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グロマギア  作者: ハナビ
夜のない摩天楼篇
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龍の腕

「ゲホゲホ」

「彩花!大丈夫なのか?」

彩花を掴んでいた男はその瞬間体の中から爆発し、大量の赤い液体と肉片、機械が飛び散った。

「このくらいで私が死ぬわけないでしょ」

無惨にも散らばる敵の肉片は人間だったとは思えないくらい跡形もない姿になっていた。

「先を急ぎましょう」

彩花は負傷していないようで先へと向かよう促す。

「そうですね」

「敵は恐らく上層階の会議にいる幹部を守るために集まっていると思う」

凰火は目標を決めつけて進んでいく。

「五角会の幹部ですか…」

「幹部と言っても名ばかりな連中だから安心して良いよ」

凰火は幹部の連中にあったことがあるようで嫌っていた。

階段を上がり、上層階に辿り着くと何人かの敵が集まっていた。

「最悪ね…」

「どうしたんだ?」

凰火は階段を影にして隠れながらフロアの様子を見た。

「あの人たちは五角会の実行部隊その名も龍の腕。幹部の忠実な下僕で一人一人がテロリストよ」

見を隠し、敵の様子を見ていると、連中の会話が聞こえてきた。

「おい。聞いたか?あの研究者の娘が脱走したそうだぜ」

「ははは…身の程知らずだな!」

「だが。あの嬢ちゃんはここにいても死んでいただろうな」

男たちは凰火の話をしているようだが、良い話が聞こえてこなかった。

「ははは…ちげえねえ。」

「全く。そんなこと言うものではありませんよ!仮にも私たちの大切な子なのですから」

女は男たちの中でも目立つが、凰火に対して当たっていた連中に真っ向から批判した。

「おい!フォン・イェン!いつからお前はあいつの小間使いになったんだ?」

「まあ。失礼な!あの子は私たちにとって大切な子なのですから愛さないといけないわよ!」

「チッ。てめえは何が言いたい。あいつを一人の人間として見ているのか?」

「当然でしょ。あの子はそこら辺にいる人形とは違うのですから。私たちで可愛がらないといけないでしょ」

女は凰火を庇っているようだったが、打って変わっておもちゃを可愛がる目になった。

「全く、お前の性癖は俺たちの中じゃ随一だな」

「あら?失礼しちゃうわね。所有物には愛着が湧くものでしょ」

俺たちがいることに気がついていない敵は好きなように話しており、心底その話が下らないものだった。

「そういえば。マットサイエンティストの親父はどうした?」

「あやつは今。息子を実体実験の調整をしておるだろう」

「さすが、ボスに娘を売った男は違うぜぇ」

俺もそろそろ我慢ができず、飛び出そうになってきた。

「魔王。今は美沙が発動している探知魔法を待って…」

俺が動こうとすると、凰火は俺の服を掴んで横に振って言った。

「だが…」

「もう我慢できません!」

「おい、待て!」

冷静な夜月もさすがに耐えらず、階段からフロアに上がり、先攻した。

「美沙さんはそのまま敵の人数確認をお願いします。彩花さんと凰火さん、私は夜月さんの援護をします。魔王は美沙さんの援護をお願いします」

香ノ木さんは指示を一人一人に言うと前へと向かった。

「来たな!おい、お前たち連中を抑えろ!」

「はい」

男の声に敵の声も大きくなり、一瞬で敵に押されてしまった。

「美沙、敵の人数は何人なのか分かるか?」

「私が確認しているのは四〇人くらいいるよ」

美沙はある程度の敵の数を確認しているようで言う。

「悪いが、奥からくる敵に備えて探知魔法を広げてくれ」

「分かった」

美沙は俺の指示に従って探知魔法を広げた。

「お前たち、後ろにいる無防備なやつを叩け!」

敵にも頭が冴えている奴がいるようで、前に出た夜月たちを無視してこっちへ向かって来た。

「先輩!」

「マスター、私たちも本気で行くぞ!」

「分かっている」

俺は彩花の魔法を解いた。

「魔導士が魔法を解いて何ができる!」

敵は武器を持ち、問答無用に攻撃をして来た。

「〈傲慢〉に接続」

『おう』

クルスリアは魔導書の姿に戻り、インペルを接続した。

『インペル〈傲慢〉を確認。ゲート〈破壊〉に結合開始。成功』

俺がインペルを接続するとクルスリアは更新を始めた。

『装束を再構築。…成功。』

「学生風情に俺たちが負けるかよ!」

魔法を解いて無防備に近い俺を狙って、敵が攻撃して来た。

「退け!」

俺は攻撃を喰らわないように素手で殴って抵抗した。

「グハァ!」

俺が殴ると、向かって来た敵は指揮をしていた男が受け止めるまで飛んでいった。

「お前が例の魔王だな…」

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