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ハンバーグ

テーブルの上には半ライスとデミハンバーグ、皿半分のハンバーグカレーが乗っかっている。

アリシアは目を輝かせて今か今かと待っている。


「よし食うか。」


「やった~!!」


どれ、今日の出来具合はどんな感じかな。

パクリ…肉汁じゅわっ、タマネギのシャキシャキ甘さと、ソースが良い感じで旨い!

俺、こんなに料理上手だっけ? 何時もより旨い感じがする。


「美味しい~~!!」


アリシアがこれ以上ない笑顔で喜んでいる。

そうか、こうして誰かと一緒に作って食べるから美味しいんだ。


「アリシア、ありがとう。」


「ほぇ? と、と、と、突然どうしたんですか?」


「何となくお礼が言いたかったんだよ。」


「そ、そうなんですか。は、何か恥ずかしいですね。えへへっ♪」


そう言ってアリシアは恥ずかしそうに照れていた。

何だかんだでアリシアが来てから俺の感情やら生活がずいぶん変わった気がする。

お蔭で加藤の問題も解決したしな。ホント感謝だよ。


「さて、いよいよ次はお楽しみのカレーです!!」


アリシアが待ち遠しかったらしく、勢いよく食べ始めた。


「んん~~~~~!! やっぱりこれ最高ですうううぅぅぅ~~~~~~!!」


ブンブンと手を振り回しながら体全体で喜びを表現していた。

ホント、ここまで喜んで食べてくれるのは嬉しいよな。


俺もカレーハンバーグを食べてみる。

パクリ…うん、確かに最高だ。


・・・・


夕食も終わり、片付けを済ませた俺達はテレビを見ながらまったりしている。


「アリシアは今日はどうだった?」


俺がそんなことを聞いてみた。


「ふふん、何を隠そうアリシアちゃんは、ひらがなとカタカナをマスターしたのです!!」


アリシアが胸を張って自慢してきた。


「おー! すげーじゃん。

 じゃあ頑張ったご褒美をあげないとな。」


俺はそう言って隠し持っていた袋をアリシアに渡した。


「えっ? えっ? 何ですかこれ? 貰って良いんですか?」


「もちろんだ。アリシアのために買ってきたものだからな。」


「ヨシカズさん、ありがとう!!」


アリシアがそう言って袋を受け取り、さっそく開けてみるみたいだ。


「…本?」


「絵本だ。ひらがなとカタカナが読めるんだったら、多分問題無いと思うぞ?」


俺がそう言うと、アリシアは早速絵本を読み始めた。

今回俺が買ってきたのは『人魚姫』だ。気にってくれると良いんだが…


・・・・


「えっぐ、えっぐ、ふぇ~~~ん、可哀相すぎますうぅぅぅ~~!!」


アリシアが大泣きしている。

確かに最後に泡となって消えてしまう悲しい話だが、ここまで反応されるとは思わなかった。


「アリシア、これ作り話だから、実際に泡になった人魚姫は無いからな?」


「ぐすっ…そうなんですか?」


「ああ、この世界には人魚って生き物は居ないからな。」


「そうなんですか!? 私の世界には似た様なのは居ますよ? 人魚では無くてセイレーンって名前ですけれど。」


「あ、セイレーンって居るんだ、もしかして嵐の夜に現れて歌声で船を沈めるとか?」


「何ですかそれ? セイレーンは普通に魔物ですよ? 確かに近づいてきたら襲ってくるので船を沈めるのは間違ってませんが。」


「へぇ、一度どんなのか見てみたいもんだな。」


「でも、セイレーンって人魚みたいに綺麗じゃないですよ? 魚みたいな顔と体を持った化け物ですよ?」


どうやら異世界のセイレーンは単なる化け物らしい、残念。

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