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崩壊と再生  作者: 水綺はく


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10/11

10.私の人生、壊す気でしょう?

 翌朝、亮太郎と顔を合わせたくない私は朝ごはんを食べないでさっさと家を出た。

「今日はいらない。」

心配する母を横目にさっさと行き、コンクリートの道を歩いていると後ろから亮太郎が追いかけてきた。

「姉ちゃん、ごめん!反省してる。」

亮太郎の言葉を無視して歩いているとスマホの通知音が鳴った。

スマホを開けると側にいる亮太郎からのラインだった。立ち止まって顔を見ると亮太郎は、

「保乃さんは何でなのか教えてくれなかった。…だから自力で見つけたんだ。……好きだったんだ。本当にごめん。」と暗い顔で言う。

私がラインの中身を確認しようとすると亮太郎は逃げるように私のそばを離れて行った。

ラインを開くとそこにはSNSのURLが貼られている。URLのボタンを押して開くとXのアカウントが出てきた。

プロフィール写真は私のインスタの画像だった。私のインスタの画像は拾い画のマカロンの画像をつかっている。だけどXのアカウントは別の風景の画像のものだ。

名前はひらがなで“く〜ちゃん“となっていてプロフィールには、「16歳♀」とだけ示されている。

ツイートを見てみるとハッシュタグで“下着売ります“と書かれていて画像が貼られていた。

画像を見ると全て私の下着だった。

心臓から嫌な音がする。ドクドクと見てはいけないものを見てしまったような手に汗握る音だ。

身に覚えのないアカウントで私の下着が売られている。これをやっているのはきっと保乃だ。

保乃は亮太郎に私の下着を盗ませて、その下着をなりすましアカウントで売っている。

亮太郎の恋心を利用して裏で操って私のイメージや尊厳が崩壊しかねないことをやっていたのだ。

上がる心拍数と共に怒りが込み上げていく。私だけでなく家族まで巻き込んで…怒りが止まらない。

スマホを片手に早足で学校に向かうと、一刻も早く彼女にこの怒りをぶつけたかった。

そしてアカウントの削除を強制させないと!

怒りに満ちながら学校に向かう。

学校に着くと校門では無数の生徒が天真爛漫な笑顔で意気揚々と校内に入っていく姿が見えた。その間を怒り狂った私がぶつかりながら進んでいく。

乱暴に下駄箱に靴を仕舞うとかかとを踏んだ状態で上履きを履いて教室に向かった。

教室に入るとすでに保乃が美菜たちと楽しげに喋って笑っていた。

「あ、おはよう。」

私に気づいて笑顔で挨拶をする保乃の肩を勢いよく掴むと目を血眼にして口を開く。

「あんた、マジで…なんなの⁉︎ふざけんなよ‼︎」

「…どうしたの?來未ちゃん。」

「あんた、亮太郎のこと利用したでしょ‼︎亮太郎の気持ち利用して…弟にあんなこと……」

保乃の目が一瞬、暗くなる。だが、すぐに目を見開いて平然とした声で、なんの話?と返した。

美菜、美優、すみれだけでなくクラスメイトたちも状況を理解できないみたいでシーン…と静まり返る。

私はすぐにスマホのURLを開いて保乃にそれを見せて事実を話した。

「これ、あんたがやったんでしょ?」

Xの投稿を見せると保乃は一瞬、冷静な目になったがすぐに色を変えて、「どうしたの、來未ちゃん!私こんなもの知らない‼︎どうして…⁇」と絶望に満ちた目を見せた。

すると間に入った美菜が私のスマホ画面を見て、同じような目を見せる。

「來未、、、ガチ?ガチでこんなことしてるの⁇」

驚く美菜に私は慌てて弁明する。

「違う!私じゃない‼︎」

「なに、なにぃ〜?」

さらに間に入った男子が私のスマホを奪って中身を見てきた。

「うわっ!マジで‼︎」

私のスマホを戻すと男子は自分のスマホを開いて何かを確認するような動作を見せた。

「ヤバい!マジでヤバい!」

クラスメイトたちが男子のスマホに群がる。

「え、マジ⁉︎ヤバくない⁉︎」

「これって停学なんじゃないの⁇」

「沢口って意外とこういう感じなんだ…」

私が見せたURLは瞬く間に広がって教室内を揺るがす。やがてそのURLは教室内から外に出て学校中を揺るがした。

「消して!今すぐ消してよ!」

保乃に向かって叫ぶと彼女は困惑した表情で、「私に言われても…」と眉を下げる。

この女、どこまでもシラを切るつもりだ。

「これからどうするの⁉︎私の人生、返してよ‼︎」

泣き叫ぶ私に保乃は変わらず困惑した顔で、來未ちゃん…と言う。

美菜が見かねたような目で私を見ると叱ってきた。

「來未!もういい加減にしなよ!保乃はなんにも知らないって言ってるんだよ。」

「そうだよ。なんでこれが保乃の仕業になるわけ?弟がやったんじゃないの⁇」

美優の発言に今度は亮太郎の存在が注目される。

 弟?

 弟って誰?

 沢口って弟いるんだ。

 マジで?弟がこれやってるんだ…

 うわ、弟、えぐっ。

無数の心無い声に私はどう否定すればいいのか戸惑う。事情を話したってどうせ信じてもらえない。

私は一瞬でクラスの浮いた存在となった。

感情的になりすぎてやり方を間違えたのだ。もっと冷静に対処してればこんなことにはならなかったのかもしれない。

教師に相談したら弟の進路にまで関わってしまう。とても話せる内容じゃない。お母さんにも知らせるわけにいかない。

居た堪れない教室で地獄の授業が始まる。

まだ高一なのに、私の人生はどうなるのだろうか。

不安で今にも消えそうになった。



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