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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
お月見イベントとパンドラ
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#728 NPC探しとケーキ作り

ということで俺は関わりが深いNPCたちに声を掛けることにした。まずはシグルドさんとブリュンヒルデさん。


「暗黒大陸で魔王からの支配に抵抗する人々か…個人的には参加したいが」


「私たちはレギンたちにここにいると約束しましたからね。情勢もよくありませんし、今回はフリーティアに残ります。もちろん敵がこの国に攻めてきたら、恩義がありますから力の限り戦うつもりです」


「そうですか…わかりました。フリーティアをお願いします」


「あぁ。苦しんでいる暗黒大陸の人々を解放してやってくれ」


この様子じゃあ、参戦して貰うのは厳しそうだ。次はノイシュさん。見に行くと二人で花壇に座り、楽しそうに話していた。あのお花畑に飛び込む勇気は俺にはない。


するとみんなから連絡が来る。まずは銀からだ。


『リーゼちゃんのところに行ったら、オリヴィエさんはダメだったけど、アストルフォは戦ってくれるって。ちょっと反応に困った私だよん』


確かに不安を感じないわけではないが、ヒッポグリフは第五進化レベルの力があるはずだ。参戦してくれるのはありがたい。シャルルマーニュ十二勇士の力、たっぷり見せてもらおう。


次はゴネスにいったジャンヌ親衛隊のリーダーから連絡が来る。


『ジャンヌ様やレギン様たちに話をしてみましたが国がまだ形になっていない状況では動けないとのことです』


『まぁ、それはそうだろうな。悪いな、聞きにくいことを聞いて貰って』


『とんでもない! ジャンヌ様たちと会話出来ただけで幸せです!』


そ、そうか…なんか普通に会話していたから、申し訳なく感じてしまう。他の国の人たちも紛糾しているようだ。やはり世界情勢が不安定な状態では有名NPCの参加は厳しいというのが実情みたいだね。するとサバ缶さんから連絡が来る。これでクエストの難易度が滅茶苦茶変わる。


『タクトさん、バトルシップの使用許可はおりそうにありません』


『ダメか~…暗黒大陸の人たちの一大事なのに許可しないとかいつ使えるのか謎に思えてきたな』


『ですね。まぁ、これで今回は魔神クラスの化物が登場しないことは確定したようなものですから、良かったと思うとしましょう』


そうだな。しかしこれ以上のNPCの参加は厳しいかもな。ホームでリリーたちの髪をブラッシングしているとユウェルが話す。


「タク。師匠たちは連れていけないのか?」


盲点。そういえばへーパイストスたちもNPCだった。俺はみんなのブラッシングを終えた後にへーパイストスに聞いてみた。


「僕はタクトさんたちの力になれるなら、喜んで行かせて貰います」


「お父さんが行くならパンドラも行く!」


これは嬉しく頼もしい味方が増えた!一応キキにも話してみたが、この家を守っているとのこと。そしてノアにも聞いてみた。


「自慢じゃないけど、船以外では役に立たないよ? 木の加工ぐらいなら出来るけど」


大陸が舞台で船のことは今回書かれていないからスクナビコナの出番は望み薄だな。


「ボクが新しく考えた船でなら悪魔たちなんてボコボコにするのにな~」


「俺もそう思ったが、ヒントがない素材を揃えるのは大変なんだぞ?」


スクナビコナの時はちゃんとヒントがあったから探せたが、今回は色々なところで話を聞きながらの調査だ。現時点でわかっていることは市場には出ていないアイテムということ。サバ缶さんの話ではなんらかのクエスト報酬の可能性が高いらしい。そのクエストが見つからないから苦労している。


「それはそうなんだけどさ…もう作りたくて作りたくてうずうずしているんだよ!」


「わかったわかった。見つけたら、優先して動くよ」


その後、鉄心さんからの連絡で桜花から直江兼続(なおえかねつぐ)が参加してくれるそうだ。直江兼続は上杉家の家老で関ヶ原の戦いのきっかけとなる徳川家康の会津遠征を決意させた人だ。このゲームでは軍師の立場らしい。


『やはり桜花は他国への感心が低いのが目立った。戦いに参加するとしてもまずは情報を得てからということで直江兼続が参加することになった流れだ。恐らく直江兼続を起点に後半のイベントで桜花が動くのではないかと読んでいる』


『その可能性は高そうですね。俺はへーパイストスとパンドラの参加が決まりました』


『彼らが運営イベントに参加するのは初だな! 我々ももう少し粘ってみるとするよ』


『わかりました。俺もダメ元で他の亜人種たちを回ってみます』


ということで回ったのだが、全員不発。まぁ、これは人間の問題だから他の種族は関わらないだろう。ただエルフだけ事情が異なるようだ。


「私たちは暗黒大陸には不干渉なのよ。あそこはダークエルフの女王の管轄だからね」


「それはつまりダークエルフなら手を貸してくれるかも知れないということですか?」


「そうね。ただ向こうも今はピリピリしている状態みたいだからかなり難しいと思うわ」


それでも仲間に出来る可能性があるなら交渉の余地がある。イブリーフ様に居場所を聞いてみた。


「ダークエルフたちは暗黒大陸の中央から少し外れた西部の森にいるわ。交渉するなら甘いお菓子を持っていくといいわよ」


「ダークエルフの女王様もお菓子が好きなんですか?」


「それは知らないけど、あなたが作ったお菓子を自慢したら悔しそうな顔をしていたのよ。あの子」


うーわー…やることが子供だ。ダークエルフの女王様も可哀想に…というかこれって、ダークエルフの女王様が仕返して、イブリーフ様がやり返す流れな気がする。はっ!?エルフの女王様たちのお菓子自慢戦争に振り回される未来が見えたぞ!


「ふふ」


ほら!イブリース様笑っているし!俺を振り回して、お菓子を食べまくるつもりだ!しかしこれは用意しないといけないんだろうな…はぁ。


「分かりました。貴重な情報ありがとうございます」


俺はメルに通信を送る。


『私たちが暗黒大陸で向かっている方向? 西なんじゃない?』


『だよな。途中の森にダークエルフっていなかったか?』


『いたらギルドで広まっているよ。というかどうしたの?』


『エルフの女王様に聞いたら、ダークエルフなら手を貸してくれるかも知れないと言われてな』


俺はメルに事情を説明する。


『それはたぶん今回のイベントでダークエルフが登場するフラグだと思うよ? ピリピリしている原因がクエストになるんじゃないかな?』


なるほど。そういうことか。それならイベントが始まる前にお菓子だけ作っておこう。ということでユウナさんのところで買い物をすると流石に材料と機材で気づかれた。


「タクトさん、とうとうチャレンジしてしまうんだね…ケーキに!」


「はい。な、なんですか?」


目が怖いぞ。


「私から言うことは一つ! 材料ただで渡すから私の分も作って!」


食べたいだけかい!そしてやたら、材料を渡された。俺はケーキをどれだけ作ればいいんだ?


「ただいま~」


リリーたちが猛烈な勢いで向かってきた。


『美味しいお菓子の気配がする!』


甘い匂いがしただけだろう。


「正解だが、今回のは失敗するかも知れないから、大人しく待っててくれ」


『はーい!』


そういいながら付いてくるリリーたちだ。材料は卵、薄力粉、小麦粉、バニラエッセンス、グラニュー糖、金羊毛のバター、牛乳 、生クリーム、苺。最初だし、オーソドックスな苺ショートケーキを作ろう。


まずは下準備からだ。牛乳とバターを加えたボールを湯煎で温めて、バターミルクを作る。ここで失敗するかも知れないポイント。クッキングシートがないから今回は金羊毛のバターを型に塗って、小麦粉をまぶす。くっついた小麦粉以外を落として、準備完了。


これをするとクッキングシートの代わりとなって、ケーキを型から離し易くなる。あくまでクッキングシートがないときの対処法だからクッキングシートが是非欲しい。ここはロコモコの力を信じよう!


ここからスポンジ作り。卵、グラニュー糖をボールに入れて、ふわふわになるまでかき混ぜる。ここも失敗しやすいところ。とにかくスピードが命だ。完成したら、パン用の竈に温めて、温度が上がって来たら、火を消す。余熱の作業なんだが、ここも感覚が頼りだ。


「タクトが苦戦している気がする!」


「いつになく真剣な顔です!」


「真剣にお菓子を作るタクト様は絵になりますね」


「が、頑張って下さい! タクトお兄ちゃん!」


そりゃ、苦戦するよ!今あるものでなんとか作ろうとしているんだから!後、イオンのいつになくは失礼だぞ!俺は料理を作るときはいつでも真剣だ!


気持ちを切り替えて、卵、グラニュー糖を混ぜたものに薄力粉を加えて、下からひっくり返す様によく混ぜて、バニラエッセンスを加える。


「マスターの料理を記憶する重要度、最大レベルと判断します」


「…甘い匂い。今すぐあれを飲みたい」


やめてくれ。ノワ。


「これは…過去最強のお菓子の予感がするよ!」


「はい! 間違いないと思います! そうですよね? 和狐さん」


「…え?」


「あ、ごめんなさい」


和狐はメモ中だったらしい。イクスと違って和狐はレシピを紙に書くしかないからな。さて、仕上げだ。ここに下準備したバターミルクをそっと加えて、全体に馴染むように混ぜる。艶が出てきたら、スポンジの生地が完成。


スポンジの生地を型に一気に流し込んで、空気を抜きをしてから竈に入れる。俺が竈をじっと見る。竈だと温度調整が出来ないからスポンジの状態を確認しながら竈から出すしかない。するとリリーたちも覗きに来た。


『おぉ~…膨らんできた~』


「…そろそろ出すぞ」


取り出した後、空気を抜きスポンジがしぼむのを防ぐ。それからひっくり返す。頼む!成功してくれ!


『出てこない…』


結果は失敗。多分竈の温度が高すぎたんだ。ところどころ焦げているし、竈ケーキの難易度の高さを思い知った。仕方ないので、スポンジの側面を切って取り出す。


『食べていい?』


「まだダメ」


いつの間にフォークを持ってきたんだよ。


「これから生クリームとグラニュー糖を混ぜたクリームをこれに塗って、苺を飾るんだ」


『なんてことを!』


ケーキにそんな感想聞いたことがないな。ということでデコレーションをする。


『…』


リリーたちが目を輝かせて、体をそわそわさせてこちらを見ている。


「…やってみるか?」


『うん!』


ということで最後はリリーたちが仕上げて、完成。


苺のショートケーキ:レア度9 料理 品質B+

効果:満腹度100%回復、魔力100回復、一時間魔力自動回復(中)

苺と甘い生クリームでデコレーションしたケーキ。ケーキの中でも特に有名なケーキで子供や女性に大人気。ただスポンジが焦げており、少し失敗している。


流石に効果が高いな。でもね…スポンジを取り出した時に焦げていることぐらい気がついていたよ!


「主でも料理を失敗するんですね」


「まぁ、美味しいことは間違いないから大丈夫なのじゃ」


「そうね。もう食べていいわよね?」


「タク! タク!」


はいはい。俺がホールをカットして、リリーたちに上げる。


『甘~い! フワフワ~』


「お父さん! これ作って!」


「そんな無茶な…」


へーパイストスよ。口に出ているぞ。すると窓からグレイたちの顔が見えた。


『…』


「みんなの分も作るからちょっと待っててくれ」


『ガウ!』


これはケーキを作るがログアウトするまでケーキ作りに挑戦するが、成功することはなかった。成功には近づいている手応えはあるんだが、生焼けだけは阻止したいからどうしてもベストタイミングが掴まない。畜生!


俺が悔しがっている一方でみんなは満足そうだ。するとそこにメルたちが帰ってきた。


「「「「ケーキの匂い!」」」」


女性はどうしてこういう匂いには敏感に反応するんだろうね。


「わぁ! ケーキだらけだね!」


「これは今回のイベントの勝負飯は決まりかな?」


「なんだそれ?」


「イベントでタクト君が作る料理が注目されているんだよ。それで料理人たちが掲示板で何を作るのか予想しているの」


なんだそりゃ。でも元々の目的がダークエルフの女王の説得のためだからな。イベントに関わっているから否定出来ない。するとみんなが気がついた。


「あれ? このケーキ、失敗してる」


「わぁ。これ全部だ。兄ちゃん、大苦戦?」


「竈でケーキ作るのが、難しすぎるんだよ」


俺が不貞腐れるとミライが質問してくる。


「…兄様、このケーキはどうするの?」


これにリリーたちが答える。


『全部食べるよ?』


当然のように言わないでくれ。


「…ユウナさんに一つ渡して、イベント用に一つ取っておく感じかな。残りはリープリッヒに送るか。失敗作だけど」


『ここで買うよ?』


買ってくれるならありがたい。流石に失敗作をお店で出したくないからな。


『ケーキが~』


「リリーちゃんたち、たくさん食べたでしょう? 顔が生クリームだらけになっているよ。少しは私たちにも食べさせてね」


「まぁ、兄ちゃんの様子を見るとこれから色んなケーキ作りそうだから、今日は私たちにも食べさせてね」


「…うん。チョコレート、チーズ、ブルーベリー、抹茶とかケーキにはたくさんあるんだよ」


おいおい。ちょっと待ってくれ。どれだけ難易度が高いか分かって言っているか?ミライさーん。リリーたちが目を輝かせるじゃん。


『それならいいよ!』


上手くリリーたちの許可を取ったな。おかげで俺にはリリーたちの期待という重荷で潰れそうだ。メルたちにケーキをあげてからユウナさんとルインさんたちにケーキを届けるとみんな喜んでくれた。


『太らない夢のケーキだ!』


女性は大変らしい。深く突っ込まずログアウトすることにした。


名前 タクト 寵愛の召喚師Lv25


生命力 146

魔力  382

筋力  216

防御力 70

俊敏性 150

器用値 232


スキル


格闘Lv39 蹴り技Lv38 杖Lv43 片手剣Lv50 槍Lv36 

刀Lv43 二刀流Lv10 投擲操作Lv20 詠唱破棄Lv36 魔力操作Lv18 

魔力切断Lv26 危険察知Lv22 超感覚Lv21 召喚魔術Lv42 封印魔術Lv40 

ルーン魔術Lv35 阻害無効Lv11 騎手Lv43 錬金Lv27 採掘36 

伐採Lv39 解体Lv52 鑑定Lv47 識別Lv50 疾魔法Lv15 

炎魔法Lv11 地魔法Lv15 海魔法Lv12 暗黒魔法Lv12 神聖魔法Lv24 

雷魔法Lv47 爆魔法Lv53 木魔法Lv36 氷魔法Lv37 時空魔法Lv54 

獣魔魔法Lv9 遅延魔法Lv17 連続詠唱Lv40 水中行動Lv30 空脚Lv5 

読書Lv20 料理Lv47→Lv48 釣りLv23 シンクロLv33 エンゲージLv14 

連携Lv29

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最新作『異世界転生した鼠小僧は義賊になる 』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。

↓
異世界転生した鼠小僧は義賊になる
― 新着の感想 ―
[一言] この話の「これはケーキを作るがログアウトするまでケーキ作りに挑戦するが、成功することはなかった。」の部分ってこれはじゃなくておれはじゃないんですか?わざとだったらすみません…気になったので……
[気になる点] リープリップってどれでしたっけ(ド忘れ)
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