買い物論争
僕が作った昼食の評価は悪くは無かった。
そこまでは良かったのだが、その後が問題だった。
やることが無い。
いや実はやる事は有る。
コインランドリーに洗濯物を持っていったり、買い物したり掃除したりと。
しかし、買い物に行ってきますと、簡単には言える状況では無くなっていた。
言ったら、間違いなくこの二人ついてくる。
一人は、メイド服の女性そして、もう一人は学校の有名人だ。
知り合いに目撃された何言われることやらわかったものじゃない。
どうするかなぁ。
「坂上様、そろそろ食材が尽きるのではありませんか」
高崎さんに図星を突かれ言葉が一瞬詰まる。
「どうして、そう思ったんですか」
「先ほどいただいた料理がどうも余りものを使って作られたものように思えまして」
鋭い。
確かにさっき作った料理は余りものを使って作ったあり合わせだ。
だが、そんなことまで解るのか。
「メイドですので」
まるで心を読んだかの様な高崎さんの言葉に苦笑するしかなかった。
「ふむ、ならば買い物に行かねばならないな」
まずい。
先輩の言葉に緊張する。
「いや。買い物は一人で言ってくるので家で寛いでいてください」
「そうはいかないだろう。一時的だとしても、ここに置いておいてもらっているのだから」
「えぇ、そうですね。みんなで行くべきですね」
高崎さんの裏切り(?)に唖然とする。
なんで、先輩側につくの!?。
「えっと。高崎さん」
「ふふふ。これも坂上様のためです。坂上様がいない間に家探しされても困りますよね」
高崎さんは僕に近づいてきて小声で言ってくる。
というか、これは脅しなのではないだろうか。
現に高崎さんの顔はあくどい笑みを浮かべている。
うぅ。彼女の同居を認めたのは早まったのか知れない。
でも、今更取り消したところでどうにもならないと思うし。
論争で彼女に勝てる気がしない。
「家探しか、買い物かどちらになさいますか」
うわぁ。絶対ノリノリで楽しんでるよ高崎さん。
「わかりました。買い物でお願いします」
「ふふふ。坂上様も男性なのですね」
「なんなんだ。さっきから仲間はずれなのか」
怪訝そうに見ていた先輩。
「ふふふ。いえ。ただ、坂上様が思春期特有の本を持っているのではと言うお話ですね」
「思春期特有の本だと」
「なっ」
先輩は解らなかったようだが、僕は高崎さんが何を言いたいのか解ってしまった。
「高崎さん」
僕が強めに止めにかかるがひらりと躱されてしまった。
「つまりエロ本の話をしていました」
「なっ」
先輩は顔を真っ赤にし、僕を睨みつけくる。
違う、そんな話はしていない。
「これは冤罪だ」
強めの声が、この部屋に響いた。
お読みいただきありがとうございました。




