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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
パラディンロードと第二回決闘イベント
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#570 土のドラゴニュート登場

夕飯を食べ終えた俺はログインするとリリーたちを連れて獣魔ギルドに向かう。新たなドラゴニュートを召喚するためなのだが、リリーたちは俺の背中で警戒中。


「…何しているんだ?」


「アウラがいる気がするんだよ! タクト!」


「彼女は何故かドラゴニュートを召喚する時には高確率で現れるんです!」


ノワの時はいなかったぞ。警戒し過ぎだろう。アウラさんは確か舞踏会が終わったら、すぐにファストの町に帰ったはずだ。


「お邪魔します」


「いらっしゃい。あら? リリーさんたちはどうしたんですか?」


「アウラさんを警戒しているらしいです」


「姉さんならファストの町にいますよ」


そういったんだけどね…警戒しまくっている。俺は久々に召喚の間に向かう。


リリーたちを離し、ドラゴニュートの召喚石をセットする。


「ふぅ…」


どうせ女の子なんだろう?わかっているって。


「魔石召喚!」


魔方陣にドラゴニュートの召喚石が吸い込まれ、魔方陣が緑に輝くと砂嵐が発生すると新たなドラゴニュートが召喚された。


『ドラゴニュートを召喚しました』


召喚されたドラゴニュートは褐色肌に緑の髪をロングポニーテールにしている女の子だった。くそ!事前に言っておけば、逆になる理論が敗れた!


俺はその子に近付く。


「わたしを召喚したのは…あなたか?」


おや?ぶっきらぼうな感じ。目もつり目だし、気が強そうなタイプの子だな。


「あぁ。召喚師のタクトだ」


「そうか…ではタクだな。わたしに名前をつけてくれ」


まさかのあだ名!?これはいいのか?タクマとかあだ名にしたら、丸かぶりな気がするんだが…いや、タクトの名前も大概か。今まで出会ったことはないが被っても不思議じゃないだろう。


さて、名前は…多分土のドラゴニュートだよな。土…大地…花…木…う~ん。俺はその子を見る。敢えてこの名前にしてみるか?よし、決めた!


「ユウェルなんてどうかな?」


「ユウェル…うん。悪くない。気に入った」


「そうか…それは良かった」


ユウェルはオランダ語で宝石。この子には宝石のようになって貰いたいと思ったからつけてみた。では、ステータスを見てみよう。


名前 ユウェル ドラゴニュートLv1


生命力 10

魔力  2

筋力  20

防御力 20

俊敏性 2

器用値 4


スキル

素手Lv1 採掘Lv1 鍛治Lv1


お!鍛治スキルあるじゃん!やったぜ!ヘーパイストスだけじゃ回らなくなってきたから心配だったんだ。


「ユウェルちゃん! 長女リリーだよ!」


「次女のイオンです」


「…三女のノワ」


三女はセチアじゃないのか?


「四女のユウェルだ。よろしく頼む」


ほら!四女になったじゃん!意外にノリが良さそうでホッとした。


するとユウェルがリリーたちに近付こうとすると躓く。俺はなんとか支えたが今、どうやって躓いたんだ?


「大丈夫か? ユウェルか?」


「…不覚! む! タク! そのままでいてくれ!」


ん?このままいればいいのか?ユウェルが俺の背中を昇り、肩に手を置く。つまりおんぶ状態だ。


「これなら転ばない」


どや顔で言うことか?するとリリーたちが超反応する。


「ダメだよ! ユウェルちゃん! そこはリリーの特等席だよ!」


「違いますよ! 私の特等席です! 変わってください!」


「…一瞬でにぃの背中に目をつけるとはなかなかやる」


「三人では無理だ。ここはわたしの特等席だ」


まぁ、大人の三人は無理だな。するとリリーが勝負で決めようとか言い出す。また無茶なことを言い出す。するとユウェルがまさかの受けてたった。


「ユウェル…本気ですか? 私たちは結構強いですよ?」


「問題ない。わたしには必殺技があるからな!」


『必殺技!?』


ステータス画面をもう一度見るがそんなものはどこにもない。鍛冶スキルによる必殺技なんてあるのか?するとユウェルは俺から降りると地面で丸まった。


「…何をしているんだ?」


「必殺技だ。これをしているとモンスターは怖がって、襲われないようになるんだ」


それは怖がっているんじゃなく、きっとスルーされているだけだ!もしくは優しい目で見られているとか…俺なら優しい目で見て、スルーしている。


「それならリリーも出来るよ!」


「…ん。ノワも」


二人まで丸まってしまった。


「…イオンはしないのか?」


「しません! ほら! 三人とも! 起きてください!」


『出来ないの?』


「な…出来るに決まっているじゃないですか!」


結局丸くなるイオン。その間にリリーたちは起き上がる。


「ほら! 出来たでしょう! あ」


「イオンちゃんったら、子供~」


「…子供~」


「二人が言ったんじゃないですか! あ!? 二人共待ちなさい! お仕置きです!」


三人が追いかけっこをしているとユウェルが再び俺の背中に登り、おんぶの格好になる。


「賑やかだな」


「いつもこんな感じだよ」


「そうか。それは良かった。わたしはこういう空気のほうが好きだ」


それならうまくやっていけるだろう。降りそうにないので、そのまま外に出るとやはりアウラさんはいなかった。


「「セーフ!」」


その後、ギルドでユウェルを紹介するとやはり鍛治の話になる。


そして試しに鍛治をさせてみることになった。記念すべき最初の鍛治。ユウェルはハンマーを振りかぶる。


すると自分の指にハンマーが直撃した。


「…い、痛くない」


涙目で言われてもな。


『ぶっきらぼうな天然ドジッ子だと!?』


「ド、ドジじゃない! あ」


怒ったユウェルの手からハンマーがすっぽぬけクロウさんの顔の横を通り過ぎた。流石にハンマーは洒落になっていない。


『…』


「あぁ~…まだ召喚したばかりだし、悪気は無いんだ。大目に見てやってくれ。ほら、ユウェル」


「す、すまない…」


謝るユウェルにみんなが明るくフォローしてくれた。その後、ホームでみんなを紹介する。


「わたしが四女ではないじゃないか!」


まぁ、そうなるよね。その後、みんなと自己紹介しているとユウェルが興味を持ったのは虎徹と黒鉄だった。


「おぉ! 虎徹の武器はいいな~…ガブ」


「グォ!?」


太刀を噛まれた虎徹は怒る。更に黒鉄も噛んでいた。するとイオンが説明してくれた。


「土のドラゴニュートは武器や金属を食べて蓄えるんです。まだユウェルにはその力はないみたいですけど、好物ではあるでしょうね」


ファフニールやカーバンクルに近いみたいだな。


「ということはご飯も金属とかになのか?」


「む? 石とか食べるぞ。好物は宝石とか結晶だな」


まさかの名前が一致した。こんな形で一致して欲しくなかった。その後、ヘーパイストスに紹介すると鍛治について、お願いした。


「よろしく頼む! 先生!」


「先生…先生かぁ~…んん! 仕方無いですね。今日はちょっと手が離せないので、明日からやりましょうか」


「はい!」


意外に先生という言葉に弱かったんだな。あ、それとアダマンタイトを渡さないとな。


俺がアダマンタイトを取り出すとユウェルが噛み付いて来た。あっぶな。


「うぅ…なぜ躱す」


「なぜ食べようとする? これは武器に使うんだから食べたらダメだ。貴重な金属なんだぞ」


「え!? 貴重な金属」


へーパイストスが反応した。案外この二人、似てるな。へーパイストスはアダマンタイトを見ると目を輝かせる。


「凄い金属ですよ! これ! これはどうしますか? やっぱり魔法剣に使いますか?」


「だな。頼めるか」


「はい! 任せてください!」


俺はアダマンタイトを狙い続けているユウェルの首根っこを掴み、料理場に向かう。戦ってくれた亜人種たちのためのお礼の料理を作らないとね。


「タクは料理するのか?」


「そうだよ! タクトの作る料理は絶品なんだよ!」


「そうか…どんな石料理をするのか楽しみだな!」


石料理ってなんだ?石焼きを使った料理を作ればいいのか?これは大変だぞ。俺の料理の歴史の中で新たなジャンルを作らないといけないかもしれないな。石の照り焼きとか…意味不明だな。


俺は料理をしながら、イオンから土のドラゴニュートの説明を聞く。


「土のドラゴニュートはドラゴニュートの中でも最強の防御力が売りです。更に攻撃力も火のドラゴニュートの次に強く近接戦では最強のドラゴニュートです。もちろんタイプによって、変動しますが基本はこう言われています」


うむ。それはステータス通りだな。しかし注目はここから先だ。


「最大の特徴は土のドラゴニュートは羽が無く、空を飛べません。その代わりに土のドラゴニュートは土の中を潜るのに特化しました。洞窟を作り、そこで鉱石を食べて武器を作るそうです。ドラゴニュートの武器はほとんど土のドラゴニュートが作ったものなんですよ」


イオンの説明通りだとすると独自の鍛冶方法があるかもな。土のドラゴニュートはマヤさんが召喚しているから後で話を聞いてみるとしよう。


お礼の品を作りながら、ユウェルの好物を探ったら、とりあえず石窯を使ったピザなど石を使った料理なら好物みたい。後は甘いデザートに衝撃を受けたようだ。目が輝いている。これはリリーたちと同じだな。


今日の夜はお礼品作りで終わった。明日配るとしよう。

一生懸命で頑張り屋のユウェルの登場回でした。鍛冶のドラゴニュートですからもっと早く登場させれば良かったなとちょっと後悔しています。


さて、GWの予定が確定したので、告知させていただきます。


4月29日~5月6日まで二話更新。時間は7時、23時となります。


そして新作の名前は『異世界のロリコンテレポーター』となります。名前からしてわかるとおり結構変態度高めの作品になると思います。配信開始は4月29日12時からでエピローグと一話の同時配信です。その後は5月6日まで12時更新を予定しています。宜しければ読んでみてください。

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最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
火土は既に他人が出してるし先に風かなと思ってたら普通に土被った、そういえば他人の土ドラゴニュートは男だったからノーカウントか それはそうとあの英傑も食べた特上おいし岩用意しなきゃ
[一言] タクトがジャンヌを作れるようになってるよ~❗
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