第44話 勝負開始
モーリズム大森林に向かう途中、リフカが話しかけてきた。
「ほんとにすいませんギアトさん。突然こんなことなってしまって。」
「別に謝らなくても。第一勝負を受けたのは自分なんですから。」
「それはそうなんですけど、やっぱり申し訳なさがあって。」
「なんか、リフカさんって礼儀とかに厳しいですよね。」
「まぁ、ここのクランの前に所属していたクランの団長が自由奔放な人で、色々苦労したので…。そこから礼儀を重んじるようになりましたね。」
「そうだったんですか。」
そんな会話をしていると、いつのまにかモーリズム大森林に着いていた。ギアト達はモーリズム大森林の中に入っていき、少し開けた場所を見つけた。
「よし、ここなら勝負できそうだな!ゾクゾクしてきたぜ。」
「たくっ、すぐそうやって興奮しやがって。脳筋が。」
「んだと!?ギアトより先にネル、テメェをぶちのめしてやろうか?」
「ちょっと、二人ともやめてください。みっともない。」
ゴルトとネルとメレアが内輪揉めしているのをテルゼとリフカは呆れた表情で見ていた。
各々準備が整い、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
「おい、テルゼ、リフカそしてナミアちゃん魔物の対処は任せたからな。」
ゴルトが三人に確認をとる。勝負に集中するため、三人が周りからきた魔物の対処をすることになっていた。
「あぁ、分かってるよ。思う存分やってくれ。」
テルゼが気怠げな声で返事をする。
「よし!それじゃ、始めるぜぇ!ギアト、全力でかかってこいよ!」
「もちろん、やるからには全力でやりますよ。」
「勝負開始じゃー!」
ゴルトが大声で言い、勝負が始まった。
ゴルトとネルが同時にギアトへ向かっていく。ギアトは剣を鞘から抜き、身構える。
「ひとまず、挨拶がわりの一発だ!」
ゴルトが斧を振り下ろす。ギアトは後ろに下がりかわすが、そこにネルが攻撃を仕掛ける。
「オラァ!」
大きな鎌を横から斬りつけにくる。ギアトは鎌を剣で受け止めると、二人から距離を取ろうとする。そこにメレアが攻撃魔法を放つ。
「剛発の風!」
爆風が一直線にギアトめがけて吹き荒れる。しかし、その爆風をギアトは剣を振り下ろして周りに拡散させる。
(めちゃくちゃ連携が取れてるな。さっきの雰囲気とは真逆だな。)
「やるじゃねぇか!だが、こっからだ!」
ゴルトがそう言うと、筋肉が少し盛り上がってきていた。
「身体強化魔法か。」
「私も忘れてもらっちゃ困りますよ、ギアトさん。」
ネルの鎌は黒がかった紫色のオーラがでており、闇属性の魔法を鎌に纏わせているようだった。
「武器に魔法を纏わせるとは、やるな。」
武器に魔法を纏わせるのは高度な技術が必要になるため、しっかりとした実力がある者しかできないことだった。
「今度は逃がさないぜ!」
ゴルトが突進してくる。さっきとはスピードが段違いだった。さらに、後ろにはネルが回り込んで攻撃を仕掛けようとしていた。
(上に避けるしかないか。)
ギアトはジャンプして二人の攻撃をかわす。その時
「よし!」
「かかりましたね、ギアトさん!」
「超越重力!」
三人はギアトの行動を予測していた。通常の何倍もの重力が襲い、うまく動けなくなった。
「今だ!行くぞ!」
ゴルトとネルが空中にいるギアトに向かってくる。
「剣技『水鏡』」
思うように体を動かせない状態だったが、二人の攻撃を上手くいなしていく。
「クソッ、なんて剣術だ!」
「攻撃を当てられない…。」
三人とも地面に着地する。
「おいネル!お前が上手く閻収魔纏わせた鎌を当てないから全然予定通りいかなかったじゃねぇか!」
閻収魔は相手の体力や魔力を吸収することができる上級魔法だ。
「はぁ?お前も全く役に立ってなかっただろうが!」
(おいおいまた喧嘩始まったぞ…。)
「ちょ、ちょっとこんな時にまた喧嘩ですか!?いい加減にしてください!」
メレアが慌てて止めに入る。
「もういいか?今のところやられっぱなしだから、今度は俺からいくぞ。」
ギアトは三人に向かっていった。
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