第33話 ギアトの失態
城に着いたギアト達は今回の戦いについて説明をし、侵入してきた魔物を全て倒したことを報告した。報告を受けたシャルロやその部下達は驚きの表情を浮かべた。
「何という力…さすがですな。しかし、今回の事態は異常事態と言っていいがこれもやはりスドウコウヤが絡んでいるのだろうか?」
「そのことについては少し気になることがありましたのでまた後ほどご報告させてもらいます。」
「ん?気になること…まぁ報告を待つことにしよう。」
「今回のことについて報告は以上です。それでは失礼いたします。」
城から出た二人は今後の動きについて話し始める。
「明日はマリルにお金を渡してから合流で。そして来週はサラマさんのところへ行く。城へ行く途中にも話したが怪しい素振りはするなよ。」
「分かってます。まぁでもギアトさんの予想が外れてたらいいですね。」
「俺もそう願ってるよ。それじゃまた明日な。」
翌日ギルドでナミアと合流した。
「えぇ?!それマジで言ってるんですか?!」
「いや、ちょちょっと声が大きいって。」
周りの冒険者が何事だとこちらを向いていた。
「あ、ごめんなさい。でもギアトさんさっきの話マジなんですか?」
「あ、あぁ…。その自分もちょっと軽率だったと思ってるよ…。」
「ちょっとどころじゃないですよ!」
なぜこんな会話になっているのか、それはマリルに会う準備をしている時に遡る。
「やっべぇ…どうしようか?う〜ん、まぁとりあえず準備して行くか。」
独り言を言いながら荷物を整えてマリルのところへ向かう。教会に着きマリル達を探す。教会にはまだ多くの人が避難生活をしていた。
「あ、ギアト〜こっちだよ。」
近くからマリルの声が聞こえてきた。
「お、いたいた。約束通りお金持ってきたよ。」
ギアトはそう言うと鍵のついた小さな木箱を差し出した。
「この中に五十万ルピが入ってるから。そしてこれが鍵ね。無くすなよ。」
手のひらサイズの鍵をマリルに渡す。
「ありがとう。本当に助かるよ。ギアトにでっかい借りができちゃったね。」
「いやいやこれはこれまでお世話になった分の借りを返しただけだから。」
「やっぱりギアトは優しいね。」
「ただ恩返しをしたかっただけだよ。じゃもう行くから。」
「再来週の約束忘れないでね。」
「忘れないよ。」
ギアトはギルドへ向かう途中でナミアに何というか迷っていた。
(はぁ〜…。やべぇなぁ俺。ダサいってもんじゃねぇよ。でも頼れる人なんてナミアぐらいしかいないし、ここは正直に言うしかないよな。)
ギルドに着くとすでにナミアがテーブル席に座っていた。
「あ、ギアトさんおはようございます。ちゃんとマリルさんにお金は渡せましたか?」
「あ、あぁちゃんと渡してきたよ。えっとそれでさナミアに頼みがあるんだけど…。」
歯切れの悪いギアトにナミアは不信感を抱いた。
「頼みって何ですか?」
「えっと、お金をその、貸してほしいと思って。」
「は?」
思ってもない頼みにナミアは目を見開いた。
「ど、どういうことですか?」
「マリルに五十万ルピをあげたらさ、貯金がなくなって手持ちのお金が今日の飯代くらいしかなくて…。」
そしてナミアが驚愕の声を上げた場面に戻るという流れだった。
「いや、本当に馬鹿だったと思う。ごめん。」
「馬鹿というか何というか、後先何も考えずにマリルさんにお金あげたってことですよね?その、単純にダサいです。」
「うっ、その言葉は俺に刺さる。」
「そういえば前にお金はほとんど持ってないみたいなこと言ってましたもんね〜。王国に献上したとか孤児院寄付したとか後はマリルさんに五十万ルピあげてその結果自分がお金に困るとか自己犠牲の鑑ですねぇ。」
「も、もうやめてくれ…。」
顔が赤面しているのが自分でも分かった。
「ごめんなさい、面白くてつい煽りすぎちゃいました。まぁお金はあげますよ。これまでに命を助けてくれたりしてくれたんで。」
「そ、そうか。助かる。」
ついさっきマリルにしたことを次は自分がされている現実にギアトは情けなくなった。
「いくらぐらいほしいですか?」
「五万ルピぐらいかな。そのくらいあれば十分だから。」
「五万ルピですね、分かりました。ちゃんとお金の管理はしてくださいね。」
「気をつけます。」
話を終えた二人は気を取り直し、調査へと向かった。
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