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夕食作り

仕事が終わり、家路を急ぐ。

もちろん途中のスーパーで、夕食の食材は買い込んである。


「ただいま。」


「あ、ヨシカズさん、お帰りなさ~い!」


アリシアが笑顔でパタパタと玄関にやって来て出迎えてくれた。

思わず嬉しさの余り笑顔になる。

そんな俺の顔を見てアリシアが聞いてきた。


「ヨシカズさん、何か良いこと有りましたか?」


「ちょっとな。」


「そうでしたか、とっても嬉しそうな顔をしていたので良かったです♪」


「じゃあ夕飯でも作るか。お腹減ってるだろ?」


「あはははっ、分かっちゃいました?」


アリシアが恥ずかしそうにそう言った。


・・・・


部屋着に着替えた俺は、さっそく夕食を作ることにした。


「ヨシカズさん、何を作るんですか?」


「ハンバーグだ。」


「ハンバーグ?」


「まぁ、ハンバーグは食べてからのお楽しみだ。

 まずはタマネギの皮を剥いてくれ。外側の茶色い所だけだぞ?」


「もう! さすがに私でも2回目ですから分かりますって!! ヨシカズさんは意地悪です。」


「あはははっ、悪い悪い。

 じゃあ、任せるぞ。」


「はい!」


アリシアにタマネギの皮を剥いてもらい、みじん切りにして火にかける。


「アリシア、それ混ぜて貰っても良いか?」


「任せて下さい!」


その間に俺は別の作業をすることにする。

耳を取った食パンを千切ってボウルに入れて牛乳に浸しておく。

他のボウルに合い挽き肉を入れてっと。


「アリシア、そろそろ良いぞ。」


良い感じに飴色になったので、火を止めて粗熱を取る。

冷めた所で、先ほどの合い挽き肉のボウルへ入れる。続けて牛乳を搾ったパンを入れて卵を1つ落とす。

後は塩、胡椒、チューブのおろしにんにくを加えて準備完了だ。


「よし! アリシア、こいつを混ぜてくれ。」


「はい!」


アリシアが菜箸を持って来たので止める。


「アリシア違う! こいつはこんな感じに手で混ぜるんだ。」


俺はお手本として2,3回ほど握る様な感じに混ぜてみた。


「わかりました!」


アリシアと交代して混ぜるのを見る。


「うぅ…何か気持ち悪いです…」


アリシアは少し涙目だ。

確かに生肉を握るあの感触は確かに気持ちの良い物では無いからな。

だからやらせたと言う訳でも有ったりするのだが(鬼)


「よし、そのくらいで良いぞ。」


「やっと終わった~」


「いや、まだだぞ。」


俺がそう言った瞬間のアリシアの絶望した顔は見ものだった。


「次はこのくらいの量を取って空気を抜くんだ。」


俺は両手間でキャッチボールをする感じで投げた。


パン、パン、パン、パン。


「面白そう~! やってみる!」


そう言ってアリシアも肉を手に取り投げ始めた。


パン、パン、パン、パン。


「あっ!」


ベチャ!


「落としちゃった…」


アリシアは投げるのに失敗して床に落としてしまったみたいだ。


「あー、さすがに落とした物は食べられないな。

 上の部分だけ取って、床に付いた物はこのビニールに入れてくれ。」


「ごめんなさい。」


「いいって、失敗は誰にでも有るから気にすんな。」


綺麗な部分を取ってボウルへ戻し、後はビニールに入れた。


「ほら、続きやるぞ、さっさとしないと食べる時間が無くなるからな~」


「えっ! や、やります!!」


減った分少し小さくなったが、4つのパテが完成した。


「それじゃ、焼くぞ~」


フライパンに油を入れ、中火にかける。フライパンが熱したところでパテの中心を少し凹ませてから投入する。


ジュワアアアァァァァ~~~~!!


2分ほど焼き、ひっくり返してまた2分ほど焼く。

両面が焼けたところで再度ひっくり返し、弱火にして蓋をする。


「このまま10分ほど焼く。」


待っている間に隣に置いてあるカレー鍋の中を確認すると、1人分ほど残ってるな。


「アリシア、君に選択肢をあげよう。」


「え? い、いきなり何ですか?」


「このハンバーグだが、ソースとケチャップで味付けした物で食べると、カレーをかけてカレーハンバーグにして食べるのどっちが良い?」


「どう違うんですか?」


俺は小皿にケチャップとソースを混ぜたものを作り、アリシアに渡した。


「舐めてみな。」


アリシアがスプーンですくって舐めてみた。


「あ、美味しいです。」


「どっちがいい?」


「う~ん、う~ん、カレーも美味しいし、今のも美味しかった、これは一生に1度有るか無いかの大問題ですね。」


そんな大げさな…

悩んでいるアリシアを他所にハンバーグは焼きあがったみたいだ。

仕方が無いので助け舟を出してあげることにした。


「1人2個づつなんだから、両方食べたら良いんじゃないかな?」


「はっ! その手が有りました!!

 そう言うことなので、両方食べたいで~す!!」


「はいよ。」


俺はソースとカレーの2つを作ってあげることにした。

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