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魔王転生〜転生した世界は魔族が滅ぼされた後の世界でした〜  作者: るる
プロローグ

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78/103

2章-37話 大精霊ルナスィラ ①

高評価等とても励みになります。

もし良ければ高評価等よろしくお願いします


※四話連続での戦いになります

この37話には多少のシリアス要素が含まれています。

リリサイド

 

魔法陣の完成と共に目を開けていられない程の眩い光が辺りを包み込む。

 

そして光が止むと共に目を開けると真っ白な床に真っ黒な視覚情報が閉ざされ、先が見えないはずなのにリリの目の前に立つ1人の人物を視る事は出来きると言う、不思議な空間にリリは1人立っていた。

 

目の前に立つのは、真っ黒な3つの羽と真っ白な3つの羽を羽ばたかせ、左右で白と黒に分かれた顔と身体をした女性


混沌の大精霊ルナスィラがリリを観察するようにじっと見つめていた…………。

 

「…………ここは?……私1人だけ見たいですね?帰してもらう事は出来ますか?」

リリは剣を構え真剣な目つきでルナスィラを見る。

 

「ウフフフッ、ダメよ?せっかく面白そうな子を見つけたんだもの…………」

うっとりとした表情を浮かべた彼女が優しい笑顔でリリに問いかける。

 

「そうね?お姉さんの質問にすこーし答えてくれたら面白い魔法を1つ教えてあげるわぁ?だから少しだけ付き合ってもらえる?」

全てを愛するようにルナスィラは妖艶に笑っていた。

 

「…………なんでしょうか?」

「ウフフ、そんな警戒しなくてもいいわよ?光魔法と闇魔法を扱え、聖騎士なのに暗黒騎士に目覚めかけてるお嬢さん?あなたはどっちなのかしら?」

 

「…………どっち……とは?何のことでしょう?」

「ウフフ、そうね、それなら言い方を変えましょうか?」

 

『私の名は混沌の大精霊ルナスィラ、貴女に力を授けましょう。』

『光魔法を捨てる代わりに強大な闇の力を、それとも闇魔法を捨てる代わりに眩い光の力を、どちらか選びなさい』

 

光と闇の日輪がリリの足元を照らし出しながらルナスィラが問いかける。

 

「………………?何を言っているかよくわかりませんね?」

「…………あら?もしかしてお馬鹿さんなのかしら?光と闇の力をその身に宿しても体が持たないわ、中途半端な成長で終えるならそれでもいいでしょう。」


「でもお嬢さんからは強くなりたいという意思を感じるわぁ?…………だから選びなさい」


「ふぅ、お話になりませんね?私を帰してくれますか?」

「…………、意味を聞いてもいいかしらぁ?」

ルナスィラがリリに向けて圧を放つ。

 

「光魔法や聖騎士がなければ大切な人を守れません。

 闇魔法や暗黒騎士は大事な人との絆です。

 私は光も闇も捨てるつもりはありません!」

 ルナスィラの圧を物ともせずリリは強い眼差しで見つめ返す。

 

「…………フフフッ、アハハハハ!」

笑い声と共に魔法陣がルナスィラの手元に出現すると、真っ黒な剣と真っ白な剣の2本の剣が出現しその手元に収まる。

 

「おバカなのね貴女って?偶にいるのよね夢だけを見て現実を見ないおバカさんって、それならそれでわたしにも考えがあるわぁ?」

 

「……………………」

【アクティブスキル:フィジカルブースト】

…………なっ?

「ウフフ、この空間ではスキルも魔法も使えないわよ?貴女が選ばないなら私が選んであげるわね?どっちの剣で斬ってあげようかしら?」

その言葉を呟いた瞬間ルナスィラの双剣がリリに襲いかかる!

 

「くっ!」パリィ

「へぇ?スキルが使えないのに弾けるのねぇ?やるじゃない、ほらぁこれならどぉ?」

左右から凄まじい速さでの連続攻撃がリリに襲いかかる。

 

右を弾けは左、左を弾けば右と卓越した戦闘技術から繰り出される連撃!

余りの手数の多さに次第に追い詰められていき

 

 バシュ!

「くっ」

 リリの体を白の剣が掠る

 …………すると

 [光魔法のスキルが減少しました]

体に傷はない、しかしリリの脳内で何かが無くなった感覚がした…………。

 

「まさか…………」

「ウフフ、そうよぉ?白の剣で斬られれば光が、黒なら闇の力が失われるわぁ?大丈夫、命まではとらないからぁ?ウフフ」

 

「返してください…………」

 リリが静かに怒り始める。

「なら光魔法を選ぶのね?」

「……選びません」


「…………どちらも欲しいなんて強欲よ?」

「光と闇は本来相反する力。両方を抱えた者はいつか壊れるわぁ?」

「だから早く選びなさい?」

「選ばないと…………言いました!!」

 

バッ!!っと足に力を込めルナスィラに接敵!今度はリリから攻撃を開始する。

 

「返せぇぇぇ!」

リリによる高速の剣撃、スキルが使えずとも蓄積された技がある。

積み重ねてきた経験がある!虎獣人の里でレオガルから教えてもらった技が、これまで沢山の強敵と戦ってきた経験がリリにはあるのだ。

 

「ウフフ、そんなに必死になっちゃって?可愛いお嬢さんね?」

しかし、ルナスィラには遠く及ばない…………。

ルナスィラは何千、いや何万年と生きてきた大精霊なのである、経験も技もリリより遥か高みにいた。

 

そしてリリの攻撃の癖をわざと攻撃を受けながら観察し解析が終わるとすぐさま攻めに転換、連続攻撃が再びリリを襲う。

「くっ…………」

パリィ、パリィ!パリィ!!

そこからは完全に防戦一方だった。

 

リリは少しでも攻撃が掠ればスキルが消滅するのである、しかも何倍も自分よりも格上の相手との戦い。

ここまで防御出来ていることが奇跡に近かった。

 

「ハァ、ハァハァ。」

………………どれだけの攻撃を防いだだろうか?

 一撃も喰らうことを許されず、こちらの攻撃を当てる術はなく。

 

いつまで続くかもわからない連続攻撃、もうリリの体力も精神力も限界が近づいていた。

「あらあら?思ったより頑張れるのねぇ?」

手を緩めることなくリリを観察しながら問いかける。

 

「はぁ、はぁっ、はぁっっ」パリィ!!

しかし、リリは決して諦めなかった

光があったからここまで大切な人を守りながら来る事が出来た。

闇という心の支えがあるからこれからも頑張れるのだ。

絶対に諦めるわけにはいかない。

 

「ウフフ、そう?」

ルナスィラが呟くと翼を羽ばたかせ距離を取る

「はぁ、はぁはぁ…………??」

「中々粘るから少しだけ本気を出してあげようかしら?」

 

【精霊魔法:満月の輝き(フルムーングロウ)】

ルナスィラの体が月の光に包み込まれると全ステータスが一時的に爆増する。

 

「なっ……スキルを」

「ウフフ、この空間は私の空間よ?私がスキルを使えない訳無いじゃない?……じゃあ終わりね?」

 

瞬間、ルナスィラが視界から消えたと思ったら突如目の前に現れ高速を超えた剣がリリに襲いかりその剣がリリを切り裂く!

——かに思えた。

 

「ブツブツ……………………」

リリが何かを呟くとリリの体内から青白い光が湧き上がりリリを包み込んでいく

 

——そして

 【練気法[反]】

人の身を超えた反応速度でルナスィラの剣を弾くとそのままリリの剣がルナスィラの体を深く切り裂いた!

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

切り裂かれたルナスィラから大量の血飛沫があがり膝をつく。

「はぁ、はぁっはぁ。」

アクティブスキル練気法、それは本来スキルによる身体強化にすぎないのだが、そもそも気とは体内で練り上げ外部に放出する技。

 

スキルが使えなくとも体内で気を練り上げる事でSPを使わずに練気を使う事が出来るのだ。

 

ただ、リリにとってこれは最終手段であり使えるのは一瞬だけ全ての内気を使って初めて発動できる初見殺しだった。

「なにかしら?それは…………グフッ」

 【精霊魔法:星の輝き(スターライト)】

しかし、ルナスィラが魔法を発動するとせっかくの傷も癒えてしまう。

 

「ふぅ、本当にびっくりしちゃったわぁ?そんな切り札かくしてたのねぇ?」

「…………くっ」

 

「もうお姉さん怒っちゃった?覚悟できてるのよね?」

「……オバさんの間違いでは?はぁはぁっ」

リリも喧嘩を売るのが上手くなったものである。

そして完全に一方的な戦いが……いや、単なるルナスィラによる作業が始まる。

 

「…………はぁっはぁっっ」パリィ

必死に防御するリリだが次々とルナスィラの剣がリリを襲う

 

「ぐぅぅ」

 [光魔法が減少しました]

 ……まだ、諦めるわけにはいかない。

 

「ガハッ」

 [闇魔法が減少しました]

 ……闇は、それはあの人との。


「ま、まだ………………」

 [聖騎士の称号が剥奪されました]

 その称号はあの人が与えてくれた大事な……

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

 [暗黒騎士の称号が消滅しました]

 私の、全てが……私は……だれ?

 

 そしてついに

[光と闇のスキルが全て消滅しました]

………………………………。

 

リリからリリの心を支えてきた全てのスキルが消滅した。

「ウゥゥゥゥ、ァァァゥゥ」

 

そして、

心が無くなったような虚無の目からは涙が落ち

何も見えなくなった目で宙を見ながら

声にならない声を上げてその場に倒れるのであった。

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