第25話 悲惨な状況
ギアトは身体強化魔法を使用する。
「脚力強化」
これですぐに襲撃を受けている所へ行くことができる。かなり目立つことになるが、この際仕方がない。
「ナミア!俺の背中に乗れ!」
「は、はい!」
ナミアが背中に乗り、いよいよ魔物の所へ向かう。
「しっかり捕まってろよ。結構スピードだすからな。」
「分かりました。」
勢いよく空中へ飛ぶ。飛び立った所の地面はえぐられていた。
「大丈夫かナミア?」
「な、なんとか…。」
はるか先の地面に着地する。だが、道のりはまだまだだった。
(少し危険だが家の上を進んでいったほうが早いな。)
ギアトは民家などの上を軽々と走っていく。ただ、スピードを出しすぎるとナミアへの負担が大きくなってしまうので微妙にスピードを調整しながら行かなければならなかった。
10分ほどすると黒い煙や倒壊した建物、逃げてきたであろう人々などが見えてきた。
ナミアを背中から下ろして戦闘態勢に入る。
「ちょっとついてきてくれ!」
唐突にギアトに指示されナミアは困惑する。
「ちょっ、どこに向かうんですか!」
ナミアが問いかけるがギアトはそのまま走っていく。ナミアは仕方なくギアトの後をついていった。
逃げ惑う人々の流れに逆らいながらギアトはあの場所へ向かう。ちょっとして目的の場所が見えたが、その瞬間ギアトから血の気が引いた。見えたのはほぼ崩壊していたエルフィンパン工房だった。
(おい、ザックさんとマリルは無事なのかよ!)
ギアトが駆け寄ろうとした時、エルフィンパン工房の前に膝をついて何か叫んでいる人がいた。
(あれはもしかしてマリルか!?)
「マリル!無事か!?」
ギアトはマリルのところに駆け寄った。
「ギ、ギアト!?どうしてここに…いや、ちょうどよかった!」
「どうした?」
「お父さんが………お父さんが瓦礫の下敷きになってるの!助けて!」
「なん…だって…」
そういわれギアトは崩壊したエルフィンパン工房のほうを見た。
(この瓦礫の中にザックさんが?)
まだ信じられない気持ちだったが、すぐに瓦礫をどかしていく。
「ザックさん!聞こえてますか!」
何度も呼びかけながら必死にザックを探す。しかし、中々ザックのことを見つけることはできなかった。そこに後をついてきていたナミアが合流する。
「ど、どういう状況なの?」
ナミアは目の前の状況をよく把握できず、ただ立っていることしかできなかった。
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