#727 連続イベント会議とシルフィ姫様との約束
俺たちは早速一緒にベリーハードに挑戦してくれる猛者たちに手分けして連絡を入れることにした。そしてすぐに集まれる人のみ俺たちのギルドに集まった。みんなが一度は足を運んだことがあるギルドがここだった。
「流石に最高難易度に挑むというだけでトッププレイヤーが集結したな。今やっている戦争イベントとは今回のイベントは無関係ということでよろしく頼む」
「殆どがアジ・ダハーカ、アンラ・マンユと戦った人たちなので、勝手知ったるメンバーではありますね。よろしくお願いします」
そうか…ワントワークでの戦争で戦いあった人たちもいるのか。ということは最初に目的だけははっきりさせといたほうがいいな。
「本日はこちらの要請を引き受けてくださり、皆さんありがとうございます。今回俺たちの目的は次回イベントの前半後半共に最高難易度クリアということになります。内容から防衛と攻略に別れることになると思いますがどちらの戦いも勝利してこそのイベントクリアということになるでしょう。全員で力を合わせて、クリアしましょう」
『おぉ! 目指せ! 大量ポイントゲットだ!』
みんな、ノリが良くて助かる。さて、ここでみんなと話し合ったことを伝える。
「ここでリープリングから重要なことを話します。俺たちで協議した結果、俺が現在持っている伝説の武器ブリューナク、聖剣グラムを防衛側に貸し出すことを決めました。具体的な条件は皆さんと協議して決めたいと思います」
「それは誰にでも貸し出すということですか?」
「はい。ただ攻略サイドの難易度によってはどうしても変更せざるおえないということはご了承してください」
俺がそう言うとみんながテンションが爆上がりする。
「マジか! 無双確定じゃねーか!」
「よ! 幼女サモナーさん、太っ腹!」
「こらこら。そんなこと言うと対象から外されるぞ」
「嘘!?」
もう馴れたからそんなことで対象から外さないよ!
「随分思いっきった手を出しましたね」
「防衛にということは最優先は守りという認識なのか?」
「はい。一応事前に情報を集めましたが普通のモンスターでもかなり強いモンスターが来ると考えたほうがいいと思います。詳しい相手の戦力など全くの未知なので、基本的には伝説の武器は防衛側に回したほうがいいと判断しました。」
防衛サイドのレベルを把握してから、攻略サイドに伝説の武器を回していいか判断するべきという結論となったんだ。
「では、最初の内は防衛が多めということになるか」
「俺たちはそれがいいと思っています。明確なイベント内容は始まってからですので、ある程度役割を決めて挑むのがベストではないかと」
「ですね。あ、NPC集めはどうしますか?」
「多いほうがクリアする可能性が高そうですから各々別れて集めてみましょう」
俺たちからは最初に国にこの話をした結果ランスロットさんとモルドレットの参加が決まった。国としては他国の情勢が気になるから動けないとのこと。その結果、俺はシルフィ姫様に睨まれた。後で呼び出されて言われた言葉がこれ。
「なんで黙って私を誘ってくれなかったですか!」
そうしていたら、参加させることが出来たんだろうか?たぶん無理だったと思う。寧ろシルフィ姫様を連れ出そうとしたということで怒られそうだ。
俺が思い出しているとサバ缶さんが帝さんに質問する。
「そういえば気になっていたんですがワールドイベントはどうなるんですか?」
「それが継続させるようなんだ。最も停戦が可能なのは君たちとゴネスとの戦争で証明されたから期間中は停戦するということになる」
あぁ、そういうことになるのか。しかしいいことだけではないようだ。シリウスさんが危惧を話す。
「最もその期間中は戦いを禁止するものですから。その間に砦を作ることや罠を設置することも出来るため、余計に戦争が長引きそうな気がしています。正直、さっさと終わらせたい気分が漂っているんですよね」
「それはこっちもそうですよ。リープリングが参加してくれたら、助かるんですが」
「参加するまでもなく、簡単に戦争を終わらす方法がありますよ」
全員が俺を見る。
「本当ですか!? ど、どうするんですか?」
「教えてください!」
「味方の軍を裏切って大将の首を取る」
全員が肩を落とす。
「それは確かに早く戦争が終わるでしょうけど、その後の未来がないじゃないですか…」
「三国志では、裏切りで命を落とした将軍が実在しているが、それをしたらギルドは終わりだろう」
確かに評判はガタ落ちするだろうね。すると何人か考えている人がいる。そして思い付いたことを口にしない。流石はトッププレイヤーたちだ。
首は取れないとしても、敵軍にスパイを送り込んだり、敵の将軍と交渉する手は充分ありだと俺は思うね。舞台が三国志なら尚更有効な手だと思う。まぁ、俺もこれ以上話すのはやめよう。
話をイベントに戻して、部隊編成と指揮系統を決めていく。この辺はもう馴れたものだが、今回は人数が多いし、時間帯ごとに指揮系統を決めることになった。後は生産面で相談を受ける。そこはルインさんたちの領分だ。
俺はその間にブリューナクなどの使い方を見せているとサラ姫様から連絡が来た。
『シルフィお姉様が暴走しだしたから止めに来てくれ。我々では止めれそうにない』
『いや、頑張りましょうよ』
『お前が言い出したことだろう? 大丈夫だ。お前なら止めれると信じているぞ』
その信頼は意味不明だ。とにかく呼ばれたなら行くしかない。俺がお城に向かうとシルフィ姫様がグラン国王様に訴えかけていた。
「魔王たちの支配から解放されたいと頑張っている人たちを見捨てていいんでしょうか? よくありませんよね!」
「わかっている。私も内心では軍を出したいが、もしウィザードオーブが攻めてきたら、どうするつもりなのだ?」
「サラたちがいますから大丈夫です。だからお父様、私だけでも行かせてください」
「ダメだ。シルフィよ。お前は第一王女なのだぞ? 一人で暗黒大陸に行かせるわけないことぐらいわかるだろう?」
苦戦しているみたいだな。
「失礼します」
「タクト様! ちょうどいいところに! タクト様からお父様たちを説得してください」
「残念ながら、グラン国王様の言う通りだと思います」
ほら。そういう拗ねた顔をする。仕方ない。ここは他のことで釣ろう。
「グラン国王様、暗黒大陸ではなく桜花に息抜きに行くというのはどうですか? 王女として、他国の文化に触れるというのはいいことだと思いますが」
「え!? 桜花に行けるんですか!」
「うむ…確かに他国の文化を学ぶというのはいいことだが」
「泊まり無しの護衛あり、町の外に出るの禁止ならいいじゃないですか? 国王様」
おぉ~。ガルーさんが味方に付いた。
「そうだな…まぁ、良かろう。お主が提案したことだ。護衛はしてくれるな?」
「もちろんです。町の案内も含めてお任せ下さい」
「ありがとうございます。タクト様! 急いで旅の支度をしませんと」
戦闘はしないよ。わかっているのかな?自分の部屋に帰っていったシルフィ姫様が出て行くと全員がため息を付く。
「すまんな。助かった」
「今回は正論を言ってくるだけに始末が悪かった…」
「今はシルフィお姉様の興味は桜花に向いているので、暫くは大丈夫でしょうけど、ぶり返しが怖いですね」
アンリ姫様の言う通り、ネタが尽きた後が怖いか。
「シルフィは王女であると同時に召喚師で生粋の冒険者だ。お主には世話を掛けるが適度に息抜きを頼む。シルフィもそれで納得するだろう」
「お父様、それはシルフィお姉様だけなのでしょうか?」
「私たちにも息抜きは必要だと思いますが?」
まさかのアンリ姫様とサラ姫様の追撃だ。二人ともずっと王女として働いて来たんだ。休みはほしいだろう。
「お前たちもか…お主にも色々やりたいことがあると思うが状況を見て、頼めるか?」
「わかりました。シルフィ姫様には先に話した一件が終わってからとお伝え下さい」
「そこは当然であろうな。改めて話すが、暗黒大陸の人々のことよろしく頼む」
「はい。最善を尽くします」
俺はそういうとお城を後にする。みんなに連絡をするとNPC探しをしているそうだ。それじゃあ、俺も探すとしよう。




