をしたいってことなので」

「初めまして、このギルドのギルドマスターのソーヤです。よろしく。いくつか話を聞きたいんだけどいいかな?」


「よろしくお願いします。パックです」

 それからギルドマスターからここの街へ来た目的や今後も活動する予定なのかを聞かれる。


 正直ずっとこの街にいるつもりはない。

 できればリリとドラと一緒に旅をしながら世界を見ていけたらいいと思っている。


 そのことをソーヤに伝えると、

「それでしたら失礼のないように行ってきてください」

 それだけ言われ終わってしまった。

 なにかされたんだろうか?


 僕たちは受付のお姉さんに家の場所を聞き行って見ると、そこには見たことのない広い家が広がっていた。家の前には門番の男性が2人立っている。


「すみません。ブレナ様から掃除の依頼があり来ました。パックと言います」

「パック様お待ちしておりました。入口までお進みの後、玄関にベルがありますので鳴らしていただければと思います」


「わかりました。暑いのに大変ですね。これ良ければ飲んでください」

 門番の男性が熱い中で立ちっぱなしで警備していたので回復薬を渡してあげる。

 断ろうとしたが無理に渡してあげる。


 玄関まで歩いて行くと呼び鈴が置いてあり呼び鈴をならすと、すぐにメイド服を着た女性があらわれた。服には皺ひとつなく常に清潔にされているのだろう。


「パック様お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

 家の中には豪華な家具が置かれ金や銀、それに宝石がちりばめられた調度品が飾られている。

 こんな家の中に入ったことがないので緊張してしまう。

 

 家の中は埃一つ落ちていない。十分キレイにされている。

 今さら僕が掃除する場所なんてないような気がするのだが。


 僕たちはメイドさんに案内されるがまま奥の部屋へとやってきた。

「失礼します。奥様お客様がお見えになりました」

「はぁい。どうぞ」


 そこには商人のライアンさんとブレナさんがいた。

「おぉパックさんこんなところでお会いするとは」

「ライアンさん、お久しぶりです」


「あらお2人はお知り合いですの? それでしたら話が早いわ。ライアンさんにはある物の回収を。パックさんには、この街にあるもう一つ墓地の清掃をお願いしたいんです」


 どうやら普通の掃除の依頼のようだ。


「そこにも先日からゴーストがでてしまっているのでできればその駆除もあわせてお願いできればと思っているんですができますか?」


 先日?

「それってどれくらい前ですか?」


「そうね。半月前にはゴーストがいたって言っていたわね」

 どうやら簡単な掃除では終わりそうになかった。

パック「クリーン」

リリ「何を消しているの?」

パック「コロナウイルスだよ」

リリ「本当に早くなくなって欲しいわね」


いつも応援ありがとうございます。

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同作者の書籍化作品です。ネット版とはまた違った展開になっています。 本を読んで楽しく自粛を乗り越えましょう。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
― 新着の感想 ―
[一言] ロックって誰や?
[気になる点] またパックがロックになってる [一言] ロック多すぎ
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