第12話 ナミア・ミズゼル
「う〜ん…朝か。そうだ、今日は城へ向かうんだった。準備しないと…。」
ギアトは重い体を起こし、朝食を食べ服を着替える。家から城まではかなり距離があるので早めに家を出なければならなかった。
「準備オッケーかな。じゃ行くか。」
家を出ると、朝日が顔を照らす。快晴だった。しかし、まだ朝が早いこともあり人通りはほとんどなかった。少し歩き、道を通る馬車を呼び止める。移動用の速度が速い馬車を使い城まで行くが、それでも4時間はかかる道のりだ。
2時間ほどすると人通りもかなり多くなってきていた。休憩を挟みながらだったので3時間半ほどかかって、ようやく城門の前まで来た。馬車から降りると、門番の兵士が話しかけてきた。
「ん?あなた何の用ですか?」
「えぇと俺、ギアト・マーシャルと言います。今日城へ来いと国王様から言われたんですが。」
「あ!あなたがギアトさんでしたか!中へどうぞ。シャルロ様がお待ちしております。」
ギアトはそのまま中へ入り、シャルロがいる玉座の間へ行く。玉座の間には多くの兵士が横に整列しており、玉座にはシャルロが座り、玉座の階段の前に女性が一人立っていた。
「よく来なさった、ギアト殿。約束通りこの国最高の支援魔法使いと言われているナミア・ミズゼル殿を召集したぞ。」
階段の前にいるナミアがギアトに一礼する。眼鏡をかけており黒髪のショートカットで可愛らしい見た目をしていた。右手には仕事道具であろう、杖を握っていた。ギアトもナミアに一礼する。
「約束を守っていただき感謝いたします。早速ですが、これから調査に向かいたいと思いますのでここで失礼します。ナミアさんも行きましょう。」
「も、もう行くのか?そうか、頼みましたぞ。」
「はい。」
ギアト達はそのまま玉座の間から出て行った。
「引き留めなくてよろしいのですか?あの話はちゃんとしておくべきかと…。」
「どうにも話しづらくてな…。いずれ時がきたら必ず話す。」
シャルロはそう言いながらもまだ覚悟はできていなかった。
城から出ると、ナミアが鋭い目付きで質問してきた。
「あの、あなたがライア・エスフィなんですよね?国王様は説明してくれなかったんですが、なぜライア・エスフィは死んだことになってあなた今ギアト・マーシャルという偽名で生活することになっているんですか?」
(そこらへん説明してないのかよ…。いや、説明できるわけないか。)
ギアトは国から裏切られたことライア・エスフィの名を捨てギアト・マーシャルとして生きていくことを決めたことを説明した。
「そんなことが…。ではなぜ今回の依頼を引き受けたのですか?」
「国王様自ら俺のところまできて謝罪してきたんですよ。それで今回の依頼を引き受けようと思ったんです。」
「国王自ら?!それはすごいですね。さっきの話を聞いて国王様に不信感を抱いてしまったんですが、大丈夫そう…ですよね?」
「あぁ大丈夫だと思うよ。」
「さっきのお話は他の人には言わない方がいいですよね?」
「あぁ、そうですね。」
次にギアトがナミアに質問をした。
「それじゃ今度はナミアさんについて教えてくれますか?さっき最高の支援魔法使いって言われてましたけど、あまり存じ上げなくて。」
「分かりました。ナミア・ミズゼル、魔法職特に支援魔法を得意としています。現在『希望の灯』というクランに入っています。このクランぐらいは知ってますよね?」
「あぁ、最上位ランクの冒険者がいっぱい入ってるクランでしたっけ?」
「まぁそうですね。所属人数が100人程いる巨大なクランで、ランキング1位の人が団長を務めてます。あ、ちなみに私はランキング8位です。」
ナミアは少し自慢気に言う。この国には冒険者は約10万人ほどがいる。
「この依頼はナミアさんのほかに知っている人はどのくらいいるんですか?」
「クランの団長のテルゼ・アステルと副団長のリフカ・コーライの二人だけです。この任務は極秘ということで最低限の人にしか伝えられませんでした。」
「そうか、分かりました。それじゃあ団長さんと副団長さんにもさっきの国とのいざこざを説明しといてくれますか?」
「え?いいんですか?」
「まぁ、後々あったりした時に下手に探りを入れられるよりは事前に知っといてもらった方がいいので。あ、もちろんその二人にも他の人には言わないようには言ってください。」
「分かりました。あ、あの私はギアトさんより年下なので敬語じゃなくてもいいですよ。」
「そうなんだ。何歳なの?」
「21歳です。ギアトさんは24歳ですよね。」
お互いについて大体わかったところで二人は冒険者ギルドへ向かった。
よかったら評価などよろしくお願いします。




