相談
ぞくへんですよろしくおねがいします
噂が一人歩きしているらしい━。
凶悪な魔物を倒したと宣伝されるのは嬉しいけど。先の魔物の様な凶悪な魔物が、この地域で頻繁に出没する様になってきたらしく、その討伐を依頼して来る者が増えて来た。
退院した後にリベルタと二人で相談した。強力なディーネの能力も、俺が死の憂き目に遭わないと発動しないのでは、それに頼る訳にはいかないと。その後に三人で、一度危険が高過ぎる依頼に付いて談義する。依頼を請けに行くディーネに、言わなければ成らない。
二人から、相談があるとディーネに話し席に着かせた。
俺達が、神妙な面持ちでディーネを見詰めた為、彼女も何を言われるのか?。
相談内容に、察しが付いた様だ。
「なぁディー?、依頼を確認して俺達がダメと行った物は、諦めよう?」
「私も、ディーの人を助けたい気持ちは尊重したいが、二人でダメと言った時はダメだ、従って貰う!」
俺は、ディーネにキツイ物言いは出来ないがリベルタは違う、ショートヘアから覘く厳しい眼差しで、見詰められ、ビシッと釘を刺してくる。
「直ぐにでも全部を助けたい! だから聞けない、って事なら、俺達は解散する事にする!。先の事は分からないけど、今は強敵過ぎる相手に立ち向える実力が、まだ無いからね。ディーがまだ、俺と一緒に居たいと想ってくれているなら、従って欲しい」
『嫌だぁ!』っと、泣かれるかと一瞬ヒヤっとした。ディーネはスッと立ち上がり、長い黒髪をバサリと前へ垂らして頭を下げて承諾してくれた。
「はい、従います。まだ一緒に居たいから、ノベルさんと離れたくない」
ディーは、強く主張した事で俺が死に掛けた事を、重く捉えていた。次からは、俺達に従うと言ったが全てを拒否する事になれば、彼女もしょ気て行くばかりになるのも、事実である。何か早めに、対策を考えないといけないだろう。
困ってる人を助けたい、その気持ちは俺とて同じだ。
冒険者に成ったのも、その想いから始まった事なのだから……。
だが今は、高過ぎる危険は避けるべきだ、そうでないと人を助ける何処ろではない。死んでしまっては、何も出来なくなり意味が無い、その為に今は避けて力を上げるに専念する。
っと、決めたのだが……。
ギルド本部のメーアさんに、呼ばれる事しばしば。
彼女は、目立つ赤髪の後頭部を擦りながら、依頼を告げてくる。
「ごめんねぇ、ギルド通して名指しで依頼されると、断れないのよぉ。お願いっ」
ぽんっ、と手を合わせ、俺達に懇願してくる。請けれる内容なら、即座に頭を縦に振るけど、中には先の魔物の様な凶悪な奴もいて、断る事も一度や二度では無くメーアさんの立場を悪くしているのではと、少し心配にもなっている。
もうすっかり常連となったカェテラス『風見亭』、三人揃って白いテーブルへ座ると、店員へ何時ものオリジナルのお茶を注文して待つ。
待ち時間に、ここへ来る前にギルド本部にて、依頼を断った話を持ち出した。
「メーの立場ぁ?、そんな事を気にする必要は無い!」
メーアさんと友人のリベルタは、キッパリと言い切っている。
それでも、ディーは少し心配そうだ。
店員が近づき、店自慢のオリジナルティーが置かれ、手に取って口へと運ぶ。ディーネは、長い黒髪が風に前へと流され、ふわりとカップに入りそうになり、一度手で払った後にカップを手に取った。
「お友達なのに、いいんですかぁ?」
「あぁ?、かまわんっ、事情を理解しているのに、断らないアイツが悪いのだ」
不安げに眉をひそめて話すディーネに対し、そちらは眉ひとつ動かさずサラッと言い放ち、カップを口へと運ぶリベルタの姿は、一見して冷徹なイメージがある。優秀な彼女が、これまでソロで冒険者を続けて来たのは、その冷徹な振る舞いに起因している様に思えた。
これまでも、自分が正しい事をあの冷徹な眼で、厳しく指摘してきた。それを疎ましく感じる連中とは、馬が合わないのは仕方ないが、そんなリベルタを選んだディーネは、凄いと思った。
ディーネの言った『女神の感』は、一見冷徹なリベルタの別の面を見抜いていた?、それだけじゃないのを感じてるから、一緒にいても何も言わない。リベルタも、あれ以来ディーネを使え無い女神とは見ていない様だ。
おっとりとした女神に、冷徹な弓術士のPTは上手く廻って行きそうだ。後は、俺が二人を守れるだけの強さを、しっかりと身に付ければ良いのだが。
美女二人を左右に眺め、ゆっくりとした午後の一時を愉しんでいた所、街を移動する大勢の冒険者達の行軍に邪魔された。幾つも私設ギルドが在り、冒険者の数も多いが一度に街の通りを埋める様な行軍は、見た事が無い。
「ん?、何だこの行列は?」
それまでのんびりと脚を組み、お茶を飲んでいたリベルタも異変に気が付き、脚を戻し椅子に手を着いた状態で、通りへ振り向いた。
「皆さんあんなに大勢で……、何かあったのかなぁ?」
ディーネは、通りに正面向きに座っていた為、口からカップを放すだけで、その光景を見ていた。
俺は、テラスから通りへと下りた。
そして、一番近くを歩いていた者を捕まえて訪ねてみた。
「ちょっと、これは一体なんの騒ぎです?」
「ああ、何か豪い魔物が現れたので本部から私設ギルドへ、召集が掛かったんだよ」
「豪い魔物?」
「詳しくはしらねぇ、お前も本部へ行けば分かるだろうよ}
それだけ話すと、男は行列に戻り歩いて行った。
「何か、豪い魔物がでたらしい……、みんなギルド本部へ向ってるみたいだ」
男から聞いた事を、二人に伝えると。
リベルタは、勢い良く椅子を後ろへ飛ばしスクッと立ち上がる。
「よし、私達も行くかっ!」
すっかりPTLを、リベルタに奪われた気がして、頭を掻きながら苦笑いをした。その光景を、ディーネはポカンっとした眼で見詰め、尋ねて来た。
「ノベルさん……、どうかしちゃいました?」
「いや、何でもないよ、俺達も行こう!」
俺は、ディーネの手を引っ張って、先に進んでいるリベルタを追った。
「あ、いゃん、そんなに強く引かないでぇ」
後ろから、ディーネのやたら可愛らしい声が、耳に届いてきた。
ありがとうございました




