第40話 提案を受け入れる
「理由はこのまま隠していたほうが将来大きな混乱を招く結果になると思ったからです。」
「どうしてそう思ったのだ?」
「今回の件で国民に不安が広がっています。当然です、これまで経験したことのないことが起こったのですから。このままスドウコウヤのことを黙っていれば国民は見えない恐怖におびえていくことになります。」
シャルロは顎に手を当て悩んでいる様子だった。
「シャルロ様自らスドウコウヤのことを国民に説明すれば最初は混乱が起こるとは思いますが、長い目で見れば安心できる状況を作り出せると思っています。」
「本当にそうなるだろうか?」
「少なくとも公表すればサラマのように裏切り者をでることを防ぐことができると考えられます。」
「なぜだ?」
「スドウコウヤの残虐性や狙いを説明し、国民に広く危機感や反感の気持ちを持たせることができればスドウコウヤに共感して協力しようという人はいなくなるでしょう。サラマはまさにスドウコウヤに共感し協力していました。さらには洗脳まがいのことまでされていて…私はもうサラマのような人がでてほしくないのです。」
「ギアトさん…。」
ギアトの悲しそうな表情を見てナミアは何とも言えない気持ちになった。
「ただ、先ほどの話はシャルロ様の説明、国民への演説の内容によって効果が大きく変わります。プレッシャーをかけるようで申し訳ないですが。」
「フフッ、それは責任重大だな。話は分かった、ギアトそなたの提案を受け入れよう。私は今までなにもできていないからな、このくらいのことはやらなければ。」
「本当にやるんですか?!」
周りにいた大臣が驚きの声を上げる。
「リスクを冒さずしてこの状況を打開できるとは思えんからな。エアリカル王国国王としてこの国を守るためならなんだってする所存だ。一週間後に演説を行う。それまでに準備を頼む。」
「提案を受け入れていただき感謝申し上げます。今日はこれで失礼します。お時間いただきありがとうございました。」
「ちょっと待ってくれるか?」
ギアトとナミアが帰ろうとしたとき、シャルロが呼び止めた。
「何でしょうか?」
「あ、その、引き続き頑張ってくれ。」
シャルロの歯切れが悪く二人は不思議に思う。
「あ、ありがとうございます。」
そういって今度こそ二人は帰った。
二人が帰った後シャルロは頭を抱え、先ほどのやり取りのことを思い出し自分の情けなさに嫌気がさしていた。
「はぁ~…。何でもするってかっこつけた直後なのにギアトに真の歴史を伝えることを怖がってしまうなんて、かっこ悪いな…。」
「どういたしましたか?」
「いや、なんでもない。今から演説の内容を考えておかなければな。」
シャルロと部下たちは準備に取り掛かった。
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