隣の席の女の子と遊園地【観覧車編】
俺らはそこからメリーゴーランドとかティーカップとかたくさん乗って閉園の時間が近づいてきた。
「みこちゃん。最後に観覧車乗って帰ろうか。」
「そうだね。行こう」
二人とも遊び疲れたのか少しぼーっとしている。
無事観覧車に乗り込んだ。
「ゆーくん。二人っきりだね?」
みこちゃんが口を開いたと思えば“二人っきりだね”!?
「何急に。」
慌てて動揺を隠す。
「実はずっと言ってみたかったんだよね〜」
「確かに。気持ちは分からんでもない。言ってみたいよね。」
きっとみこちゃんも本当はちゃんと好きな人に言いたかっただろう。
そして、
二人の世界は静かになった。
「ずっと二人きりになって話したいって思ってた。」
慌てて口を押さえる。え、何言ってんの俺。みこちゃんも驚いている。
「え?」
「いや、その、あの、えっと。」
「私も思ってたよ。ずっと話したいって。ここ、人多いから落ち着いて話せないよね。」
「うん。そう、そうなの。」
まだ心臓がバクバクしてる。
「それで、なーに?話したいことって」
「今日、本当にこれで良かったの?」
「これでって?」
「遊園地、俺とで。」
「うん。ゆーくんと来れて嬉しかったよ。」
「カラオケとか、良かったの?」
「カラオケなんて別にいつでも行けるでしょ?ゆーくんはなんでそんなに心配してるのさ。」
「それは、、えっと。」
みこちゃんを傷つけないようにゆっくり言葉を選ぶ。
「みこちゃんって本当に素敵な人だと思う。」
「ありがとう?」
「だから、今からたくさんみこちゃんの素敵なところを秋山くんに見せればみこちゃんのこと、恋愛的に好きになるんじゃないかって。今は秋山くんに望月さんがいるけど、でもそういうのってよくあることだとおもうし。だから秋山くんと一緒にいられる時間多い方がいいのかなって。遊園地行くこと決まった日からずっと考えてた。」
「うん。そうだったんだ。」
「ごめん。性格悪いよね。」
「そんな事ないよ。私もね。たくさん考えたよ。漫画みたいな略奪交際みたいな?でも、私には合ってないかな〜って。」
「きっとね。日向は私とじゃ幸せになれないんだよ。」
笑ってるけど、、ちょっと悲しそう。夕陽がみこちゃんを照らす。
「やっぱ紅葉みたいな子がいいんだよ。身長小さくてリスみたいにコロコロしてて可愛らしくて、、」
「そんなことない。」
僕は即答した。
「みこちゃんはみこちゃんのままで十分素敵な人。みこちゃんはみこちゃんだから素敵。」
「ゆーくんっていつも褒めてくれるよね。ありがと。」
みこちゃんは心なしか表情がさっきより明るくなっているけれどまだ暗い。
今日、ずっと言いたかった。だから、ちゃんと言う。
「みこちゃん。」
「なーに?」
「今日、一緒に遊園地来てくれてありがとう。たくさん可愛いとことか色んな表情見せてくれてありがとう。」
「こちらこそだよ。」
「今日、すごく楽しかった。みこちゃんと来れてよかった。本当にありがとう。」
今日はずっとみこちゃんに名前をたくさん呼んでもらった。けれど僕はあんまり呼べなかったから今たくさん呼ぶ。
思い込みかもしれないけれど、より表情が明るくなった気がした。
「ゆーくんって思ったことちゃんと伝えてくれるよね。そういうところ素敵だと思う。私も言わせて。」
観覧車が頂上に回った頃、みこちゃんは僕の目を見て言葉を紡ぐ。
「今日は一緒に来てくれてありがとう。楽しかったぜ。」
にひひっと笑うみこちゃん。初めてみた表情で心が撃たれる。ずっきゅん。
「あれ?なんだかゆーくん顔赤くない?照れた?」
「イヤ、それは、あの、ゆ、夕方だからさ。」
「今はそう言うところにしといてあげよう!」
わっはっはと笑うみこちゃん。
そんなこんなでみこちゃんとの遊園地。色んなみこちゃんが見られてとても嬉しかった。
やっぱり好きだな。




