4話 銀髪の少女
[ダンジョン内にて]
ぐがー、スピー、くぷぅ〜むにゃむにゃ。
んっ、んんん〜!!!
「くはぁぁ〜!なんかすごく寝た気がするな!」
マンティコアとの戦闘からほぼ丸一日寝ていたルクが目を覚ます。
戦闘の後ちょっと怠かった身体も回復したな!
さすが我!たったひと眠りで完全回復とは我ながら自分の回復力が恐ろしい!ハッハッハ!
【ユニークスキルダンジョンマスター:リンゴ!水!】
ルクがスキルを唱えると、自分で作った歪な形をした木の器とコップにリンゴと水が出現する。
パクパク、ごくごく、パクパク!!ごくごく。
ふぃ〜!美味いっ美味すぎる!生きててよかった!
扉確認ヨシ!(シャドウウルフの群れへと続く扉を遠くから確認する)
さて、今日もいくか!マンティコアがいた場所ちょっと開けてたしついに長かった森生活ともおさらばの可能性もあるか?ウシシシ
【ダンジョンゲートオープン】
んっんーー!外の空気うめぇ〜。
マンティコア戦からどのくらい寝てたか分からなかったが太陽の位置的にあんまり時間経ってないな?(丸一日寝てただけだが本人には知る由もない。)
おっ、あれはマンティコアの巣か?
祭壇のような物に屋根まで付いてる場所があるでは無いか!もしやあるのか??あるんだろう!お宝が!
おったから〜お宝お宝おったから〜(スキップをしながらマンティコアが住み着いていたであろう場所へと近づいていくルク。)
そして…………。
んぅん??ん〜??これは金…………か?
(そこには銅貨か銀貨が少なくは無い数が無造作に散らばっており他には子供の人間の衣服やナイフなどが散乱していただけだった。)
これは人族の通貨か?
我が知っている通貨はもっとこう…………剣の様な絵柄が描かれてたような?こんなおっさんが描かれた通貨だったか??
まぁ、人族とそんなに交流してたわけじゃ無いしな!最後なんて戦争だったし!
こんな通貨もあったんだろうハッハッハ!【ダンジョンウィンドウ】貰えるものは全部貰っておこうっと。
それにしても、ふむふむ魔物とはいえ酷いことをする。子供を中心に狙っておったなこの魔物は。
脱ぎ脱ぎ←今きているボロボロの布服を脱ぎ、ちゃっかりときれそうな服を見繕い着替える。
「おおっ!少し大きいし当て板があるだけの靴だがあるだけで全然違うな!じゃり道を歩いても痛く無いぞハッハッハ!」
「あ、アナタがマンティコア様ですか?」
マンティコアの住処を漁っていたルクは近寄ってくる人の気配に全く気づいていなかった。
そして時が止まったかのようにルクと痩せ干せた銀髪青目のルクより少し背が高い少女は見つめ合う。
びっくりしたぁぁぁ!全く周囲を警戒してなかった!!
それにしてもなんだ?
この痩せて今にも干からびそうな少女は?
マンティコアとか言っていたな?
………………もしかして私の獲物をよくもとか、私マンティコアに育ててもらってたのに!的な感じだったりするのか?ど、どうする?人族っぽいし…………面倒になる前にサクッと殺るか?
「あっ、あの………………。こ、これ今月分の貢物です。そ、それと、あの、足りない分は…………わ……私を…………。」
少女は生きることを諦めたかのようにか細い声で野菜や果物を並べながら言葉を発する。
…………………………なにいっとんだこいつ??
まぁ対して熟してもいない野菜や果物を貰ってもな?
もっと育ててからこいと言いたいところだが…………
なんか痩せ細ってるし肉が欲しくて懇願して来たみたいな感じか?
しょうがない、人族に優しくしてやるつもりは無かったが子供には優しくしないとな。よしっ。
「なんだ!!くれるのか??ハッハッハ!なんか悪いな!そちらも腹が減ってるであろうに。……!!そうだ!そう言えば兎の肉があった!せっかくだこの肉をやろう(ニコ)」
「……………………………………?」首を傾げる少女
「………………………………………………??」返事が来ず首を傾げるルク
まっ、まさか兎だけじゃ足りない………………だと?
くっ、やはり人族は貪欲だな、だが一度施しをすると決めた以上ここで辞めるのもカッコ悪い。
しょうがない
「わかったわかった!そんなに腹が減っているのなら最初から言えばよかろう!ほれっ!!熊肉だ」
ドカっ!という音を立て大きな熊肉の塊をダンジョンウィンドウから取り出す。
「なんだ?もっと嬉しそうにせよ!熊肉だぞ?熊肉!」(少しルクは不機嫌になった)
「あっ、あの?お、お肉…………頂けるのですか?で、でも私……1人できて、その持って帰る人が、その、いなくて」
「???お主が持って帰れば良かろう??その荷カゴに入るであろうに?」
「……………………え?か、帰っても宜しいのですか?」
「……………………っえ??」
「……………………??」
時が再び止まったかのように動きを止める2人。
だめだ、パーフェクト頭脳をもつ我でもぜっんぜん理解出来ん!!
…………まぁいいか!よく分からんが肉を食って腹が膨れれば帰るだろ!
「わかったわかった!よーくわかったぞ娘よ!ちょっと待ってろ!」
ルクはダンジョンウィンドウから手頃な石と木の枝をだし、魔法で火を起こし肉を枝に刺し焼いていく。
「ほれ、やけだぞ!娘!食え食えっ!美味っ!あっ!美味い美味すぎる!……………………なにを驚いた顔で固まっておる?はよ食え!」
「え?えっと…………はい。い、いただきます。パクっ…………ポロ……ポロポロゥゥゥ。」
少女は小さく口を開け兎肉をかじると涙を流し蹲る。
ぇぇぇぇ???う、ウソダ(ルクは衝撃を受けた、まさか肉を食べて泣く人がいるとは)肉が、肉が嫌いなのか?そ、そんな生物がこの世に存在するのか?
ま、まさか我なにか思い違いをしてるのか??(今更)
【ダンジョンスキル:リンゴ!】
「ほ、ほれ!大きく熟した甘いリンゴだ!これならどうだ?最高に美味いぞ?な??」
「ぅぅぅぅ、うう、うあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙(泣)」
「何故なくゥゥゥあ゙あ゙あ゙あ゙ん゙(泣)」
8年間引きこもり、初めて人に会う編でした。




