喧嘩
淡雪「おーい天夜、友達迎えに来てるぞ」
天夜「あーい今行くわ」
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徳雄「おはよう」
天夜「おはよう」
勇気「おはよう」
天夜「帰れ」
勇気「ねぇひどい」
…ずっと負けた事を考えていた。
別に勝敗にこだわった訳じゃない。
努力について考えていた。
きっと俺は能力を持つ事でうかれ、
能力を持たない者に負ける事で浮いていたものが落ちたのだろう。
徳雄「おい、起きてるか」
勇気「ぼーっとしてただろ今」
天夜「あぁ…負けた事を考えていたからな」
徳雄「…あれはしょうがねぇだろ…俺は特別喧嘩とかした事ねぇけど…
噂によると…強さをコンプレックスにしてるとか…」
天夜「…強さ?」
徳雄「昔喧嘩に巻き込まれて友達が殺されたらしい。
喧嘩だからよ、警察は取り扱ってくれなかった。」
天夜「…」
徳雄「能力を持たないその先輩は守れなかったこと自分の弱さを憎んでる。」
勇気「…弱さ…。」
「おい小僧余計な話してんじゃねぇよ」
徳雄は後ろから頭をつかまれる。
天夜はその声にビクッと反応した後二歩前に出て振り返る。
鳴滝だった。
天夜「ヒエッご苦労様です!」
鳴滝「おぉいおい俺は極道じゃねぇんだからよ。こんにちわでいいんだよ。」
勇気「こんにちは」
鳴滝「おう…お前…噂の赤毛か?」
天夜「…噂?」
鳴滝「能力者だとわかったら片っ端から潰す俺みたいに…えーとなんだ…俺の女バージョンいるじゃん?」
女バージョン?何言ってんだこいつち〇こわいてんのか。
徳雄「…ようするに一番強い男子であるように一番強い女子の刻霧先輩の事ですか?」
鳴滝「あぁそうそうそれだそれ。お前刻霧潰したらしいじゃん?あいつまだ根に持ってるぞ」
勇気「…あぁそんな事もあったなぁ」
勇気は水たまりに映った自分の顔を見つめ、その顔を踏む。
徳雄「あの…頭から手を…」
鳴滝「おうわりぃ…。…赤毛、名前は?」
勇気「勇気です。篝火、勇気です」
鳴滝「おおおおい!!!!刻霧!!!!!!!!!!!!!!!勇気ちゃんここにいるぞ!!!!!!!!!」
勇気「」
徳雄「フハフハフハフハフハゲッホゲッホオエッ」
やりやがったこの先輩なかなか鬼畜だ。
徳雄は能力を発動するために一生懸命煙草をふかしてる。
勇気は動揺しすぎて動けない。
あぶねぇ!やろう!見境なくナイフを飛ばしやがった!
俺は無事だ…けど…
徳雄「煙を固めて壁を作って間一髪ガード。」
鳴滝「…いてえ。」
徳雄の煙の壁にはナイフが数本刺さっていて、
鳴滝の頬に血の一線が描かれていた。
おそらく、きったんだろう。
刻霧「ありがとよ、探す手間が省けた。」
鳴滝「オラァッ!」
鳴滝は煙の壁に刺さっているナイフを抜いた。
それを、音速の速さで投げた。
筋肉から放たれるナイフはどれだけ速いのだろうか。
刻霧「いてぇええええ!!」
太ももに刺さった。左のほうね。
鳴滝「すっきりしたぜ、今のうち去ろうぜ」
徳雄「おっすおっす!」
天夜「あばよ!」
勇気「私も」
勇気「…足が動かないんだけど」
勇気ちゃんが水たまり踏んでたので凍らせました。
彼女ら2人の問題なのです。
決しておとりに利用してませんよ?
向き合う勇気を与えたのです。勇気だけに。
鳴滝「俺、こっちだから。」
鳴滝先輩はそう言うと三年の教室がある方向に向かった。
俺はいつもの方向に向かって歩いた。
徳雄ももちろん同じように…。
真琴「おはよう」
天夜「おはよう」
真琴「能力の調子はどうだ?」
天夜「絶好調だぜ…いや…そうでもねぇな」
真琴「鳴滝先輩どうだった?」
天夜「強すぎ。触ることすら許されなかった」
真琴「…だろうな…。」
…やっぱり…鳴滝先輩は強いで有名なのか。
「うわ、シャー芯キレたわ…やべー」
「購買行くのだるすぎっしょ…天夜ーシャー芯ちょうだーい」
女の子二人組が声をかけてきた。
片方はあやめ。片方はいおり。
あやめは髪が赤い方で、いおりは髪が水色の方。
シャー芯きれたのはあやめの方だな。
天夜「…ほらよ」
あやめ「サンキュー」
天夜「いやちょっと待ってよ今まるごと筆箱に入れただろ」
あやめ「えー?だめ?いいじゃん別に気にすんなよ」
天夜「ダメだっつの俺が困るだろ」
あやめ「身分わきまえろよ。無能力が」
俺は胸ぐらをつかまれた。
教室はシーンとしてみんなこちらを見る。
俺だって男だもんね、頭きちゃうぜ。
天夜「ごめんなさいくろぷす」
あやめ「うグッカハッ」
俺はあやめのネクタイをつかみ、ぐっと締めあげ、『雨』で濡らし、『雨』を『雹』にして首を絞める位置でネクタイを止めた。
ざまぁねぇな
いおり「はぁおいあんたあやめに何をした??」
天夜「…?なにも?べつに?」
俺が能力者であることは、よく学校をサボってる為か、いおりもあやめもわからない。
いおり「このっ!」
天夜「あぶねぇっ、馬鹿野郎!」
いおり「きゃっ」
いおりは先の尖った氷柱を天夜の顔に飛ばした。
天夜はそれを避け、いおりに平手うちをした。
いおりは今まで見下していた天夜の急な強さに動揺を隠せない。
あやめ「てめぇ!」
天夜「…」
なんだあの野郎…手が真っ赤になってやがる…。
手の周りに陽炎が出来てやがる!
勇気と同じ『火』とか『熱』とかそういうタイプなのか?
ちょっとやばいんじゃないのこれ
天夜「…下がった方がいいような気がするぜ…みんな」
真琴「ほーら下がれ野次馬すんじゃねぇ」
委員長の真琴がみんなを下げてくれてる。
ナイスだ、ありがとう。
いや、ナイスではないな、止めてくれ、こいつらを。
あやめは両手を合わせて離すと手から手へドロっとした赤い液体が出てくる。
…液体なんかじゃない。
徳雄「…マグマだ。」
天夜「マグマ?マグマって溶岩の?」
徳雄「あぁ、あいつは手のひらからマグマを出せるんだ」
天夜「…」
あやめ「受け取れ!雑魚が!」
あやめはメンコを床に叩きつけるようにマグマを投げた。
マグマはその勢いで天夜の方に伸びる。
避ける他、なかった。
避ける他ないと思っていた天夜も甘かった。
避けた後、天夜の崩れた体勢を狙って氷の矢柱が数本飛んでくる。
天夜の脚と脚の間、脇の間、関節の間
どれも天夜自身を狙っているものではなかった。
気がつけば氷の矢柱に支えられてる形になったと同時に動けない状態になった。
天夜「くそっ、野郎!お前!」
いおり「女の子殴る人が悪いんですー!」
あやめ「じっくり炙ってやる!」
マグマの道からサメのヒレのような物が見える。
きっとマグマでできたサメだろう。
ヤベェ、食われちまう。
食われちまう…。




