少し素直になった心
う………。
ここは、僕はどうなったんだっけ。
そうだ。確かくっつかれて。
どうやら僕はベットで寝かされている。
しかも、隣には―――。
「何してるんですか。先輩」
隣で何も楽しそうに僕を眺めている先輩に向かって言う。
「ふふふ。可愛いね顔だったぞ」
「何もしてないし、どこにも連れ去っていないですよね」
「侵害だな。私がそんなことするわけがないだろう」
「いや。昨日、先輩が言っていたじゃないですか」
「何を言っている。必要の無い事を行う程、愚かじゃないぞ」
「必要の無い事ですか」
「あぁ、すでに同棲出来たのだからな」
同棲と言う単語に顔が熱くなるのを覚えた。
「なんだ、意識したのか」
ニタニタと笑みを浮かべる先輩。
「違います」
「君のそれがよくない」
先輩は少しムッとした表情をする。
「何がいけないんですか」
「君は少し、抑え過ぎだ。だから、あんな事になるんだ」
「いや、それは先輩たちが………」
恥ずかしくて言葉が続かない。
「確かにそれに関しては私達のも否がある。すまなかった」
「じゃあ、もうしませんか」
「それは、無理だ」
あれを繰り返されたら、僕の身が持たない。
「仕方ないだろう。私だって好きな人との同棲に浮かれているのだ」
な、なんだかそう言われるとすごく恥ずかしい。
「よく、恥ずかしいセリフが堂々と言えますね」
「言わなければ伝わらないからな。まぁ、言っても伝わってない人も要るがな」
「それは、すごいですね」
僕には、出来ないだろうな。
「あぁ、もういじらしい奴だ。私が抱きしめてやろう」
先輩は、手を大きく広げ待っている。
え、僕から来いってこと。
なにそれ、恥ずかしい。
「どうした。抱きしめられたくないのか」
「そりゃあ。そうですよ」
「本当に」
先輩の視線がまっすぐ僕の目を見ている。
気まずくなり視線を外す。
抱きしめられると恥ずかしくて硬くなるけど、温かった。
色々な葛藤の末、僕は先輩の方へと恐る恐る寄る。
ガバリと抱きしめられたが、何故だか緊張で硬くなることは無かった。
先輩の体温と匂いに何故だか安らぎを覚える。
「可愛い奴め」
先輩はやさしい声を出しそういった。
お読みいただきありがとうございました。




