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第百十八話 王女の問い

 王都の朝は、賑やかだった。


 宿屋の一階で簡単な朝食を済ませたラグナたちは、王城へ向かって歩き始めた。


 昨夜は静まり返っていた通りにも、今は人々の声が響いている。


 店先に商品を並べる商人。


 荷車を押す男。


 買い物籠を抱え、足早に歩く女たち。


 その間を縫うように、ラグナたちはなるべく人通りの少ない道を選んで進んでいた。


「昨日よりは静かだね」


 リオンが周囲を見回す。


「ラケルさんが教えてくれた道だからな」


 ラグナは手元の地図を確かめた。


 昨日、騎士団の詰所でラケルから教わった道だった。


 王城へ向かうにも、大通りを避けて歩けるらしい。


 もっとも。


「……結局、ここに出るのね」


 エルが足を止めた。


 目の前には、王城へ続く広い道が伸びていた。


 遠くには、白い城壁と高い塔が見える。


 そして、その道には大勢の人々が行き交っていた。


「ここからは仕方ねぇな」


 ラグナが地図を畳む。


「行こうぜ」


 五人は再び歩き始めた。


 だが、しばらくもしないうちに、周囲の人々がこちらへ視線を向け始める。


「あれ……」


「勇者様じゃないか?」


「昨日、神殿にいた……」


 小さな声が、あちらこちらから聞こえてきた。


 ルミナスの金色の髪。


 白い肌。


 そして、王から授けられた装備。


 昨日、神殿の光に選ばれた勇者の姿は、既に王都の人々へ知れ渡っているようだった。


 その隣には、ライカがいる。


 ルミナスと手を繋ぎ、少し俯きながら歩いていた。


「あの隣の子は……」


「魔族だって聞いたぞ」


「勇者様が連れているらしい」


 そんな声も聞こえてくる。


 ライカの指先に、僅かに力が入った。


 すると。


「大丈夫ですよ」


 ルミナスが小さく声をかけた。


「私が一緒にいます」


「……うん」


 ライカが頷く。


 ルミナスは顔を上げると、こちらを見ていた人々へ柔らかく微笑んだ。


 その表情に、何人かが驚いたように目を見開く。


 やがて、一人の女性が遠慮がちに声をかけてきた。


「あ、あの……勇者様」


「はい」


 ルミナスは足を止めた。


「昨日、神殿にいらした方ですよね?」


「はい。そうです」


「やっぱり……!」


 女性の顔が明るくなる。


「本物の勇者様が現れたって、皆で話していたんです」


「ありがとうございます」


 ルミナスは丁寧に頭を下げた。


「ですが、これから王城へ向かわなければなりませんので」



「あっ、そうでしたか。お引き止めしてしまって、すみません」


「いいえ。お声をかけていただき、嬉しく思います」


 そう言って、もう一度微笑む。


 女性は嬉しそうに頭を下げ、その場を離れていった。


「……」


 ラグナは、その様子を黙って見ていた。


 隣のリオンも。


 エルも。


 どこか驚いたような顔をしている。


「……なあ」


 ラグナが小声で言う。


「ルミナスって、いつからあんなに人と話せるようになったんだ?」


「僕にも分からない……」


 リオンが苦笑する。


「前は、僕たちの後ろについて歩いてたのにね」


「そうよねぇ」


 エルも頷いた。


「あたしたちより、よっぽど落ち着いてるんじゃない?」


「……それはあるな」


 ラグナが笑う。


 魔王城で出会った時。


 ルミナスは、まだ赤子だった。


 言葉を覚え。


 歩くことを覚え。


 人間や魔族のことを知り。


 旅の中で、少しずつ成長してきた。


 今では、大勢の人々から向けられる視線を受け止めながら、ライカの手を引いて歩いている。


「……なんだか」


 リオンが小さく呟く。


「嬉しいね」


「ああ」


 ラグナは頷いた。


 すると、前を歩いていたルミナスが振り返った。


「皆様、どうかなさいましたか?」


「いや、何でもねぇよ」


 ラグナが笑う。


「頼もしくなったなって話してたんだ」


「……?」


 ルミナスは不思議そうに首を傾げた。


 その様子を見て、エルが吹き出す。


「ふふっ、そういうところは変わらないわね」


 ルミナスはますます不思議そうな顔をした。


 その隣で、ライカも小さく首を傾げていた。


 ◇


 王城の門へ辿り着く頃には、太陽が随分と高く昇っていた。


 巨大な城壁。


 重厚な門。


 その両脇には、白銀の鎧を身にまとった騎士たちが立っている。


「相変わらずでけぇなぁ……」


 ラグナが城を見上げる。


「何回来ても慣れないね」


 リオンも同じように見上げた。


「でも、前よりは緊張しないかも」


 エルが笑う。


「本当か?」


「……ちょっとだけね」


 ラグナは苦笑した。


 そして、門衛へ近付く。


「すみません」


 声をかけると、一人の騎士がこちらを向いた。


「何か御用でしょうか」


「王様に旅の報告をしたいんだけど」


「旅の報告……?」


 騎士はラグナたちを見渡す。


 そして、ルミナスの姿を見つけると、表情を変えた。


「……勇者様!」


 背筋を伸ばし、丁寧に頭を下げる。


「お戻りになられていたのですね」


「はい」


 ルミナスが頷いた。


「陛下へ、これまでの旅についてご報告したく参りました」


「承知いたしました。どうぞ、お通りください」


 騎士はすぐに道を開けた。


 もう一人の門衛も、ルミナスへ頭を下げる。


 ラグナたちは、その間を通って王城へ入った。


「……すんなり通れたな」


 ラグナが呟く。


「勇者様が一緒だものね」


 エルが笑う。


 王城へ入るのは、ラグナとリオンとエルにとって四度目。


 ルミナスにとっては三度目だった。


 そして。


「……」


 ライカは、初めて足を踏み入れる王城を見上げていた。


 高い天井。


 磨き上げられた石の床。


 壁に飾られた絵画。


 長く続く廊下。


 どこを見ても、これまで訪れた建物とは違っていた。


「すごいだろ?」


 ラグナが声をかける。


「……うん」


 ライカは頷いた。


 けれど、その表情は硬い。


 王都へ入ってから、ずっと大勢の人間に見られてきた。


 ここでは、すれ違う者たちの身なりも違う。


 鎧を着た騎士。


 整った服を着た使用人。


 誰もが静かに、決められた場所を歩いているように見えた。


 ライカは周囲へ目を向けながらも、なるべくラグナたちに合わせて堂々と歩いた。


 ルミナスの手は、まだ離していない。


 やがて。


 長い廊下の先に、見覚えのある大きな扉が現れた。


 玉座の間へ続く扉だった。


 その前には、二人の騎士が立っている。


 ルミナスの姿を見ると、騎士たちは揃って頭を下げた。


「勇者様。お待ちしておりました」


「……お待ちしていた?」


 ラグナが聞き返す。


「はい。昨日、騎士団よりご帰還の報告がございましたので」


「ああ、ラケルか」


 ラグナが納得する。


 騎士たちは左右へ分かれ、重厚な扉へ手をかけた。


 ゆっくりと。


 扉が開かれていく。


 ◇


 広い玉座の間。


 高い窓から差し込む陽光が、赤い絨毯を照らしていた。


 その奥。


 玉座には、見慣れた国王の姿がある。


 ルクシオ・エルヴァレイン。


 以前と変わらぬ威厳を漂わせながら、ラグナたちを見つめていた。


 けれど。


「……ん?」


 ラグナは、玉座の傍らに立つ人物へ目を向けた。


 見覚えのない女性だった。


 長く流れる銀色の髪。


 紫色の瞳。


 白と淡い紫を基調とした、美しい衣装。


 金色の刺繍が施され、髪には小さな宝石をあしらった飾りが輝いている。


 年齢は、ラグナたちとそう変わらないように見えた。


 だが、その立ち姿には落ち着きがあった。


 背筋を伸ばし、静かにこちらを見つめている。


 その身なりから、ラグナはすぐに王族の一人だと悟った。


「よく戻ったな、勇者よ」


 ルクシオ王が口を開いた。


「そして、ラグナたちも。無事で何よりだ」


「ありがとうございます」


 ルミナスが丁寧に頭を下げる。


 ラグナたちも、それに倣った。


 ライカは少し遅れて、皆と同じように頭を下げる。


「昨日、神殿の光が勇者を認めたと聞いた」


 王は満足げに頷いた。


「これで、民もそなたが勇者であると確信したことだろう」


「はい」


「それに、魔族を伴っているとも聞いておる」


 王の視線が、ライカへ向いた。


 ライカの肩が僅かに強張る。


「……」


 けれど、王はそれ以上何も言わなかった。


「まずは、旅の話を聞かせてもらおう」


 ルミナスへ視線を戻す。


「そなたたちが、これまで何を見てきたのかをな」


「承知いたしました」


 ルミナスは静かに頷いた。


 そして。


 これまでの旅について語り始めた。


 魔王城を出てから訪れた、人間と魔族が共に暮らす村。


 魔族の森。


 そこで出会った人々。


 そして、ユリウス領へ向かったこと。


 王は時折頷きながら、その話を聞いていた。


 玉座の傍らに立つ女性も、黙って耳を傾けている。


「ユリウス領では、人間と魔族が共に暮らすための話し合いにも立ち会いました」


 ルミナスが続ける。


「領主であるユリウス様は、これまでの統治に問題があったことを認め、変わろうとなさっています」


「ほう……」


 王が興味深そうに身を乗り出した。


「魔族の領主が、自らの過ちを認めたと?」


「はい」


「それは、随分と大きな出来事だな」


 王は感心したように頷く。


「そなたたちは、よく務めを果たしておる」


「ありがとうございます」


 ルミナスが頭を下げた。


 その時だった。


「……少し、よろしいでしょうか」


 静かな声が響いた。


 玉座の傍らに立っていた女性だった。


 王が顔を向ける。


「どうした、アステリア」


「先ほどから、気になっていたことがございます」


 女性はルミナスへ視線を向けた。


「ナタージャ領、そしてユリウス領と仰いましたね」


「はい」


 ルミナスが頷く。


「それらは、魔族たちが使う地名です」


「……はい」


「人間の歴史においては、エルヴァレイン領、サルヴァザード領と記されています」


 ラグナが僅かに目を見開いた。


「……エルヴァレイン領?」


 聞き覚えのある名前だった。


 ガルドから、昔聞いたことがある。


 人間たちが使ってきた土地の名前。


 けれど、旅の中では魔族たちの呼び名を聞くことが多かったため、いつの間にかそちらを使うようになっていた。


「そうか……同じ場所なのか」


 ラグナが小さく呟く。


女性はその言葉を聞き、ラグナへ目を向けた。


「ええ」


 静かに頷く。


「サルヴァザード領は、五百年以上前に魔王によって滅ぼされた王家の土地です」


「……」


「今もなお、あの砂漠には強大な魔物が数多く生息しています」


 女性は続けた。


「そのため、王国では長い間、民にあの土地へ近付かぬよう伝えてきました」


 ラグナは黙って聞いていた。


 確かに。


 ユリウス領の砂漠には、強大な魔物の気配が常にあった。


 エルのハープがなければ、あの土地を旅することは難しかっただろう。


「ですが」


 女性の紫色の瞳が、ルミナスへ向く。


「先ほど、人間と魔族が共に暮らしていると仰いましたね」


「はい」


「……その土地に、人間がいるのですか?」


「はい。多くの方々が暮らしておられました」


 女性の表情が、僅かに変わった。


「その者たちは、どこから来たのでしょうか」


 ルミナスは少しだけ言葉を選んだ。


「……魔族によって連れてこられた方々、そして、その子孫だと聞いております」

「連れてこられた……?」


 女性が繰り返す。


「はい」


 ルミナスは続けた。


「人間たちは、魔族の管理の下で暮らしておられました」


 その言葉に。


 ラグナたちの表情が、僅かに曇った。


 昨日、ラケルから聞いた言葉。


 管理。


 同じ言葉だった。


「……具体的には?」


 女性が尋ねる。


 ルミナスは静かに答えた。


「人間たちは首輪をつけられ、自由を制限されておりました」


 玉座の間が静まり返った。


 王の表情から、先ほどまでの満足げな笑みが消える。


「……首輪だと?」


「はい」


「人間が、魔族の奴隷として扱われていたということか」


「……はい」


 ルミナスは頷いた。


 女性も、しばらく言葉を失っていた。


 やがて。


「……そのようなことが」


 小さく呟く。


 王は深く息を吐いた。


「我々の知らぬところで、そのようなことが起きていたとはな……」


 ラグナは王を見る。


 王の顔には、驚きだけではないものが浮かんでいた。


 知らなかった人々の存在。


 知らなかった暮らし。


 それを、今初めて聞かされたのだ。


「ですが」


 ルミナスが続ける。


「ユリウス様は、その統治が間違っていたと認めてくださいました」


「……ほう」


「これからは、人間と魔族が共に暮らせる土地へ変えていくと仰っていました」


 王は黙って聞いていた。


 女性も、ルミナスを見つめている。


「……それは」


 やがて女性が口を開いた。


「領主自身が、そう約束したのですか?」


「はい」


「その場に、あなた方も?」


「はい。私たちも立ち会いました」


 女性は少し考え込んだ。


 そして。


「……現在、その改革はどこまで進んでいるのでしょうか」


 ルミナスは、ラグナへ目を向けた。


 ラグナも頷く。


「それは……俺たちにも分からない」


 女性の視線が、ラグナへ向いた。


「分からない?」


「ああ」


 ラグナは答える。


「ユリウスが変わるって決めたところまでは見た」


「……」


「でも、その後どうなったかまでは見てねぇんだ」


 少し考えてから続ける。


「俺たちがいた間にも、少しずつ変わり始めてたけどな」


「……そうですか」


 女性は静かに頷いた。


 その表情に、失望の色はなかった。


 ただ、慎重に考えているようだった。


「では、現時点では、その改革が続いているかどうかは確認できないのですね」


「ああ」


 ラグナは素直に頷く。


「そうなるな」


 女性はしばらく黙っていた。


 そして。


「……陛下」


 王へ顔を向ける。


「これは、私たちが考えていた以上に大きな問題かもしれません」


「うむ」


 王も頷いた。


「サルヴァザード領に人間が暮らしていたことすら、我々は知らなかった」


「はい」


「しかも、その土地を治める魔族の領主が、自ら統治を改めようとしている……」


 王は腕を組み、考え込んだ。


「これまでの歴史を考えれば、容易に信じられる話ではない」


 ラグナは、その言葉を聞いて顔を上げた。


 けれど。


 王は続けた。


「だが、勇者が直接見聞きしたというのなら、無視することもできまい」


 その声には、確かな重みがあった。


「そなたたちは、我々が知らなかったことを持ち帰ってくれたのだな」


「……」


 ラグナは少し驚いた。


 そんな大げさなことをしたつもりはなかった。


 ユリウス領で見たものを。


 そのまま話しただけだった。


 だが。


 王は真剣な表情でラグナたちを見つめていた。


「よくぞ、無事に戻ってくれた」


 静かに告げる。


「そして、知らせてくれたことに感謝する」


 ラグナは、少し照れくさそうに頭を掻いた。


「……いや」


 そして。


「俺たちは、そこで困ってる奴らを見ただけだからさ」


 そう答えた。


 王は僅かに目を細めた。


「……そうか」


 その隣で。


 女性がラグナを見つめていた。


 まるで、その言葉の意味を考えるように。


 やがて、王が口を開く。


「そういえば、まだ紹介しておらなんだな」


 玉座の傍らへ視線を向ける。


「我が娘、アステリアだ」


 女性が静かに一歩前へ出た。


「アステリア・エルヴァレインと申します」


 優雅に頭を下げる。


「皆様のお話を、興味深く聞かせていただきました」


 ラグナたちも頭を下げた。


「……王女様だったのか」


 ラグナが小声で呟く。


「身なりで分かりそうなものだけどね」


 エルが小さく笑う。


「いや、そうだけどさ……」


 そんな二人の様子を、アステリアは静かに見ていた。


 そして。


「勇者様」


 ルミナスへ声をかける。


「はい」


「もう一つ、お尋ねしてもよろしいでしょうか」


「もちろんです」


 アステリアは少しだけ間を置いた。


「昨日、神殿の光があなたを勇者と認めたと聞いております」


「はい」


「そして、あなたが魔王城から来られたことも」


「……はい」


 ルミナスは静かに頷いた。


「ですが」


 アステリアの視線が、ルミナスの隣にいるライカへ向いた。


 ライカは僅かに身体を強張らせる。


「私には、まだ理解できないことがございます」


「……何でしょうか」


 アステリアは、真っ直ぐルミナスを見つめた。


「勇者とは、魔王を討ち、人々を救うための存在だと伝えられております」


 その言葉に。


 ラグナたちは黙って耳を傾けた。


「ですが、あなた方は魔族の村を訪れ、魔族の領主と話し合い、そして今も、魔族を伴って旅をなさっている」


 アステリアは、ライカを見た。


 その瞳に、露骨な敵意はなかった。


 ただ。


 理解しようとするような、真剣な眼差しがあった。


「勇者様」


 静かな声が、玉座の間に響く。


「あなたは、魔王を討つおつもりはないのですか?」


 ルミナスは、すぐには答えなかった。


 隣に立つライカを見る。


 そして。


 ラグナたちへ目を向けた。


 ラグナは何も言わず、頷いた。


 ルミナスは再びアステリアへ向き直る。


「……はい」


 静かに答えた。


「私には、魔王ナタージャ様を討つつもりはございません」


 アステリアの瞳が、僅かに揺れた。


 王もまた、驚いたようにルミナスを見る。


 けれど。


 ルミナスは続けた。


「私たちは、魔王を討つことだけが、人々を救う方法ではないと考えております」


 その言葉に。


 アステリアは、何も答えなかった。


 ただ、目の前に立つ勇者を見つめていた。


 勇者が、魔王を討たない。


 それは。


 彼女が学んできた歴史の中には、存在しない答えだった。


 けれど。


 目の前の勇者は、確かにそう告げた。


 そして、その隣には。


 魔族の少女が立っていた。


 アステリアは静かに息を吸う。


「……そうですか」


 その声には、僅かな戸惑いが混じっていた。


 だが。


 否定することはなかった。


「では」


 アステリアは、改めてルミナスを見つめた。


「あなた方が目指しているものを、もう少し詳しく聞かせていただけますか」


 ルミナスは静かに頷いた。


「はい」


 そして。


 ラグナたちも、顔を上げた。


 王城の玉座の間。


 人間の歴史を背負う王女と。


 魔族と共に旅をする勇者。


 互いに知らなかった世界の話が。


 今、始まろうとしていた。


挿絵(By みてみん)

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