↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/33

洞窟探索

よろしくおねがいします

冒険者達が入って戻らない場所へ。

沢山の亡骸が在るかも知れない場所へ行こうとしているのに。


ディーネは二人の前を歩きながら

腰の後ろに手を合わせ、楽しそうに鼻唄交じりで浮かれている。



「おい……、ディーは何でアンナに楽しいそうなんだ?」


「さあ?、俺にも分からないよ……」


兎の亡骸ですら、気持ち悪くて近寄らなかった彼女が、下手したら人間の亡骸を山の様に目撃するかも知れない場所に向っているのに、浮かれる心境はなんなんだ?。



「ディー……、何か良い事でもあったのか?」


遂に、我慢しきれずにディーに尋ねてしまった。



「ええ、三人で森の中を散歩みたいじゃないですかぁ?」


 

なる程、要するにディーの頭の中では今の状況は、散歩状態な訳だ。



冒険者から言わせて貰うと、非常に憂慮すべき状況に、本当なら彼女に注意すべきなのだが。あの楽しいそうな雰囲気を壊すことに、罪悪感を感じてしまい指摘できずに居る。




その雰囲気を察して、リベルタは囁いてきた。


「これは、ディーから目を離せないな」


「ごめん……頼むよ」



ディーネの鼻唄は、結局問題の洞窟へ辿り着くまで、森の中へ流れていたが、洞窟内部へと足を踏み入れた時は鼻唄も終焉して、何時の間にか俺達の後ろにピタリと張り付き、位置を変えていた。その行動がとても可愛く想え顔が綻びかけるが、顔を引き締め緊張するリベルタを見て、我に返った。


そう……、ここからは半端なく危険なエリアが続く訳だ。


暗い洞窟内も、メーアさんから借りた『魔法灯』で、歩くのには不自由しない。

三人が並んで通れる程度の道を、暫らく進んでいくと民家一部屋分の空間が在った。


その空間に灯が充満した時。

ディーネは、思わず叫びかけて両手で口を塞ぎ、俺とリベルタは武器に手を掛け周囲を警戒して見渡した。


そこには、冒険者と思しき亡骸が二体、横たわっていた。

二つの身体を調べたが外傷は見当たらず、その顔は干乾びている。

良く観察すると、全身が干乾びている事が判明するが、そうなった原因は?。



「嫌な予感ばかり膨れてきた……」


「何か分かるの?」


「いや、まだ推論だけど……」


俺には見当も付かなかった事を、リベルタは何か気が付いてた。

背中に違和感を覚え振り返ると、ディーネが両手で服を掴んではなさい。

森の中の、浮かれた気分は消し飛んだ様子だ。



「ディーどうする?、探索止めて戻るか?」


「うむ、この分だと、この先には……」


依頼を請けた冒険者は、二人とは言わずもっと沢山の者がここへ来て居るはず。この場所に、亡骸が二体放置されていると言う事は、この道の先には沢山の亡骸が転がっている可能性が高い。


流石に、そんな光景をディーネには見せたくないし、彼女自身が道端に散乱する亡骸なんかは、見たくも無いだろう?。



「いえ……、進みましょう」


帰ると言い出すと思ったのは間違い、ディーネは先へ進む事を進言してきたのだ。


「ディーネ、無理しなくて構わない。私もノベルも文句言うつもりは無い!」


リベルタも、彼女さえ帰ると言えば、賛同してくれる。

ところが……、ディーネは頑固にも首を横に振って、探索を続けると言う。



「沢山の犠牲者が居るなら、尚更進んで何が起きたか調べないと」



これは、女神様の使命感か何かが、ディーネを突き動かしているのか?。

頑なに帰る事を拒む、彼女の意思を尊重して先へ進む事にした。


但し今度は、何が起きてもいい様に最大に警戒して、道を歩き始めた。




予想した通り、先に進ほど亡骸の数は増えていき、ディーネはその度に歩みを止めて、彼等の為に手を合わせ祈りをしていた。その姿からは、駄目だしを山ほど浴びせられ、何時もトボけた事をやる駄女神の雰囲気はなく、誰もが描き見る女神様の聖なる雰囲気が窺えた。


干乾びた亡骸の数が十数体を越え、その都度ディーネが亡骸に祈りをするのにも、いい加減に見慣れた時。前方に、コレまでより広い空間が在るのが見え、洞窟最深部に到着した事が分かった。



「さて、終点だし何が起きるか分からない、二人も注意してくれ」


言った俺自身、正直脚が震えそうな事に気が付いていたけど、必死でそれを押さえ込み、灯を頼りに空洞へと侵入した。


そこに映し出された光景は、途中の数とは比較に成らない亡骸が散乱、目に入った瞬間にディーネだけでなく、全員が目を伏せ顔を背ける惨状が拡がっていた。


「酷いっ……、なんて事を……」


「これは、目に余るな……、酷すぎる」


女性二人から出た言葉は、そのまま俺の言葉でもあった。

空洞内の、惨劇に呆然と立ち尽くす俺達の視線の先に、青白い炎が昇った。



「む……、やはり予想通りの奴が出て来たぞ!」



淡い炎はやがて人の形を成していった。


それは、裸同然の身体に黒い布を巻く付け、全身から青白い煙を立ち昇らせた女。

見た目は、俺と同じか若い。



「くそ、やはり魔物(リッチー)か、気を付けろ!、捕まれば生気を奪われるぞ!」


「なっ! この亡骸は全部、魔物(リッチー)に殺されたのか!」


「その様だっ、殺された者は時間が経てば魔物(ゾンビ)化する」


「まさか……」


近くには墓地が、キリングス隊長達が討伐した魔物は、魔物(リッチー)に殺された者の成れの果てだったという事に成る。墓地で起きた謎の大量発生の原因は、全部この魔物(リッチー)の仕業だ。



真っ白い肌に、青白い炎を纏った魔物(リッチー)は、俺達に歩みを向けた来た。



「ヤバイっ! 、ディー、何時もの頼む!」


「はいっ!」



ディーネは、腕を振り『強化』を俺とリベルタへ施した。

不死の魔物(リッチー)と、戦闘が開始される。




ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。