観光の始まり
「あいつ。何で最後にここに来たんだ?」
結局、俺たちに会いに来た理由もはっきりとは分からず、忠告に来ただけにしか見えなかった。
「さあ。ですが、あの人も何かしらの変化があったのかと…」
夜月は俺の話に落ち着いて返事をした。
「夜月。龍弥の言う通り、今日は旅行を楽しむか」
「はい、先輩」
夜月は一息つける状況に慣れたのか優しい笑みを返してきた。
「あまりはしゃがないで下さいよ。一応、敵の残党がいるかもですので」
香ノ木さんの注意も板に着いてきたようで厳しくもあり、楽しそうにした。
「そうだな」
俺たちは龍弥を見送ると家へと戻り、観光の準備を始めた。
「じゃあ。今回の本来の目的、観光に行くか」
俺は面倒に巻き込まれたことも切り替えようと観光を楽しむことにした。
「夜月たちはどこか行きたいところとかはあるか?」
「私は買い物へ行きたいです」
夜月は目を輝かせて話に食いついてきた。
「そうなのか?」
「当然でしょ!やっぱりこんなに大きな場所に来たのだから」
夜月は彩花の付け加えた話に頷いており、男の俺には理解できないものもあったと感じた。
「香ノ木さんはどこか行きたいところとかはあるの?」
「私は特に…。それよりも美沙さんはいいのですか?こんなんで?」
俺は他人のふりをしたいがどうも俺に引っ付いている美沙は話に参加しようとはしなかった。
「ねえ。私、今日は寝ていたい。みんなは疲れていないの?」
いつもだらけている生活をしているからだけでは済まないくらいハードな旅行だったのは事実だったが、気分転換のためにも行くのもありだと思い、美沙の疲れ切った表情にも我慢して観光へ向かうことにした。
「私は家に」
「美沙さん。先輩は行きますよ」
夜月は美沙の使い方が分かってきたのか俺を山車に美沙を外へと連れ出した。
「先輩も行きたい所は言ってくださいよ」
「おう」
結局、外で遊ぶことを苦にしない夜月と彩花、一応参加する俺と香ノ木さん。一切外に出る気がない美沙と、地元で案内ができる凰火と鳳翠で向かうことにした。
「多いな」
「みんな気をつけて行ってね」
凛さん、希とフォン・イェン、ハオランの四人で見送ってくれた。
「あの方々が家を見ておくらしいのでもしもの時は安心です」
香ノ木さんはそう言うと地図を広げてどこへ行くのか確認した。
「まずは有名な場所から向かうことにいたしましょう」
「任せてよ。凛華ちゃん!」
凰火は先頭を切って歩き出した。




