狙いと真相
「どうして、こいつらもここにいるんだよ」
五角会の戦いの後に蘆屋家に向かい泊まり、俺が一夜明けると、そこにはチョー・ハオランとフォン・イェンも寝ていた。
「私たちもですが、この方々も泊まるところがありませんでしたので、お誘いしました」
「そうなのか?」
俺は夜月が話す理由を聞いてもあまり理解できず、疑問が多かった。
「俺たちも訳がわかんねえよ。急に一緒に来ないかって言われたしよ」
ハオランは俺が大きな声で話したこともあり、目が覚めており、話に参加してきた。
「良いのかよ。こいつら、仲良くなったと言っても敵だぞ?」
「そんなこと言ったら神戒島の時に連れてきたマルシェさんたちも敵ですし…」
俺は夜月のお人好しな部分に心配な気持ちが湧いてきた。
「大丈夫なのか?」
俺は改めて夜月が心配になり、尋ねた。
「学園長も問題ないと言っていますし…。MIOの監視役としても問題ないかと…」
「はぁ!そいつ、MIOの人間なのか?どうして…まさか俺たちを実験に…」
「そんなことしませんよ」
夜月の考えが理解できないハオランは驚いて、深く考えていた。
「ならどうして…」
「困ったときはお互い様ですし…。それに学園長だったらこうすると思いますので」
魔法犯罪で罪を犯した人間をMIOは徹底的に許さない。それがこの世界の常識だ。だが、夜月はそれに反した行動をしている。
「夜月。MIOって何なんだ?」
「は?お前って本当に魔導士かよ」
ハオランが言っているのは当然だろう。魔法に関わっていてもいなくてもどんな人でも知っている組織であり、それとともに恐れられる存在でもある。
「魔道具の開発や魔法の研究を主としている非営利団体です。表の顔として…」
「表?」
俺は夜月の言い回しに引っかかる感覚に敏感に反応した。
「はい。裏の活動としては違法に関わる魔法犯罪の調査とそれを誘発する存在の排除を目的としているのがMIOの活動目的にされています」
知ってはいた。学園の対応が神戒島での一件に関してお咎めなしとなることが可笑しくもあった。
「だがよ。どうして今回…前回の事件もだが関与しない」
「それは…私にも…」
夜月はMIOの目的だけを話すもののその先には踏み込まれないようにしているのか話そうとはしなかった。
「ですが、一つだけはっきりとしているのは、MIOの老師の方々にとって、神戒島に踏み込んできた学園は目障りに見えているのは確かです」
「老師?」
夜月の話には俺にも分からない部分がある。それでも今回は何となく言葉で知っていても得体が知れない存在に感じた。
「老師っていうのはMIOが秘匿とする過去の事件で活躍していた人たちよ。要するに英雄みたいな存在よ」
「その英雄が学園を?何でだ?」
俺は夜月が尊敬するはずの英雄に対して取り上げたのかよく分からなかった。
「第一に魔王…先輩の監視を命じたのもその方々でした」
「老師が?」
「はい」
夜月が俺の監視になった理由になったのが分かったが、それ以上に目的が分からず、再び理解ができなくなった。
「あなた方は朝から危ない話をしますね…」
「香ノ木さん?」
部屋で話す俺たちに準備をしていたのか支度を整えた香ノ木さんが部屋に入ってきた。




