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閑話 お嬢様の過去

 気を失った坂上様をベットへと寝かしつける。


 「あぁ、可愛かった」

 「だからって、襲ってはいけませんよ」


 確かに、坂上様は女性と見間違われるほど可愛いらしい。

 私すら魅了されるぐらいに。


 「寝込みは襲わないよ。それで、父上はどんな様子なんだ」

 「寝込み以外もやめていただきたいのですが。それはそうと旦那様は相も変わらずと言った所です」

 

 お嬢様はため息をつく。


 「父上も頑固だな。あんな男達をあてがうぐらいなら彼との交際を認めてくれたらいいのに」

 「まったくです」

 

 同僚も皆、お嬢様と同じ気持ちだ。


 「まったく、彼の事を男らしくないと言っているらしいが、父上は男らしさを履き違えていないか」

 「さすがに、それは無いと―――」


 言えないのが困るところだ。


 「前回は、暴力的な上に五股していた男で、今回は自分の娘ぐらいの年齢の女性に手を出した男だぞ」


 お嬢様の言っていることはもっともだ。

 だが、坂上様以上と男らしい人を探すとなると大旦那様でも見つけるのが困難かもしれない。


 何せ、あまり知らない女性のために坂上様は命を張ったのだから。


 それは、ゴミと付き合わされていた時の話だ。

 無理やりデートをさせられていたお嬢様は橋の上でそのゴミに暴行を受けたそうだ。

 理由は良く解らなかったらしい、お嬢様曰く何か喚き散らしてはいたとの事だ。


 そこに、やってきたのが坂上様だ。

 坂上様はそのゴミを止めようとして殴られたそうだ、それも酷くなぐられたそうだ。

 それでもあきらめなかった坂上様はそのゴミと一緒に橋の上から落ちたそうだ。


 その後の事は私は今でも不思議でならない。

 ゴミが坂上様を訴えようとしたらしいが、それが何故か撤回され、さらにゴミが運営している会社の営業悪化と株価暴落。

 そして、なぜか週刊誌に五股がすっぱ抜かれ、ゴミの会社はその煽りで倒産した。

 まるで、世界が坂上様を味方するが如くとんとん拍子にゴミを破滅させた。


 旦那様は偶然だと言って軽視している。

 そして、大旦那様は、喧嘩を売った相手が悪かったとおっしゃっていた。

 いったい、坂上様は何者なのでしょうか。


 まぁ、それはともかく、お嬢様はあの事件以来、坂上様にぞっこんなのだ。


 「はぁ、可愛いわぁ」

 「何度も言うようですが襲っていはいけませんよ」


 私はお嬢様が坂上様と交際できるようにと強く願っている。

およみいただきありがとうございました。

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