2章-36話 精霊ダンジョンの隠しギミックを解こう!
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天陽連峰の頂上。
そこは半径百メートルほどの円形の広場になっていた。
その吹き荒れる風の中、中央にただ一つ巨大な扉だけが、まるで門番のように静かに君臨している。
「ほぉ〜……凄いな!」
ルクが目を輝かせながら扉を見上げる。
「こんな高い場所に扉だけを置くとは……なんとも粋な演出だ!きっとここの精霊は相当強いぞ!やったなリリ!」
「はい。どんな精霊なのか楽しみです。できれば可愛い子がいいですね」
ルク達はこれから未知のダンジョンに挑むというのに、まるで観光に来たかのような盛り上がりを見せていた。
「ははは、元気だね…………少し休憩してから入ろうか」
ふぅ、アクシデントはあったけど辿り着けてよかった。本当によかった!
アシュレイは涙を拭うと、ダンジョンについて頭の中で整理する。
さて、ここのダンジョンはいつ入ってもレベルは1で固定の10階層のダンジョン。
そしてダンジョンのクリアの仕方によって最後に現れる精霊が変わるシステム。
まぁ1人1体の精霊しかここのダンジョンでは契約できないけど、知ってさえいれば狙った精霊と出会えるお得ダンジョン。ここに来られさえすればこっちのものだ!
「とりあえず最初は僕の精霊からでいいかな?少し手順が複雑でね?頼むよ」
まだ少しフラフラしているアシュレイが手を合わせお願いする
「ウム、ちゃんとリリの分があるならいいぞ?」
いつものルクなら我先にと言っていたはずであるが、
ちょっーーーとだけ! ルクもエアステップを使えないアシュレイ達に悪い事したかな?
……と思ってたりするのだ。
十分な休息とアシュレイによる説明を挟んだのちついに精霊ダンジョンの扉を開け足を踏み入れる。
「確か説明では出来るだけ多くの隠し部屋と宝箱を見つけると、最後に出てくる精霊のランクが上がるのだったな!ハーハッハッハ!我の出番だな」
「うん、まぁ隠し要素は全部知ってるから灼熱の精霊イフリートと契約させてもらうよ!まず一階層だけどここには宝箱が1つだけ、さっさと取って次に行こう!」
「………………まぁまぁまぁまてアシュレイよ」
ルクがにやーーりと笑うと通路にある壁の溝に風と火の魔力を同時に流していく
「な、何かな…………?」
アシュレイの顔はとても引き攣っていた。
すると
————ガコン!
「……え?」
怪しげな石像と共に隠し部屋が出現した…………。
「あれぇぇ!!?なんでーーー!!!」
「ハーハッハッハ!何が隠し部屋は無いだ!ちゃんとあるでは無いか」
「いや、僕が前世で………………あれぇ??」
これこそが[天空のデスペラソーレ]が鬼畜難易度と呼ばれる理由の一つである…………。
余りにも要素を詰め込みすぎて攻略したと思っていた所でも実はまだまだだったりしていたのだ!
「あ、ありがとう…………」
アシュレイのプライドに大きな傷をつけながらも隠し部屋に入っていくルク達。
その隠し部屋の中には小さな火の精霊と横には小さな指輪があった。
「選びの間だね」
「どちらか片方を取るともう片方は消えてしまうんだ、ここのダンジョンでは精霊との契約は絶対に一人一体しか出来ない、指輪にしよう」
[火耐性弱強化の指輪]get
2階層にて
「二階層は隠し部屋がある……ついてきて?」
アシュレイが大きな石像が3体ある場所にいくと、その石像を動かしていき3体が同じ壁を向くように設置すると
ガコン
その壁が開き隠し部屋が出現する。
「お??ここもか」
そこでルクが何かに反応する。
「何かな?」
「いや!なんでも無いぞ!ハーハッハッハ!」
………………絶対何かあったのだがルクはなんとな〜く黙ってる事にした。
[風耐性弱強化の指輪]get
3階層にて
「それにしてもここって魔物とか出ないわけ??」
「うん、ここは完全に精霊と契約する為だけの場所だからね、魔物はいないよ」
「…………つまらないデスね?」
ルク達が謎解きの楽しさを理解できるのはまだまだ先だった……。
[火の魔導書、火の魔剣]get
4階層にて
ここはこうして…………よし。
「何故かここは持ち物取り外し禁止エリアなんだよね?まぁだからって何かある訳でも無いんだけど」
ガコン
4階層隠し部屋内部にて宝箱を開けようとするアシュレイをルクが止める。
「ちょっーーとまった!」
「………………何か?」
段々とルクの扱いが雑になってきたアシュレイである……もう少し頑張って欲しいものである。
「その宝箱を開ける前にちょっと貸してもらおうか?」
宝箱をアシュレイから奪い持ち上げそれを思いっきり吹き抜けの上空に投げた!そして
【エアハンマー】
思いっきり飛ばした!
「ちょっとー!??なにやって…………え?」
ガコン
すると上空から宝箱が二つになって降ってきた…………。
「パーフェクト(魔王)な我に不可能などないのだ!ハーハッハッハ!」
「「「おお〜パチパチパチ」」」
「あのさ?本当に今回が初見なんだよね?」
「ウム?そうだと言っただろう?」
実は同じ転生者なんじゃ?
と疑うアシュレイだったが、だとしたら知らない事が多すぎると思い、すぐに思考を切り替えた……。
転生は転生でもアシュレイとは違う転生なのだが、それに気づく事はなかった……。
「……………………。はぁ。」
「アシュレイ殿、彼と比べてはいけません。そんな気がしてきました」
[風の魔導書、風の魔盾]get
そんなこんなで階層を登り、時に宝箱の中身(魔小手)をどうするかで衝突したり。(じゃんけん大会でルクが勝った…………。)
アシュレイが知らない隠し部屋を堂々と見つけたりしながら9階層到達した。
……もうアシュレイのプライドはズタボロだった。
「どうしてこんな探索が上手いんだい?」
「フッ、冒険者だからだ!ハーハッハッハ!」
…………ではなく元魔王のサーチが凄すぎるからなのだが、そうとは思っていないルクなのである。
「わたくし達も冒険者なんですが…………」
疑問に思ったらキリがない事をアシュレイ達はしっかりと学習していた。
そして10階層入り口には大きな扉があり
その扉の前に半径50メートル位の大きな太陽の模様が描かれてあった。
「ここは何か謎があると見せかけて何もないんだよね…………。
いや、何かあるけど見つけられてないのかな?」
アシュレイは完全に自信が無くなっていた。
——ふむ。
分かってしまったんだが言ってもいいんだろうか。
そして、ルクもアシュレイの元気がなくなっている事にちゃんと気づいているのである!凄まじい成長である。
「————分かったわ!この天才魔法使いサキに任せなさい!」
………………そしてサキに先を越されすごーーく後悔したルクであった。
「何かあるのかい?」
「ふっふっふー!ルクがなんか回収出来そうな石像を回収してたからピーン!ときたのよね!」
「太陽の模様と重なるように窪みが10箇所あるでしょ?それで回収した石像も10個よ!つまり」
「つまり窪みに石像をおいて綺麗な丸を完成させればいいのか!凄いよ」
「……………………(怒)」【ウォーターボール】
「ぐっはぁぁぁ!」
1番言いたかった所を言われてついカッとなったサキはアシュレイに魔法を放った!
これからカッコよく決めるつもりだったのだ!
最後まで人の話を聞かない奴は敵なのだ!
因みにルクは端っこでしょんぼりしていた
ルクだって本当は言いたかったのである。
「ま、まぁまぁ石像並べていきますか?持ってきたのですよね?」
「…………ウム」
イグニスが場をまとめると、マイダンジョンから石像を取り出し皆んなで丸を作るように並べていく。
すると……。
………………
…………
……
………………特に何も起こらなかった!!
「「————あれぇぇ??」」
不思議そうに首を傾げるルクとサキ。
そこでちょっとソワソワしていたリリが緊急参戦してくる!
「次は私の番ですね!」
物語大好きなリリは思い出していたのだ!
完成を嫌い光から闇に堕ち闇に堕ちた人々を救う混沌の大精霊の御伽話を…………。
リリは懸命に思い出す!その大精霊は完成を嫌い可能性を愛した!ならば…………と。
作るのは完成された◯(太陽)ではなく
わざと完成させないように、しかし綺麗に並べられた☆(星)を作り上げるように丸の中に石像を並べていく。
すると!
完成と共に魔法陣が強く光だし、魔法陣の先にある重厚な扉に太陽のシンボルが浮かび上がり辺りを照らし始める。
大正解である!
ゆっくりと扉が開かれていき
太陽の扉と星の魔法陣の大きな輝きが辺りを包み込む。
「眩し!!」
光が収まると共にこの場にいる者の頭に直接声が響く。
『よくぞ全ての闇を暴いた
隠された道を見つけ
秘められた真実へ手を伸ばし
汝らは光を求める資格を示した
太陽の大精霊の名の下に最後の試練を開始する
この扉を潜り我輩に答えを示せ』
精霊ダンジョンの主は灼熱の精霊イフリートではなく全てを照らす太陽の大精霊。
その大精霊が今、アシュレイ達に最後試練を突きつけるのであった。
そんな中
魔法陣の真ん中で石像の置き場所を支持していたリリがその姿を消していた。




