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隣の席の女の子とプレゼント



放課後、みこちゃんは部活があったらしく園芸部の部室には今1人。東雲先輩も今は図書室に行っている。部室はまだパーティー仕様になっており、ホワイトボードには“夕弦お誕生日おめでとう”とでかでかと書かれている。


僕は机の上に置いたものを見た。みこちゃんからもらった誕生日プレゼントだ。丁寧にラッピングがされており、みこちゃんに「家に帰ってから開けてね!!」と念押しされている。


ちなみに僕は今、なぜ部活動もないのに部室にいるのかというと、みこちゃんの部活終わりを待っているからだ。1人でいるのも好きだし、3時間くらい待つのはどんとこいだ。みこちゃんと帰れるならなんでも嬉しいし。ただ、部活も何もしないのにここにいるのは悪いなと今更ながら思い、せめて中庭の花に水をやろうとジョウロを持った。


「プレゼント、カバンの中にしまっておこう。」


僕は1人で小さく呟いた。窓の外からはサッカー部の元気な声が聞こえていた。


ーー


帰り道


「めっちゃ今日待たせちゃったよね。ごめん」


みこちゃんは手を合わせて僕に謝る。


「ううん。全然気にしないで。俺もやりたいことできたしよかったよ。むしろありがとう。」


この学校にはガーデニング好きの先生が多いため、中庭は園芸部も管理するが、先生たちも好きにして良いとされている。入学した時から何が植っているのか気になっていたがなかなかタイミングがとれず、じっくり見られる機会がなかったのだ。


「ほんと?ゆーくんって本当に優しいよね。私も見習わなきゃな。」


「みこちゃんも十二分優しいよ。」


「そういうところじゃないの〜?」


2人で笑う帰り道。夏が近づき、伸びた日ざしが僕らを照らす。まるで青春の一ページだ。


「そういえば、プレゼント開けてないよね?」


「開けてないよ。」


「よかった。ちゃんと私との約束守ってて偉い!」


みこちゃんはわっはっはと笑う。


「それね、ゆーくんに絶対喜んでもらいたかったから渡会くんに選ぶの手伝ってもらったんだ。」


あぁ、昨日のデートか。


「でも結局、渡会くんは私が選んだものだったらなんでも喜ぶよって言ってくれたんだ。だから、もしもちょっと違うなーって思ったら遠慮なく言ってね。」


渡会くんは心が読めるのだろうか。


「みこちゃんが選んだものだったらなんでも嬉しいよ。そんなことより、僕のために選んでくれたことが嬉しい。」


「ほんと?お世辞とかじゃないね?」


「ここでお世辞は言わないよ。」


「えぇ〜照れちゃうな。あ、もうそろ家だね。」


ここで別れるのは名残惜しいが、誕生日にみこちゃんと過ごせたと言うことが嬉しかった。


「じゃあ、またね。」


みこちゃんは俺に向かって満面の笑みを見せる。それがひまわりのようで、僕の大好きな笑顔だ。


「うん。またね。」


「じゃ、お誕生日おめでとう!またね〜!」


「ありがとう。またね。」


こうしてみこちゃんと過ごした僕の誕生日の1日は終わった。


家に帰ってみこちゃんからもらった誕生日プレゼントを開けると、花の刺繍が入った黄色のハンカチだった。そして、手書きのバースデーカードも入っていた。可愛い。こんな素敵なもの気に入らない人なんていないだろう。


隠せないニヤケを必死に隠しながら夜ご飯へと向かった。その時、僕はそのハンカチを明日学校に持って行くことを決めた。




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