第21話 久しぶりのエルフィンパン工房
調査結果を報告すると、シャルロや周りの人達は落胆した表情を見せた。
「ご苦労であった。君達の予想が当たってしまったということか。」
「そんなに落ち込まないでください。私がいる限り好き勝手はさせません。」
「そ、そうか。やはりそなたは心強いな。」
「報告は以上です。それでは失礼いたします。」
ギアトとナミアは玉座の間を後にし、城をでた。
その後周辺をくまなく調査していたが、有益な情報は手に入れることができずに、2ヶ月ほどが過ぎてしまった。
「今日も何も手がかりが掴めないか。調査範囲を拡大したほうがいいな。」
「そうですね。これ以上時間を浪費するわけにはいかないですからね。」
「あぁ。それじゃ、今日はここで解散かな。お疲れ様。」
「お疲れ様でした。また明日。」
挨拶をし、2人は別れた。
ナミアと別れた後、ギアトはふとエルフィンパン工房に行きたくなり寄ることにした。
(よし、着いた。いやぁ久しぶりだな。なんか変に緊張してきた…。)
ギアトはゆっくりとドアを開ける。
「いらっしゃい。ん?ギアトじゃねーか、どうしたいきなり来るなんて。」
「どうも、ちょっとザックさんのパンが食べたくなったので来ちゃいました。」
「お~そうかそうか、それは嬉しいねぇ。好きなの食っていきな。」
「遠慮なくいただきます。」
ギアトは並べられたパンから3つ取り、席についてパンを食べ始めた。
「あ~やっぱりうまいな。」
もちもちした食感と程よい砂糖によってほんのり甘さを感じることができた。
「あれ?ギアトじゃん。どうしたの?」
マリルがギアトのところにかけよる。
「久しぶりマリル。ちょっとここのパンが食べたくなってさ。」
「そういえばギアトってお父さんのパン好きだったもんね。ねぇ、あのさ王様からの依頼って今どんな感じなの?」
「え、どんな感じっていわれてもなぁ。そんな簡単に教えることはできないよ。」
そう言うとマリルは少しすねた表情をした。
「ケチだなぁ~。」
「そんなこというなよ。」
「あ、そうだ。あのさ…」
マリルが何かを言おうとしたとき店に一人客が入ってきた。
「いらっしゃいませー。」
マリルが対応すると、入っていた客がこちらを見て近づいてきた。
「もしかしてギアトさん?」
突然名前を言われギアトは戸惑った。声を掛けてきた客はギアトより身長が低く、体も細めで子どもっぽい見た目をしていた。
「すみません、どこかでお会いしましったっけ?」
「あ、ごめんなさい突然。えっと会ったというかギルドで僕が見かけたというだけなんですけど…。」
「はぁ?」
「ナミアさんとよく一緒にいらっしゃるじゃないですか。それでギアトさんの顔を覚えまして、声をかけたということなんですけど。」
「そういうことですか。あのお名前は?」
「あ、失礼しました。僕、サラマ・キゼンと言います。」
サラマは丁寧にお辞儀をする。
「サラマさんは冒険者なんですか?」
「はいそうです。ギアトさんと同じ新米の冒険者です。でもギアトさんは新米冒険者なのにどんどんポイント稼いでいてすごいと思います。結構ここら辺では話題になってますよ。」
「へぇ~それはなんか嬉しいな。」
(話題になってんのかよ。もう少し目立たないようにしなきゃな。)
そう思ったときにあることに気付いた。
「あれ、サラマさんの目黄色なんですね。初めて見ました。」
「あはは、そうなんですよ、いっつも珍しがられます。親は黒だったんですけどね。それでは僕はこれで。突然失礼しました。」
サラマはパンを買いに戻った。
「有名になってんだねギアト。」
「有名なんて大げさだ。それじゃ俺はこれで帰るよ。また来る。」
「あ、うん。またね。」
マリルは何か言いたげな様子だったが、ギアトはそのまま家に帰った。
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