外意(どれい)
「大人しく眠りなさい!」
「はあああ!!」
香ノ木さんと彩花は敵への攻撃を躊躇なく、与えていた。
「固い!」
「これは一体」
二人は力を込めて攻撃したが、直接与えた攻撃が跳ね返ってきた。
「あなたたち。しっかり当てなさい!」
凰火はその姿を見て魔法で生成した糸で攻撃した。
「え!何これ!」
首元に巻き付け千切れても可笑しくないはずだが、男は微動だにせず、むしろ糸を手繰って凰火を近づけた。
「これやばい!」
凰火がそう言うと男は両手を握り振り上げた。
「ハ…イジョ…ス…ル」
「凰火!」
男は両手で作った拳を振り下ろした。
「あっぶな!」
俺は凰火の手を掴み引っ張った。凰火が立っていた地面は男の攻撃で砕けた。
「大丈夫か?」
俺が凰火を見ると顔を赤くしており、恥ずかしそうにしていた。
「こいつら、本当に人間なのかよ!」
『どうだね!私たちの欠陥兵器は!』
俺たちが苦戦を滲ませているのを感じて今まで大人しかった声の主はどこからか再び聞こえてきた。
「黙りなさい!」
凰火は聞こえてくる男の声を叫んで掻き消した。
「この人たちをただの人と考えたらダメなようね」
『さあどうする?』
「凰火は一回下がれ。俺が抑える」
凰火は俺の指示に従い、一度、後ろに下がって体勢を整えた。
「彩花さん、香ノ木さん。魔法で牽制します」
夜月は危険があるかもしれないと思ったのか、二人の名前を呼んで後ろに下げた。
「おい。俺はまだ…」
「重力結界!」
俺を含めた敵を美沙の結界魔法で動きが止められた。
「先輩、耐えて下さい!」
「無茶言うな!」
夜月は言うだけ言って広範囲の攻撃を躊躇なく放ってきた。
「マジかよ!」
俺は動けない状態で攻撃を直接受けたが、大したダメージもなく、周囲の敵だけが悲鳴を上げて痛んでいた。
「これは…痛くない?」
「おいおい。マスター怪力姉ちゃんの魔法だぞ。そのくらいじゃお前さんを傷つけることなんてできねえよ」
クルスリアは胸を張り、楽しそうに俺の方を見て言ってきた。
「マジか!サンキュー。クルスリア!」
俺は夜月の攻撃が落ち着くと動けなくなっていた敵を攻撃した。
「クルスリア援護を頼む」
「おうよ!」
俺とクルスリアの攻撃に合わせて夜月たちも攻撃を再開した。
「夜月さん。我々も行きます援護を」
「はい!」
香ノ木さんは夜月に告げると攻撃を再開した。
「魔王も私の実力を見せないといけないわね!」
彩花は自分の魔法に意地があるようで俺に負けじと前へ飛び出した。
「このやろ!」
彩花は勢いよく男を殴ると、そのまま敵の後方へと飛ばした。
『ハハハ…ハイジョス…』
「うるさい!」
夜月と美沙の援護もあり、敵は動きは乱れており、彩花も暴れ続けた。
「これであと一人ね…」
『ハイジョスル…』
「懲りないわね!」
男は彩花に目掛けて襲い掛かった。
「何よ!あんた!離れなさいよ!」
「彩花さん。その人の目的は!」
男は彩花を掴むと体から暴発しそうな熱を発散しており、今にも破裂しそうになっていた。
「この!いい加減にしなさい!」
彩花は離れようと抵抗するが男は一向に離れなかった。
「彩花!」
男の体は大きな音を出し始め、溜まった瞬間爆発した。




