見えない存在
「その話は秘匿。外部の方には話してはいけないと幼い頃から言われていましたよ」
「あ!」
「つい…」
香ノ木さんは大きなため息を吐くと夜月たちの話に付け加えるように話し出した。
「それでは第二の理由ですが、そんな状況で魔王の覚醒。それに比例してMIOの拠点でもあった神戒島の半壊。住民が住めない状況になってしまった。あそこはMIOでは『魔族の揺籠』って言われていました。『揺籠』聞こえは良いですが、目的は要するに魔族の監視しておける場所だったのです。そんな場所の消滅し、原因が手を出しにくい学園に消えたのです。それ以上に厄介なことはありませんよ」
香ノ木さんの話に出てきた原因にあるのが俺であること。そしてそんな状況で学園にいることがMIOの老師にとって疎ましいと思っていることを話の中で理解した。
「そいつら。本当に英雄なのかよ。陰気な連中だな」
「あ!為人は良い方々なのですよ。私たちを育ててくれたのもあの方々ですので…」
ハオランは老師の話を聞いてうざくなったのか急に怒り出した。
「いや。待て…。確かに英雄がどうして秘匿にされた事件なんだ?可笑しいだろ…」
「確かに。考えていませんでした。英雄と言われている方々が活躍した事件を祭り上げず、秘匿とするのはMIOの目的。魔族の暴挙から守る点でも象徴的な存在として反しています…」
香ノ木さんは考えにも見ないものを目の当たりにした雰囲気で驚きと嫌悪感を表情に出していた。
「ちょっと。凛華ちゃん。起こしに行きますって言って全く来ないと思ったら参加しているじゃないの!」
「凛さん!申し訳ありません」
難しい話をしていた中に凛さんが突然現れ、話を中断させた。
「もう!難しい話は先生たちに聞いてみたらどうなの?沙希ちゃん…とかにね!」
「沙希ちゃん!どうして!」
思いもよらない所で知っている人の名前が出てきたことに驚きが一気に出てきた。
「だってあの子。私の同級生だもん」
「え?初耳です!」
「言っていないもの」
凛さんは本当に色んな意味で驚かせてくる人だ。
「ハクチッ」
「お!珍しいね。風邪かい?」
「どこかのバカな学友が昔話をベラベラと話しているんだろ。で…だ。今回のインチキ抽選会を主催した連中はどうする?」
「勘弁してくれ!」
「ふむ。まあ。封魔くんたちにとっても楽しめるものだったし…」
「ふうっ」
「僕の半殺し程度でいいでしょ?」
「好きにしろ」
「勘弁してくれ…ぎゃあああ!!!」
「沙希ちゃんと私…それと」
凛さんはもう一人の名前を言おうとはせず、首を横に振って話を続けた。
「私たちは同級生で、あの頃は仲の良い三人で行動して活躍もしていた。けど…どちらかと言うと問題児として有名だったかな?問題に突っ込んでしまう沙希ちゃん、それに着いて行く私。それを押さえていたのがもう一人のだったの」
「あ〜」
俺は凛さんの話を聞いて一瞬で想像がついた。
「先輩、そんなこと言っては失礼ですよ」
「沙希ちゃんは相変わらずのようで良かった」
凛さんはさっきーちゃんの良い理解者のようで俺の反応を見て嬉しそうにした。
「その先程から三人目の方を話さないようですが…答えにくいのでしたら良いのですが…」
「えっとね。その子。学生時代に突然いなくなっちゃってね。名前は麻奈。鞠邉麻奈…」




