同居人追加事項
「君は少し無防備すぎるぞ」
「そうは言われても」
拗ねている先輩にタジタジになる。
確かに抵抗できなかった僕も悪いのだろうけど、突然綺麗な女性に抱き着かれれば固まるのは当然じゃないいかな。
「ふふふ。冗談が過ぎました」
当事者であるはずの高崎さんは楽しそうに僕らを見ていた。
「高崎。君はどうして押しかけてきたんだ」
機嫌が悪そうに先輩が言う。
「そうでした。私も、ここに住まわしてもらう事になりました」
「「えっ」」
僕と先輩の声が重なる。
どうやら先輩も聞かされていなかったらしく、すごく嫌そうな顔をしている。
「あらあら、お嬢様は私が来るのは反対ですか」
「反対だ。これ以上、このワンルームに住むのは無理だろう」
「いえ、ここに布団を敷かせていただければ十分に可能です。」
「だがしかし、急に押しかけるのはいささかどうかと思うぞ」
「急に押しかけたお嬢様が言うべき言葉ではありませんね」
先輩は言いくるめる言葉が思いつかないのか、苦い顔を浮かべている。
不本意だが僕も先輩に続き応戦する。
「まってください。これ以上増えられると僕自身がきついです」
「えぇ。坂上様の言いたい事も解りますが、これにはちゃんとした理由があるのです」
「理由ですか」
「聞くな。それは罠だ」
先輩が何故か焦って喚き散らしている。
なんだろう?。
喚き散らす、先輩を無視し、高崎さんの話に耳を傾ける。
「まず第一に男女の過ちを犯させぬように監視するためです」
「なるほど、それは有り難いですがそれなら男性でも良かったのでは」
「それはお勧めできかねますね。お嬢様はご実家でも高値の花ですから」
あぁ、なるほど。先輩は家でも学校同様、苦労しているのだろう。
「第二に、旦那様から要らぬ疑いをかけられる為の証人として」
「それは、確かに大事ですね」
あらぬ疑いをかけられると思うとぞっとする。
「第三に、男性にはわからない出来事のお世話ですね」
「ん?」
男性にはわからない。
僕が、首をひねっていると高崎さんはいい笑顔を浮かべる。
「要するに女の子の日ですね」
理解し僕は赤面した。
それとほぼ同時に僕は横から突き飛ばされ、先輩のベットへとだいぶすることになる。
「高崎。君に心配されなくてもちゃんとできる」
「あらあら。しかし、生理用品をご自分で用意したことはありませんよね」
「それは―――」
突如始まった聞きたくない生々しい話に僕は耳を塞ぎ丸まった。
あーあー。何も聞こえない。
☆
「坂上様」
僕は高崎さんに肩をたたかれて防御態勢を解いた。
先輩はというと、再び言いくるめられたのか、僕のベットの上で丸まりいじけている。
「さて、途中脱線が入りましたが、次が最後の理由になります」
「まだあるんですか」
「えぇ。しかし、これは坂上様にとっては一番重要になります」
「重要」
ごくりと唾を飲み込み緊張する。
「お嬢様の暴走を食い止めることができます」
「ぜひ、お願いします」
条件反射のごとく速いスピードで応答する。
僕にとってはこれは嬉しい。
僕は、大賛成で高崎さんの同居を認めた。
ただ、彼女が不敵の笑みを浮かべているのに若干の不安を覚えながら。
お読みいただきありがとうございました。




