2章-23話-1 海底ダンジョンの主 前編
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ダンジョンへ突入してから4日目
【サーチ】
「……ウム!」
「どうした?」
「ここも隠し通路だな!」
ルクがニヤリと笑いながら隠し通路に向かって歩き出そうとした時だった……。
ここまでついてきてなんとなーくだが、ダンジョン探索って面白いいんだなぁとか思っていた一人の海兵が壁を見ながら言う。
「この壁か?ちょっと不自然だな!」
全員がその海兵を見ると本人もハッとする。
「……あれ?」
……………………。
「お前」
「はい」
「……毒されてないか?」
「……はははっ、まさか……たまたまだ」
少しだけ楽しくなってきたなんて言ったら、何て言われるか……
現在はラグノートの緊急事態である!
真面目一筋で生きてきた海兵がダンジョンを楽しむわけがないのである。
勘違いはしないでほしい……。
……だがしかし
違和感に気づき始めると楽しくなってくるのが、謎解きの奥深さであり……
ついに別の海兵もうなづいた!
「……いや確かに怪しいな」
「ここだろ?俺もそう思う」
「……よく見ると壁のブロックが他より少し程度大きいんだな?……叩いてみるか?」
「本当だ、やるじゃないかお前ら……よし!叩いてみよう」
……段々と謎解きが楽しくなってきた海兵達である。
やる気が上がる事は良い事だ!止めないでほしい!
「…………待て待て待て待て!!」
本部長は1人頭を抱えた、もう自分の周りには誰もおらず皆んなルク達の周りでワイワイ騒ぎ始めていたのだ……。
数日前までは普通の真面目な海兵だった部下達が、隠し部屋探しを楽しんでいるように見える……
俺の積み重ねてきた信頼とは!
ダンジョンの謎解きに負けたとでもいうのか!!??
そんな事を悲しい目をしながら本部長が考えてたら部下の1人がついにゴンッ壁を叩く……。
「!!間違いない!ここだ」
「念の為他の場所も確認するんだ!」
……コンコン明らかに音が違う。
「「「…………………………」」」
「ルク」
「フッ、お前達もダンジョンの楽しさに気づいたか」
「……あぁ、これがダンジョンか——やっちまえルク!!」
「ハーハッハッハ!無論だとも」
ドゴォォォン!!
『ウオーーー!!!』
その先には大きな部屋に謎の祭壇がポツンと置かれていた。
「何だこの祭壇は……今までと違うぞ?」
海兵達のテンションも完全に上がりきっている。
「フムフム!なるほど」
「何が分かった?」
「この祭壇を起動すると」
「すると?」
「ダンジョン全域の敵が強化される………………気がする!」
『罠部屋か!——触るな!!』
「だがいい事がきっと起こるぞ!ハーハッハッハ!」
『——それを早く言え!押しちまえ!!』
カチッ。
海兵達が完全に堕ちた瞬間だった!
『よおおおおおおしっ!!』
歓声が響く中ただ1人本部長は天井を見上げた。
「終わった…………」
部下達はもう駄目だった!
報告書に何で書けば…………。
その時を境に。
「あっちの壁が怪しい!」
「本当ね?やるじゃない!海軍も!!!!」
「この床パズルになってる……動かしたら魔法陣になったぞ!」
「ふむふむ、パズルを解くギミックもあるんですね!凄いです」
「この像だけ向きが違う!」
「本当デス!ボクに任せるデス!!」
ついに海兵達は率先して隠し要素を探し始めた。
普段海の警備や海賊の確保がメインなのだ!探索が楽しくなって仕方がなかったのである。
しかも、隠し要素を見つけると子供達が笑顔になるのだ!やるしか無いのである!
ダンジョン投入から6日目。
「此処が20階層への扉………………」
本部長は完全に疲れ切っていた。
「よしっ、行くぞ!此処で終わらせる!!」
『オオオー!!』
ゴゴゴゴゴゴ……。
その先に広がっていたのは巨大な海底神殿。
天井は見えないほど高く、奥には巨大な玉座が置かれていた。
そして玉座には一体の巨大なサハギンが座っており全身を珊瑚鎧で覆い巨大な三叉槍を握っていた。
サハギンはルク達を睨みつけると低い唸り声を響かせる。
「ギュルルルル……。」
「おい……あれは。」
「王族クラスだぞ……。」
「しかも…………亜種だ」
サハギンキング、それも普通は青色の体をしている筈が紫色の気色の悪い色をしていた。
レベル2ダンジョン二十階層の支配者
サハギンキング亜種ステータス
体力150魔力120力120守80速120技80
HP300MP240SP160
(海再生(水に身体の半分以上が触れている場合オートリジェネ)、海毒化(触れている水を毒に変える、)深海探知(水の振動を感知し隠密系統スキルを無効化する)、仲間呼び(サハギンの兵隊を呼び出す)、王の系譜)(雷属性以外の属性半減、雷弱点、水、毒無効、打撃半減)
「ギャアアアアアアアアアア!!」
轟音と共に魔力波が体から溢れ出し一瞬サハギンキング以下のステータスを持つ者の動きが止まる!
「来るぞ!」
そしてサハギンキングが玉座から飛び降りると着地だけで石床が陥没しすぐさま攻撃体制に移る。
「速っ!?」
直後凄まじい速度で前衛に接敵し三叉槍が横薙ぎに振るわれる。
【ギュワィ】(パワースイング)
「防げぇぇぇ!」
「「「【フォーメーションガード】」」」
海兵達が盾を構えるが数人まとめて吹き飛ばされた。
「ぐあっ!」
「なんて馬鹿力だ!」
「私が!」
【スペルマジック:光盾】
リリによって光の大きな盾が展開され、追撃を受け止めるも大きな亀裂が走る。
「くっ、重い……!サキ姉!」
「任せて!」
【スペルマジック:ファイアーストーム】
轟音と共にサハギンキングを炎の渦が飲み込む。
しかし……煙の中から多少のダメージを負いながらも平然と立っているサハギンキングの姿がそこにあった
「嘘でしょ!?」
「魔法耐性まであるのか!」
さらにサハギンキングがダメージを負ったのを合図に
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
とボス部屋の天井から水が流れ込んでくる。
「ちょっと!速く倒さないとやばいわよ!?これ」
「怯むな! 囲め!」
「おおおお!」
「「「「【フォーメーションアタック】」」」」
だが、海兵達も負けていない!海兵達が連携して攻撃を仕掛けていき槍や魔道具によって次々と叩き込まれる攻撃。
強力なステータスや耐性を持つ王と言えど多勢に無勢、段々とルク達の攻撃がサハギンキングを追い詰めていく
【オオオオガガガ!】(兵隊召喚)
するとサハギンキングが咆哮をあげたかと思うと部屋に複数の魔法陣が浮かび上がり、サハギンの兵隊が召喚される!
「ちっ、召喚魔法か!囲まれる前にボスをやれ!!」
【フィジカルブースト】【アタックコマンド】
ルクが叫びサハギンキングに接敵、魔短剣を片手に突っ込んでいく
「力を貸せ!相棒、敵のエネルギーを奪い取れ!」
「ギギギィィィ」
「させません!」【パリィ】
ルクの持つ魔短剣に異常な力を感じ取ったサハギンキングが標的をルクに変えるもその攻撃をリリが弾き、そのまま魔短剣を腹部に突き刺すルク!
そして
【星喰い:エナジードレイン】
今まで直接噛み付かなければ発動できなかったエナジードレインを魔短剣を通じて発動!サハギンキングのエネルギーを奪い取っていく!
この魔短剣、全盛期の力を失ったとは言えルクとの親和性は抜群なのだ!
魔短剣として扱うことも杖として魔法使用のための補助として使う事も、こうしてユニークスキルを発動する事も出来るまさにルクの為の武器となっていた。
「終わりだァァァァ!!」
ルクの魔短剣がユニークスキルを使いながら腹部を切り裂いていくと
ズガァァァァァン!!
サハギンキングの胴体が切り離され巨大な体が水面へ沈んだ。
『オオオー!!』
「やったデス!!」
…………だがしかし
周囲のサハギン達はルク達を取り囲む様に一定の距離を保っていたまま動きがなく天井からの水も止まらない。
………………おかしいな?
いつもならエナジードレインで倒すと何かしらのスキルが手に入る。
しかし、それがないのだ……。
ルクが疑問を抱いたその瞬間だった
沈んだキングの死体から紫色の光が溢れ出し天井を高速で動き回りながら心臓の鼓動を響き渡らせる。
ドクン!ドクン!ドクン!と大きな音を反響させたその光は一匹のサハギンへ吸い込まれていく。
「な、なんだあれ……」
そのサハギンは先程までただの雑兵だった。
そう、先程までは……
しかし光を吸収すると魔力が膨れ上がり筋肉が膨張、背中から毒棘が生え始め色も青から紫へと変わっていく!
「ギ……」
ミシミシミシッ!!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
[スキル・王の系譜:王が討たれし時群れの中で最も強き個体へ王位は継承される。王は死なず王位は渡り続ける]
絶望の長期戦が幕を開けた瞬間だった……。
23話の後編は今日の夕方あたりに投稿予定です。




