イザベルと魔物。そして蜘蛛④
サドンデス。
それからもコメツチは宣言通り、森から来た魔物たちを次々と、一振りで薙ぎ払っていった。
森から出てきた魔物の中には狼よりも大きく、強靭な魔物もかなりいて、鉱石の爆発に耐え、こちらにかけてきた個体もいた。だが、そういった硬い魔物はラビラビが動き、クレーターへと落とすのではなく、魔鉱石の力を使い止めをさしていった。
そのため、こちらにやってきた魔物は一体もいなかった。一時はどうなるかと思ったけど、これなら余裕で逃げられそうだ。
眼前に迫ってきた魔物に向けて、コメツチが再び剣を一閃振るう。辺りに散らばった魔物の数はもう数えきれないほどだ。
「……ちっ」
コメツチが小さく舌打ちをする。どうしたんだろうと思っていると、コメツチは急に持っていた剣を地面へと捨てた。私が驚いている間に、コメツチは武器を槍へと持ち替え、再び茶色の鉱石へと変化させていた。
「その剣、捨ててしまうの?まだ使えそうだけど」
「中にこめた魔力が切れた。その剣はもうただの石の剣だ。振っても何にもならない」
「あ、何回も使えるわけじゃないのね」
てっきり鉱石に爆発する性質が付与されていたのだと、私は思っていたけど、中に込められた魔力が爆発しているだけだったみたいだ。コメツチが作った爆破武器は、見た目よりも攻撃できる回数は少ないらしい。
「まあでも、もうこれだけ魔物を倒したんだし、武器の心配なんてしなくても……って、マナ?なんで顔を青くしているの?」
コメツチの言葉を聞いて、マナがさーっと顔を青ざめさせていくのを、私は見た。
マナが言う群れは、もうほとんど倒されているはずだ。だって、目の前には百は優に超える魔物の死体が転がっている。確かに森からはまだ、狼を筆頭にした魔物の群れがやってきているけど、じきにそれも終わるはず、なのだ。
「えっと、マナ?もう魔物はほとんど、倒し終わっているのよね?もうちょっと頑張ればそれで終わり、なのよね?」
「……って、ないです」
「え?ごめんなさい。なんて言ったのかしら」
「減ってない、です。むしろ、増えてます!」
「…………んー!?」
まってまって、どういうこと。私が幻覚を見ているのでなければ、魔物は確実に死んで、数を減らしているはずだ。それなのに増えてるって、どういうこと!?
「ど、どういうことなの!?」
「た、確かに最初に私が観測した群れは、全滅しました!け、けど!今もう一度探査をしてみたら、森の奥からさっきよりも大きな群れがやってきているのが見えたんです!」
「なんでよー!?」




