傷心の駄女神
ぞくへんです、よろしくおねがいします
キャラを少し分かりやすくする為に、第8話でメーア、第12話の狩人で、リベルタの容姿を入れました。
眼が覚めれば、又もやベットの上に居た……。
意識を無くした後、俺を二人が運んでくれたのか尋ねてみた。
「二人が俺を運んでくれたの?」
「いや、救護隊が来てノベルを運んだのだ……」
「救護隊……?」
依頼した物の、嫌な予感に駆り立てられたメーアさんが、こっそりと様子を窺いに人を寄こした。その者が洞窟最深部で、傷を負った俺を発見して急ぎ本部へ戻り、救護隊を連れて戻って来た。
メーアさんが、嫌な予感で動いた事が功を奏する結果に繋がり、俺は命を失わずに済んだ様であった。
しかし今回は、前回と違い体が上手く動かない。
リッチにやられた傷痕、そこから入った毒が全身を巡り、危うく死亡する所だったと聞かされ、隣で聞いて居たディーネは、両手で顔を覆い泣き始めた。勿論、直接ディーネが悪い等とは誰も言わないが、彼女自身が、自分も普通の女神の様に支援をやれていればと、思い詰めてしまった。
顔を抑え涙を流すディー、その姿をベッドの上から見ながら、これは彼女の気を晴らすのに苦労しそうだと、頭を悩ませ始めた。
ディーネが完全に疲れて眠った時に、リベルタからあの時の事を尋ねられた。
「ディーのあの変身は何だ?、全くの別物だった」
知っているなら答える事は出来たけど、俺も殆ど知らない。
只、前にも一度俺が危機に陥った時に、戦女神に変身して変種のオークを、槍の一撃で倒した事が有ると伝えた。
「けど、リッチーを倒した姿は、変種オークの時と違った…」
「なに?、ではディーは変身の形態を二つ持っている訳か?」
リベルタが言うには、女神には『物理特化』『魔法特化』『回復・支援特化』の三種類のタイプが有り、それを兼ねて持っている女神が居る事を、聞いた事が無いそうだ。
彼女が適当な事を言っているとは思えない、聞いた事をそのまま受け取るとディーネは、『駄女神』どころか、稀に見る逸材の女神と言う事に成る。
その事は、落ち込んでいるディーネを励ます切っ掛けになりそうで、俺には朗報と成った。
俺が病院を出るまでの二日間。
ディーネは、ずっと傍で看病する事を止めなかった。
病院の治癒魔導師は、女神に匹敵するほど優秀なこともあり。
本当なら、彼女が付き切りに成る事は無い。
殆ど、口を開かなかったディーが退院前に話し掛けてきた。
「私……、やはり使え無い駄目な女神でした。契約を解除して下さい」
彼女の心理状態は、俺の想像より酷かった。
落ち込むだけなら未だしも、契約解除を申し出てきた。
「ディー、そんな必要ない」
「前のは、ミスでしたけど今回は違うじゃないですかぁ、普通の女神なら当たり前の事を、私には出来ずにノベルさんを、もう少しで死なせる所でした。これ以上はご迷惑掛けれませんっ」
「もし、ディーが居なくなったら、俺が困るじゃないか」
「そんな事は……、女神失態で契約解除の場合は、優先的に代わりの女神が付きます。ノベルさんが困る様な事には成る事はありません」
ディーネの考えを改めさせる、良い言葉が浮かんで来ない。
「女神が代わっても、俺が困る事は何も変わらない!」
「そんな、……ちゃんとした女神なら……
「だって、代わりの女神はディーじゃない! 、俺はディーと一緒に居たい、一緒に冒険して強く成りたいんだよ、俺にはディーが必要で、別の女神と冒険する気は、更々無いぞっ!」
「ノベルさんっ……!」
ディーネは、今の言葉に感極まって口に手を当て、涙をボロボロとこぼし始める。
契約解除を進言してきても、本音は帰りたくない。
本当の気持ちを押し殺して、苦渋の決断をしていたに過ぎなかった。
ディーに本音を蘇らせた俺には、今だけ偉いと誉めて措く。
「私……まだ一緒に居ても良いのですかぁ?」
「当然! 、ディーは俺の大事なバートナーだぞっ、一緒に居て良いに決ってる」
「わああぁ……、ノベルさんっ、嬉しいぃっ」
ディーネは、泣きながら抱きついて来た!。
細くしなやかな肢体が、俺の身体を刺激して猛烈な勢いで、俺を扇情的にする。
持ってはいけない感情が、加速しながら浮上を始める……。
彼女の背に腕を廻し、力一杯抱き締めたい衝動が、俺を責め立てる。
地獄の時間が、俺に襲い掛かって来た。
彼女と、間近な空間で停止している腕の間隔が、伸縮を繰り返している。
感情に押し流されるのを、必死で耐えてる時だ。
『ちょっとぉ! 彼方達っ、病院内で何してるんですかっ!
そんな事は、外でしてくださいっ!』
「あっ!」
「きゃっ!」
治癒師の婦長に、一喝されて怒られる俺とディーネが居た。
「全くっ、そんだけ元気なら退院は、問題ないわねっ!」
そう言うと、婦長はご機嫌斜めで離れていった。
その姿を、部屋の入り口から顔を出し覘いた後。
「婦長に怒られたね……」
「えへへへ、怒られちゃいましたね」
ディーネの物言いが、何時もの明るい物に変わっていた。
俺の感情も、収まりを見せた事と何時ものディーに戻った事を、婦長に感謝した。
病院を後にした俺達は、一連の礼も有りギルド本部へと向った。
メーアさんの所へ行くと、リベルタもそこに居た。
「あ、無事に退院したみたいだねぇ、良かった」
「メーアさんの御陰ですよ、有難う御座いました」
「いやね、如何にも嫌な感が収まらなくてねぇ」
「偶には、メーの感も役立った訳だな」
リベルタが、禁句な筈の言葉をうっかり使ってしまった。
「むっ! メーいうなぁっ!」
「あ……、悪い、遂……口にしてしまった」
「ぷっ! 、リベルタさんもうっかりする事有るんですねぇ、あはははは」
ディーネが、本気で笑っている事に、その場の皆が安堵した事を彼女は知らない。
その後、魔物の一件の話に成った。
結果から言うと、何故あそこにあれだけの強い奴が、沸いていたのか?。
それに付いては、調査中だが今の処、『何も分からないのよねぇ』っと。
赤い髪を掻き揚げて、話してくれた。
ありがとうございましたー




