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旅の友を手に入れます

ぞくへんですよろしくおねがいします

この旅の最終目的地は首都アーベイになる。

その道を、フロウ村と言う街を出た後に逆に戻っているが、訳がある。

首都までは足の早い地竜でも、半年という距離を無謀にも徒歩で進めている。

その遠い目的地を聞いたフロウ村のギルド係官から、一つの提案をされていた。



「えぇ、そんな遠くまで徒歩で行くつもりですか?」


「ええ、まぁその予定なんですけど」


係官の質問に、素直に徒歩で行くと真顔で返すと、すぐに教えてくれた。


「少し道を戻る事になりますが実は『地竜の牧場』があるんです。草食の奴で、気性も大人しい奴で長旅の足に使われてはいかがですか?」




「迂闊だった、最初から地竜で出発してたらもうかなりの距離に成ってたのか」


「当たり前だっ、まあ駆け出しのお前には多少の苦い経験も必要と思って、これまで黙っていた。まああの村で親切に教えて貰ったことでもあるし、無碍にも出来ないだろう。ここからは地竜で旅を続けようか」


っとまあ、リベルタから説教の様な物を戴いた事で『地竜』を手に入れるために牧場を目指して道を逆戻りしている。





「うわぁ! ノベルさん見てっ地竜が沢山いますよぉ」


係官に聞いた牧場が視界に入り、放牧されている地竜を目にしたディーネは目を輝かせ、毎度お馴染みとなり始めた髪のしっぽを振りながら、一目散に駆け出した。

柵の方へとすっ飛んでいくディーネを、目で追いながら後に続く。


「ねえ……、ディーて本当に女神様なの?。こうやって見てるとさぁ、人間の女の反応丸出しにしか見えないんだけど?」


「あはははは、そうだよなぁ」


「確かに、女神の凛とした物は微塵も感じないなっ」



珍しくリベルタからも、笑われながら感想を述べられている。

そう言われて、ふと思えば他の人の女神達と話をした事がない事に気がつく。

街中でも女神達の姿は疎らだし、直接彼女達と面と向かい会話した事がない。


  他の女神……、一度だけ声を聞いた事があるのは、あの時だけか


そう、ディーネと出会ったばかりの頃に、街の周囲で狩りをしていた時の事だ。

迂闊にも、彼女が他の赤目兎を刺激して俺達がピンチに成った処を、助けられた。

あの騎士が連れていた女神が、ディーネと少しだけ会話している。


  あの騎士とは、あれ以来街中でも会う事がなかったなぁ

  今あの人達はどこで何してるだろな?




「白銀の鎧を着た騎士と女神?、うーむその情報だけじゃ分からないぞ、もっと特徴は無いのか?」


「特徴っと言われても、高価な白い鎧しか……」


  いや、あの時確かディーは相手の女神の名前を聞いていた気がするぞ


「ディー、前に赤目兎から助けてくれた騎士が、一緒に連れてた女神の名前って覚えてるか?」


牧場の柵に腕をもたれ、地竜を楽しそうに眺めているディーネに声を掛けた。

彼女は、くるっと顔を向けて質問に返事をしてくれた。


「覚えてますよぉ、アルトさんです。そう言えばアレからお会いしませんねぇ、如何してるのかしら?」


その女神の名前を聞くと、リベルタは即差に驚嘆の声を上げる。


「アルトだってぇ! ちょっと本当に居たの?。そんなぁこんな辺境に来ていたなんて……」


彼女には、あの騎士が連れていた女神に覚えがあるらしい。


「リベルタは、その名前の女神を知ってるんだ?」


「ああ知ってるもない、英雄ダレンの連れている女神がアルトだ。ノベルお前知らなかったのか?、アルトが居たとなると、お前を助けた相手は英雄ダレンということだ!。運のいい奴だなぁ!、英雄に会えるなんて事は今は殆どないぞ」


  あの人が英雄の一人だったのかぁ




名前までは覚えてなかったが、天界から女神が沢山降臨する様に成る前に、既に女神を連れて『邪龍討伐』を成功させて、国を窮地から救った四人の英雄の居る事は知っていた。


「だが、英雄が何であんな辺境の街に来てたのか……?。まぁ、そんな事より私達の地竜を先に決めてしまおう」



牧場主の事務所。

フロウ村の係官から貰った紹介状を渡すと、機嫌良く対応してくれた。


「おお、あの森の魔物を倒してくれたのは、アンタ達かぁ感謝するよぉ、地竜の餌に成る良い水草があの池の周囲に在るんだが、魔物のせいで採りにいけなかったんだ。本当に助かったよ!」


その後に、牧場主は自分で地竜の柵に中へと案内を始め。


「今居る地竜は、こいつらだが好きな奴を連れて行ってくれ」




決れば又呼んでくれと、小屋へ引き上げていった。

自由に地竜達を見て廻り、最初に決めたのはやはりディーネだった。


「私はこの子にしますっ!」


彼女が柵の中へ入ると、地竜の方から不思議と集まり始めその中から、一番自分の気に入った固体を選んできた。


彼女の次に連れて行く地竜を決めたのは、リン。

何頭かと睨めっこの様に、顔を突き合わせて決めていた様だけど。


「この子にするわぁ、何か一番眼つき悪くて気に入ったぁ!」


  どういう基準で選んでんだか……


残りは俺とリベルタの二人だけに成った。



  イーグが来たぞぉ━━!


「なんだってぇ!、いかんっ地竜を避難させないとっ!」


小屋からとび出して来た牧場主と、飼育員達は柵の仲へと散っていく。

イーグとは、『大型猛禽の魔物』で鷹や鷲と似ているが凶暴性と大きさは別格。

普通の猛禽類は、人を襲う事は無いが奴らは人であろうが魔物であろうが、空中から容赦無く襲ってくる非常に厄介な魔物だ。


「地竜達を非難させる間、俺達で相手しよう!」


「そうだなっ! 急いだ方がよさそうだ」



魔族の姿をモロに曝すと、かえって地竜達を驚かす事になる恐れから、ディーネとリンには避難を手伝って貰い、俺とリベルタでイーグを倒しに向った。既に大多数は非難させ終わっていたが、まだ数頭が柵の中に居る。


三匹のイーグが、柵の中に居る地竜を狙って降下してくる。

リベルタの矢が、それを狙い放たれ翼を貫き一体がきりもみで落下した。

落下した奴に、飼育員達がクワで止めを刺して残りは二体。


の筈なのだが、柵の中から外へと撤退していくのが見えた。


「ん?、一体やられて逃げ出したのか?」


俺の言葉は、見事に外れていた。

矢の攻撃を恐れて撤退したのでは無かった。

それは、牧場に巨大な影が覆いかぶさった事で理由が判明する。

最初に襲ってきたイーグの数倍の奴が、地竜を襲いに来た。



「くっ、イーグの変種が来たからさっきの奴らは撤退したのかっ!。こいつには、今の矢では弾かれて意味がないっ! あの時の『アルテミス』じゃないと無理だっ!」


そしてディーネは、地竜達と一緒に避難して柵から遠く離れてしまった。

呼びに言った処で、戻ってきた時には地竜達は全滅している。


上空の奴に、手を拱いている内に。

変種イーグは遂に、逃げ遅れた一頭に変種が目を付けてしまう。


「ああ、駄目だっアレはやられてしまうぞ!」


俺達位置からは、反対方向へ逃げた一頭が狙われている。

急降下してきたイーグのかぎ爪が、地竜に食い込む直前。、

別の一頭が巨大なイーグの足に体当たりを敢行し、狙われた一頭を爪から救った。


「おぉ何か一頭だけ、凄い勇敢な奴がいるっ!」


「うむ、だが無謀だ! 結局二頭やられてしまうだけだぞっ」



リベルタの言うとおり、次に狙われたのは足に体当たりをやってのけた固体。

上空から舞い降りて、足で捕まれる瞬間に急加速してジャンプすると、すかさず尾の一撃を放った。着地すると上空を見上げ、走り出す。


「おい、あいつは逃げ遅れた一頭を逃がそうとしてるんじゃないか?」


「え?」


リベルタに言われ、動きを追うと確かに反対方向へと誘っていた。

それを見た俺は、無性にその一体が気に成りその場を駆け出した。


「あ! 、待てっノベル危険すぎるぞっ!」


  彼女に言われるまでも無い、そんな事は承知している

  けど、あんな頑張ってる奴をこのまま見過ごせない!




囮と成って逃げ惑う地竜だったが、上空のイーグも知能が高かった。

舞い降りて鉤爪で掴むフリをして、激しく翼を羽ばたかせ地竜を転倒させると、足の鉤爪を再び開いて転倒した地竜へと襲いかかる。

絶体絶命の地竜が、俺の目に映る。


  ヤバイっ、あいつがやられてしまう!


そう呟いた時。

あの感覚が身体に感じるのをおぼえた。

全身を縛り付けてた鎖が砕け散るあの感覚が。


足を止めて剣を振りかぶり、地竜を掴み掛けたその巨躯へ向けて斬り払う!。

俺の剣閃から放たれた透明な刃は、地竜をカスル事無く宙のイーグを切り裂いた。

胴体を両断されたイーグは、断末魔すら上げれずに地上に落下して果てた。


ふぅっと、大きく息を吐いていると。

立ち上がった地竜は、俺の方へ顔を向けると走り寄って来た。

傍に来たその地竜と対面し、その固体から頬ずりをされてしまった。


「うん、俺の地竜はお前に決りだよなっ」


俺の言葉がこの固体に通じたとは思っていないが、その後にもう一度頬ずりされた。だが、言葉の意味は分からずとも、気持ちは伝わったのでは?っと、思いたい。





地竜を探しに来て、とんでもない乱入者に遭遇してしまったが、結局それが遭った事で旅の友と成る地竜と出会えた事は、ある意味あのイーグ達に感謝する必要があるのか?。


リベルタも、あそこで生き延びたもう一頭の地竜を選んだ。


「あの状況で生き延びたこいつは、強運の持ち主で縁起が良いからなっ!」


って事らしい。




イーグから助けた事で、牧場主からは。


「その二頭は、本来ならあいつにやられてたんだ。代金は要らない、あんた達の旅の友として可愛がってやて欲しい」



こうして俺達の旅の友と成る、地竜選びは無事?終了した。


手に入れたばかりの地竜達に跨った俺達は。

若干引き返した事も、問題に成らない速度で元の旅路へと戻った。








有難う御座いました。


ブクマ、感想、レビュー等を 駄女神ディーへお願いできれば嬉しい限りです。

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