第30話 わだかまり
キンググリフォンが死んだことを確認した後ギアトはナミアの元へ戻った。
「助かったよ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
ナミアは微笑みながら言った。
「でも負傷者達はどうしたんだ?回復させに行ってたはずだろ?」
「それなら大丈夫です。確認した負傷者は全員回復して避難させました。」
それを聞いてギアトは驚いた。こんな短時間で負傷者を全員回復させるとは思ってもなかった。
「すごいな。」
「えへへ。」
照れ笑いを浮かべた直後、ナミアは倒れそうになった。咄嗟にギアトはナミアの体を支えた。
「どうした、大丈夫か?」
「すいません、ちょっと魔力を使いすぎたようです。」
「そうか、そりゃそうだよな。よく頑張ったな。今安全なところに連れてくから。」
「ありがとうございます。」
ナミアをおんぶし、南門から少し離れたところまで連れていく。
「まだちょっとだけ魔物が残ってるからそいつらを倒してくる。すぐに戻るからな。」
再び南門へ向かい、残りの魔物を掃討した。
魔物を掃討したギアトは急いでナミアのいるところへ戻った。
「お待たせ。大丈夫だったか?」
「はい。」
「よかった。よし、とりあえず教会に行こう。あそこなら充分に休めるだろ。」
「そうですね。」
またギアトがナミアをおんぶしようとしたところで、ナミアが話し始めた。
「あのちょっといいですか?」
「ん?どうかしたか?」
ナミアは少し言いづらそうに顔を俯かせていたが、意を決したように顔を上げた。
「もっと私を頼ってください!」
「へ?」
全く予期していなかった言葉に変な声が出てしまった。
「無意識なのかもしれませんが、ギアトさんは危ない場面は1人でなんとかしようとするじゃないですか。」
「いや、そんなことは…」
「そんなことあります。前にデビルラビットが現れた時ギアトさん1人で向かっていったじゃないですか。今回だって戦闘は自分に任せろって言って。」
ギアトは黙って聞いているしかなかった。
「私はギアトさんのパートナーとして力不足ですか?」
「そんなことはない。」
「それじゃどうして…どうして1人で戦おうとするんですか?」
「怪我人が大勢いたからそっちに向かわせた方がいいと思ったからだよ。」
「確かに怪我をした人達の治癒は必要です。でも、その間にギアトさんが危険な目にあったら誰が助けるんですか?!ギアトさんがもし死んでしまったらどうするんですか?!」
その言葉を聞いてギアトはハッとした。いつの間にか戦闘で負けることはない、と無意識的に思っていたのだ。
(ハハッ、あれだけ油断するなよと言っていたのに1番油断していたのは俺だったのか。)
「今回のあのキンググリフォン普通じゃなかったですよね?これから先もっと強い魔物が現れるかもしれないんです、一緒に戦いましょうよ!」
「……確かにナミアの言う通りだな。いつの間にか自信過剰になっていたよ。すまなかった。」
「分かってくれたならいいんです。私もギアトさんのパートナーとしてもっとレベルアップしていきます!」
わだかまりが解けた2人は教会へ向かった。
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