2章-29話 海と土下座と精霊とプリン!
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「本当ッッーにすみませんでした!!僕の勘違いでした!」
港街領主の屋敷、応接室にてアシュレイはルク達に土下座を決めていた。
「我が家族(仲間)を擬天使風情と間違え殺そうとするとは……なぁ?」
「私はとにかく皆を攻撃したのは許さませんね」
「私にも前にデスボンバーとか失礼な事言ってたわよね!何よその出会ったらすぐ爆発魔法撃ちそうな名前は」
……………………実際サキはそんな所もあるのだが、現在新魔団には常識人がいなかった!
「金髪は敵デス、許すわけがありまセン!倒しマス」
レンカはしっかりと槍を握っている
「それになぁ?もし海軍本部長が最後庇ってくれなかったら死人出てたかもだしなぁ?」
チラリとアシュレイを睨みつける。
「うっ……」
「しかも我ら、海底ダンジョン帰りでボロボロだったのだぞ?」
「うぅ……」
「万全なら負けていたのはそっちだったのだぞ!」
そう、最後アシュレイの突撃の際、
ルク達を庇い海軍本部長が重症をおい、回復薬で完治はしたものの一時生死を彷徨っていたのだ……。
そして、ルク達は負けず嫌いなのであった!何なら今回の勝負ノーカン扱いである!
もし次があったら必ずブチノメス、今回の仕打ちも含めて10倍にして返すのだ!それが新魔団なのである!
「す、すまないリリ達……そのどうにか怒りを納めてくれないだろうか?どんな事でもする」
「ちょっと天使とか擬天使に因縁がありまして、本当に申し訳ございません!」
イグニスとサフィアも頭を下げる。
………………フッ、さすが我らのパーフェクト演技!なかなか良く出来たのでは無いか?フッフッフ
ルクが悪どい笑みを浮かべると
「何でもと言ったな!ハーハッハッハ!」
「「ハーハッハッハ!(デス)」」
「………………………………。」
ルクにつられて、大きく笑うサキとレンカ!
完全に打ち合わせ通りであった!
「さて、アシュレイだったか?中々いいスキルを持っているでは無いか!
精霊憑依だろう?それを教えてくれれば許してやろう!ハーハッハッハ!」
実は少し前、アシュレイ達が謝りたがっていると言伝をうけ密かに新魔団作戦会議が行われてたのである。
所詮この世は弱肉強食(新魔団の思考は偏っている為)、ぶっちゃけ美味しいご飯でもお詫びにくれないかなぁ位にしか考えて無かったのだが…………。
相手が凄く申し訳なさそうにしてるなら遠慮なく貰えるものは貰っておこう!
という魔王のような考えがルクの頭をよぎったのである!
「どうするのルク?」
「う〜む」
「怒っちゃう?ドカーンって爆発つけて!」
「怒っても何も生まれぬ事を我は知っている」
「じゃあ許すデス?」
「せっかく謝りに来るのだ!それではつまらんぞ」
「じゃあ?」
「フッいい事を思いついたぞ!」
「なんです?」
「せっかくだ!精霊憑依のスキルを貰うか!」
「「「それあり!(デス)」」」
そして時は戻り現在。
(ぐっ、そうきたか…………でもこれは)
「この精霊憑依は人を選ぶんだ……教えたとしても多分使えないと思う……」
「それに例え覚えられたとしても精霊と契約出来ないと使えないんだ」
「?私がわかるように説明しなさいよ!」
「私が爆発魔法を教えて貰っても覚えれなかったのと一緒でしょうか?確か適性が何とか?」
「ウム、まぁ人それぞれ適性はあるからな、だがしかーし!問題ない確実にリリなら覚えられるぞ」
「え?私がですか?」
「ウム!そもそもリリのその魔剣、元は精霊剣だしな!
精霊剣を使えるという事は精霊と契約ができるという事だ、何故か精霊が剣から抜け落ちて魔剣になってるがな!ハッハッハ」
「えっ?」
「……………………そうなの?」
「デス?」
ここまで間違ってたら恥ずかしいしなぁとずっと言ってこなかったルクによる衝撃の新事実であった!
(……せ、せせせせせ精霊剣だって!?一体どこに!?なぜ??)
アシュレイは凄く動揺していた、何故なら精霊剣はゲームでは完全に過去の遺物の伝説的な存在として出てくるだけで決して入手する事が出来なかった為である。
「精霊と私が!契約できるんですね!!やります、絶対!」
そして物語大好きのリリは完全に乗り気になった。
「あ、あのその精霊剣をお金で売って欲しいなんて………………はい無理ですよね、すいません。」
「それで?早く精霊憑依のやり方を教えてください!!」
「え、えっ〜と教えたいのは山々何だけど……まず精霊と契約してないとそもそも覚えれないんだ……ごめん」
「「「「ケチ(ね)(だな!)(デス)」」」」
…………ケチって言われても無理なものは無理なんだけど……。
アシュレイはツッコム余裕すら今は無かったのだ。
「フム、ならば精霊と契約出来る場所を教えてくれるでもいいぞ?折角なら強い精霊で頼む!ハーハッハッハ!」
「……精霊か」
(あるにはある……けど、いや僕ももう一体精霊と契約する予定だったしここは)
「わかった、でも条件がある。」
•誰にも言わない事
•手順が複雑な場所があるからそこだけでも指揮下に入ること
•僕自身も精霊と契約したいから手伝って欲しい
「これでどうかな?本当に誰にも言わないで欲しいんだけど…………。」
『口は硬い(ぞ!)(わ!)(です)(デス)』
ルク達はすごーくドヤ顔だった
「わかった!本当にごめんね?ありがとう」
こうして、転生者2人の出会いは幕を閉じたのであった…………。
その後はアシュレイが持参したお手製プリンを食べ完全に過去の事は忘れ去ったルク達。
……………先にプリンを出していれば!
と言うのはタラレバの話である。
そんな中扉がノックされると港街ラグノート支部のギルド長と領主がやってくる。
「「「この度は大変ご迷惑を!」」」
頭を下げるアシュレイ達に対して………………
ルク達はプリンが入っていた空き容器を眺めていた。
おっさんなんかに興味は無いのである!プリンのおかわりを要求したいのである!
「ちょっ、貴方達、領主様ですよ?す、すいません領主様」
イグニスが必死に弁明する。
「グハハハ!儂はそんな事気にせんわい!お前らも頭を上げろ!たかが領主だ、王というわけでも無いグハハハ」
ザ!海の男と言われてパッと思いつく感じの領主が大きく笑う。
すると続けてギルド長が前に出る。
「話し合いは終わったか?すまなかったな、こちらとしても大事にして欲しくなくてね?
アシュレイ達と君達はこの街の英雄だ、どうか許してやって欲しい」
「ハッハッハ!問題ないぞ!
…………そんな事よりおかわりはないのか!?
……………………そうか、ないのか」
シュン…………。
「これ見舞金だ」
そんなルク達にギルド長が袋広げて渡すと大金貨が10枚ほど入っていた。金貨ではない!大金貨である!
だが
「「「「????」」」」
それをみて何だっけこれと首を傾げるルク達にギルド長が困惑する?
「どうした?」
「この金貨に似たやつはなんだ??食えるのか?」
「いや、そうかそうだな!子供に大金貨と言ってもわからんか!すまんすまん!1枚で金貨10枚分の価値があるものだ、好きに使って欲しい」
「怪我は治ったぞ?回復薬飲んだし」
「元気デス」
「お腹は少し空いたわね?」
「プリンの方が欲しいですね」
「いやそうじゃない、見舞金だ見舞金」
「見舞金?」
「怪我をした者へ渡す金だ」
「ほう」
ピシャーーーーン!!!
ルクは大金貨を一枚つまみ上げるとそのパーフェクト頭脳(自称)が一つの回答に辿り着く!
「つまり!!怪我をしたら貰えるのか?」
「そうだが……」
「ならアシュレイを殴ればもっと増えるのではないか?アシュレイが見舞金を貰う!それを我等が貰う!完璧だ!」
「「「それだ!(デス!)」」」
止める魔もなく素早く行動に移る新魔団!勢いよくアシュレイに飛びかかろうとして……
【バックステップ!!】
アシュレイが全力で飛び引いた!スキルまで使う逃げっぷりである!
「違う違う違う!!待って待って待って!!??」
「だって怪我をすると貰えるのだろう?」
「そういう制度じゃないから!」
「おかしいな??」
「おかしくない!」
「グハハハハ!!」
「面白い奴らだな!良かった良かった!」
バンッ!と領主が机を叩き注目を集めると……。
「もっと稼ぐ気はないか!?実は領民から要望があってな!お前らに礼を言いたいそうなんだが!数があまりにも多い」
ニカッと白い歯を見せて笑うと
「…………そこでだ!凱旋パレードを行おうと思ってるんだが!どうだ?もちろん報酬も払おう」
「ほぅ?パレードとはあのとてもチヤホヤされるやつか!?」
「でもお礼って言われてもねぇ?私たち何かしたかしら?プリンは食べたわね」
「ん〜……プリンを食べましたね?」
「プリンもっと食べたいデス」
サキ達は完全にプリンに頭を支配されていた!
「グハハハ!深海ダンジョンの攻略、しかもレベル2ダンジョンだ!そしてモンスターパレードも完全に倒し切った!港街ラグノート始まって以来の大手柄よ!」
「楽そうだな、そうだマント!マントが欲しいぞ?」
「ご飯は出でマスカ?」
「出る!」
「「「なら参加ですね!」」」
「そこなの!?」
こうして深海ダンジョンを攻略した英雄達は。
人生初の凱旋パレードへと連行?
される事になったのであった――。




