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ご奉仕?

さてと、そろそろお風呂に入って寝るとするか。

後から入るととんでもないことになりそうなので、先に入らせて貰おう。


「今日も先に入っても良いか?」


「もちろんです。」


「悪いな。」


了解を得られたので、俺は先にお風呂を頂くことにした。

服を脱いで体を流してから湯船へと体を沈めた。


「ああぁぁぁ~、最高だ。」


ホント日本人に生まれて良かったよ。

湯船に浸かってまったりとしていると、アリシアが声を掛けてきた。


「ヨシカズさん、湯加減は如何ですか?」


「いいねぇ~、最高だ。」


俺がそう答えたが、何か違和感を感じた。

あれ? アリシアが何でそんな言葉を知っているんだ?


「それじゃ、お背中をお流ししますね。」


俺の疑問を他所に、アリシアがそう言って浴室へと入ってきた。


「な、な、な、な…」


俺はテンパり言葉が上手く出ない。

何故なら、アリシアはバスタオルを胸元で巻いているだけの恰好だったからだ。


「何て格好してるんだあぁぁぁ~~~!!」


思わず叫んでしまった。


「え? えっと、ヨシカズさんの部屋を片付けてたら、こういうのが男の人は好きだって本に書いてあって…」


マジか! アレを見たのか!? …そう言えばあの薄い本は片づけをした記憶が無いな、おそらく出しっぱなしだったのだろう。


「書いて有ったと言っても、アリシアは漢字とか読めないだろ? 何で知ってるんだよ!!」


「あ、いえ、ひらがなは読めますし、絵からこうじゃないかなと判断したんですが、間違ってました?」


「間違ってない!! じゃなくて、年頃の女の子がそんな恰好で男の前に出たら、襲われても仕方ないだろうが!! 俺だって男なんだぞ!!」


「知ってますよ!! でも、本当だったら私は今頃、ゴブリンの苗床にされていました。

 それをヨシカズさんが助けてくれたんです。だからお礼をしたかったんです!」


「俺はアリシアが来てくれただけで十分にお礼になってる! だから大丈夫だ!」


「…ヨシカズさんは私を可愛いと言ってくれました。そして何も分からない私を助けて色々と教えてもくれました。 それに、私だってヨシカズさんのことが…ごにょごにょ…」


最期の方はよく聞えなかったが、多分そう言うことだろう。

いい加減そろそろ正直我慢しきれなくなってきたんだけど…

そんな俺の理性を無くす行動をアリシアが取った。


パサリ…


アリシアのバスタオルと言う最後の防具が外され、一糸纏わぬ裸体が現れた。

アリシアは耳まで真っ赤に染まり、恥ずかしそうにしている。


「それとも、こんな貧相な私じゃ駄目なんでしょうか。」


確かにアリシアは痩せててガリガリだ。

食事が改善されたおかげで多少肉が付き始めたみたいだが、まだ痩せている方だ。

だが、俺は正直そんなアリシアでも綺麗だと思ってしまった。


「綺麗だ。」


「えっ?」


「アリシアは綺麗だと言ったんだ。」


「本当…ですか?」


「ああ、本当だ。」


「嬉しいです。なら…」


「でも、駄目だ!」


「え?」


「俺はアリシアに手を出すことは出来ない。」


「な、何でですか?」


「向こうでは知らないが、こっちの世界には親の許可が得られて結婚出来る16歳以上ならそういうことも可能だが、そうでは無い18歳未満のそう言った性的行為は、お互いが良くても条令によって禁止されているんだ。」


「禁止を破るとどうなるんですか?」


「警察に捕まる。」


「警察…ですか?」


「警察は悪いことをした人を捕まえる人達が居る所だ。」


「それって衛兵みたいな人でしょうか。」


「似た様な物だな。」


「例え親の了解が得られたとしても、アリシアはまだ15歳だ、どちらにしても駄目だがな。」


「そ、そんな…」


アリシアはガックリと崩れ落ちた。


「でも…恋人なら禁止はされて…ないよな? だからそれだったら構わない。

 俺も…その、何だ、アリシアのことが…す、好きだからな!」


「本当ですか!! 嬉しいです!!」


「だからな、ほら、とりあえず服を着てくれ。」


「…今思ったのですが、私が黙っていれば大丈夫じゃないんですか?

それに、私の国では15歳は大人の仲間入りですし、ほら! 問題無いですよ!」


「確かにアリシアが言わなければ、バレる可能性は無いのかもしれない。」


「なら!」


「でもな、この国には『壁に耳あり、障子に目あり』って言葉が有ってな、何処で誰が見てるか聞いてるか分からないから気を付けろってことだ。」


「そうなんですね。確かに世の中にはそう言った調べることが得意な人が居るって聞いたことが有ります。そう言うことなんですね。」


「ちょっと違うが、そんなもんだ。」


「分かりました。残念ですけれどヨシカズさんの迷惑になっちゃいますし、我慢します。」


そう言ってアリシアが浴室から出て行った。

助かった…俺は湯船に浸かっていたから気が付かれなかったが、アリシアの裸を見た瞬間に我が息子が手が付けられない不良へと進化したらかな。

仕方ない、不良になった息子を更生させるのも親の務めだ。今なら最高のネタも有ることだし、ちゃっちゃと済ませてしまおう。


ガチャ!


「ヨシカズさん! 服着てきましたので背中を流すくらいは良い……あっ…ごめんなさい!!」


バタン!


「終わった…」

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