意外な一面
「あらあら」
高崎さんの声がして僕たちは慌てて離れ視線を声がする方に向ける。
そこには、洗濯機を俵を持つように持ち上げている高崎さんが居る。
「は?」
そのありえない光景に思わず声が出た。
「高崎、持ってきてくれたんだな」
「はい。今設置しますので少しお待ちください」
高崎さんはそういうとベランダへと洗濯機を運んでいく。
いやいや。おかしいだろう。
なんであんな細腕で洗濯機を持ち上げられるの。
「驚いただろう。高崎はメイド一の力持ちなんだ」
力持ちとかそう言う次元ではない気がする。
「お嬢さま。私は別に力持ちと言う訳ではありません。皆さんが非力なだけです」
洗濯機を設置し終わった高崎さんが、そう言って戻ってきた。
いやいや。高崎さんの基準どうなってるの。
「と、まぁ。高崎自信、認めようとしないんだ」
「当たり前です。私は普通なんです。ふぅつぅうぅなんでぇすぅ」
手を振って駄々っ子のように言って居る。
その姿は、今まで見てきた高崎さんからは想像できないほど、子供っぽかった。
なにこれ。
「だから、それは個性だと言っているだろうに」
「いやです。こんな個性、私はもっと可愛らしい個性がよかったです」
そういって、頬を膨らませる高崎さん
可愛らしい個性と言うか、行動がすでに子供っぽくて可愛らしい事になっているんだが。
「そんなこと言って居ると、今日の晩御飯、お嬢様の嫌いなトマトオンリーにしますよ」
「何年前の話をしているんだ。もう食べれるぞ。だから無駄だな」
そう言う。先輩の顔には余裕が無かった。
絶対、食べれないなこれ。
「えっと、二人とも落ち着いてください。秘密を暴露しあっていいんですか」
その言葉に二人とも顔を赤くする。
「坂上様。今見たことはお忘れください」
「わ、私はトマト食べれるから問題ないな」
どちらも、いろんな意味で必死だった。
「解りました。いいません」
人には思いがけない一面もあるんだなぁとしみじみ感じた。
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