表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王転生〜転生した世界は魔族が滅ぼされた後の世界でした〜  作者: るる
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/66

24話 サフィアの頑張り

アシュレイ編が1話で終わらなかったので朝に引き続き夕方も投稿です。


もし良ければ高評価等よろしくお願いします

サフィアと出会ってから2週間が過ぎようとしていた。


「はあああ!」【アイスアロー】

初心者用の小さな杖に氷の魔法陣が浮かび上がると


氷の矢が一直線に飛び、ゴブリンの肩を貫く。


「ギギャ!?」


怯んだゴブリンへ二発目、三発目の氷の矢が突き刺さり、そのまま倒れ伏した。


「よしっ!!」

 

ゴブリン討伐クエストを受け、何体かのゴブリンを仕留めた後サフィアの事を見守っていたアシュレイとイグニスはサフィアに駆け寄る。

 

「うん、段々と良くなってきてるね!頼もしいよ」



「最初は全くと言って良いほど魔法が使えなかったのです、十分な成長かと」


「あ、ありがとうございます。少しはワタクシも役に立つでしょうか?」


「勿論だよ!これからも一緒に強くなっていこう」 


「(照)ハイ!ありがとうございます」


「まだまだ初歩だけど魔法も使えるようになってきたし、そろそろダンジョンに行ってみようか?」


「流石にまだ無謀では?」


「まぁ、一気にクリアする気は無いしね。

それに僕とイグニスのどちらかの近くにいるようにすれば最悪の事態は免れると思うよ?」


「アシュレイ殿がそれで良いのながら私は問題ありませんが」


「わ、ワタクシ、頑張ります」


トレントの森レベル1ダンジョン

 

 このダンジョンでは、森の浅瀬を経験の低い冒険者や腕に覚えのある一般人などが主とし、低品質の薬草採取や低レベルの虫の魔物などを討伐する者が多い。


 中層付近からは中堅やベテランといった冒険者達がこぞってトレントを狩ってた。


「結構な人達がダンジョンに潜ってるんですのね?」 

「うん、このダンジョンは木に擬態してるトレントにだけ気をつけていれば大した魔物は出てこないからね、まぁだからこそ潰されないで管理されているんだけどね。」

 

「どうします?こう人が多いと誤爆もあります、奥に向かいますか?」

 

「うん、そうだね。

奥に行けば行くほどトレントが多く出るようになってて弱いと言っても初心者には辛い魔物だから人も少なくなってる筈だよ。


それにトレントの枝を集めてサフィアの杖も作って貰おうと思ってるし、今のままの初心者用の杖じゃ魔力効率も悪いからね」


「――――――――――――――。」


「あの周りよりも少し大きい木、あれがトレンドだわかる?」


「…………えーっと?大きい木なのは分かりますけど……どこで見分けますの?」


「トレントは木の表面に目と口があるんだ……普段は閉じてるんだけど。

でもそのおかげで若干だけど木の表面が歪んでる、それが目印だ」


「………………中々慣れるのに苦労しそうですね、それにこう木が多いと何が何やら」


「ははは、まぁトレントを見つけるのは僕に任せて。2人は他を警戒しながら進んでいこうか、それじゃあのトレントは僕が倒すね」


【パッシブスキル:風の加護ON】

【ウィンドカッター×2】


MPを持続的に消費する代わりに風属性の力が上がるパッシブスキルを発動状態にし、アシュレイが木に向かって風の刃で攻撃する。


すると奇妙叫び声と共に木に目と口が浮かび上がりアシュレイ達に根を鞭のようにして攻撃してくる。


 【シールドバッシュ】

片手で持ってた盾で攻撃を弾き


【エアスラッシュ】

根の先端を剣で切断するとトレントまで駆け寄り


 【エアダブルスラッシュ】

バツを描くように剣でトレントを斬りつける。


「――――――!!!」


 するとドロップ品であるトレントの枝と魔石を残し消滅する。


「トレントって消滅するんですね?倒しても残る魔物と消える魔物がいますけど違いってなんなんでしょう?」


「ん〜、あんまり考えた事が無かったな?言われてみれば何でだろうね?(トレントのドロップを拾い上げ)


 さて、次は2人の番だ!最初は大変かも知れないけど連携を重視して戦っていこう!


イグニスが槍で牽制、もし出来るなら攻撃も。


サフィアはイグニスに当たらないようにコントロール重視で頑張ってみて」


「「ハイっ!」」


…………、「いたよ、あの木がトレントだ」アシュレイが一本の木を指差し2人を見て頷く


「行きますっ!」

【スピードアップ】【スラスト】


イグニスがトレントに接敵し槍で突き攻撃を放つ。


 イグニスの接敵に気がついたトレントは複数の根で突き攻撃を防御する。


「思ったよりも気づくのが早い!」

【バックステップ】


「今ですわ」【アイスアロー】

根の隙間を狙うように氷の矢をサフィアが放つと……


追撃を恐れ距離を取ったイグニスの背中にクリーンヒットする


「ぐはぁぁぁぁ!」

「えええ!!すいませんすいませんすいません」


「……………………………………。」


「ぐっ、だ、大丈夫です。フッーー」


落ち着け私、彼女はまだ初心者……。


「続けていきます!」【パワーアップ】


根で防御してくるなら力で押し切る! 


「ゥゥゥ、つ、次ですわワタクシ!」


連携重視と言われていたのにワタクシは……大丈夫まだなんとか!あの防御を崩せばイグニスさんが攻められる…………なら!


【アイスザグラウンド】

トレントが再び根を土から出せないようにトレントの足元に魔法による氷の膜を張り……………………。


そこにイグニスが勝負を決めようと踏み込む。


そして……ツルッ。


「え?」


ステーーーン!!


見事な前転だった。


これにはトレントもびっくりである。


「あわわわわわ!???」


「(怒)くっ、私は弱きを守る騎士、これしきでは………………グホォォォ」


自分の感情を抑えきれずサフィアの方を振り返ったイグニスに根の鞭攻撃が襲う。


………………………………。


…………………………


「一旦撤退!!てったーーい!!」


アシュレイ達がトレント狩りを始めて一週間。


 今日も換金所には長い列が出来ていた。


「次の方どうぞー」


 受付嬢の声に呼ばれ、アシュレイ達は慣れた様子でカウンターへ向かい自慢のアイテムバックから今回の成果を並べていく。


「トレントの枝が三十七本、魔石が二十三個になります」


 ドサドサと並べられた素材を見て受付嬢が一瞬固まった。


「……また増えてません?」


「ははは、そうかな?」


「そうですよ!最初来た時は枝三本とかでしたよね!?」


 受付嬢が思わずツッコむ。


 その声を聞き、近くで換金待ちをしていた冒険者達が振り向いた。


「またあの子供達か」


「最近毎日見かけるな」


「初心者じゃなかったのか?」


「いや、あの槍使い見ただろ。トレント三体に囲まれて普通に戦ってたぞ」


「マジかよ」


 ひそひそと話し声が広がる。


 サフィアは少しだけ肩を縮めた。


「な、なんだか見られてますわね……」


「気にしなくて良いよ」


 アシュレイが苦笑する。


「最初は『子供が何してるんだ』って感じだったけどね」


「今は?」


「『なんか強くないか?』って感じかな?」


「フフッ、それは良い傾向ですね」


 イグニスが僅かに笑う。


 受付嬢は計算を終えると報酬袋を差し出した。


「換金完了です!」


 そして少しだけ身を乗り出す。


「そういえば聞きましたよ?」


「?」


「最近、魔法使いのお嬢さんが凄い勢いで成長してるって」


「えっ!?」


 サフィアが固まる。


「最初は味方に魔法を当ててたって」


「なっ!?」


「今じゃちゃんとトレントを狙えるようになったとか」


「そ、それは!」


 顔を真っ赤にするサフィア。


 周囲から笑い声が漏れる。


「頑張れ新人!」


「そのうち俺らも追い抜かれるな!」


「次はボスか?」


 冒険者達の言葉に、サフィアは少し驚いた。


 馬鹿にされているわけではなく応援されているのはサフィアでも解る。

 認められてきている。


「……ワタクシ」


 報酬袋を見つめる。


「少しは冒険者らしくなれているでしょうか?」


「うん」


 アシュレイは即答した。


「もう立派な冒険者だよ」


 その言葉に、サフィアは少しだけ嬉しそうに笑った。

 

 換金を終え、三人はギルドを後にする。


 夕暮れの街を歩きながら、アシュレイは満足そうに頷いた。


「ふぅ、かなり良くなってきたね。サフィアも新しい杖になってから発動効率が上がったし、そろそろボスに挑んでも良いかもね」


「そうですね。最初は背中に魔法を何度も当てられていましたが、今ではちゃんと敵を狙ってくれてますし……ね?」


「うっ……その件については本当に申し訳なく……」


 サフィアが肩を落とす。


「ふふっ、冗談です。もう怒っていませんよ」


 イグニスは少し笑った。


「ですがボスですか……行けますかね?」


「うん」


 アシュレイは迷いなく答える。


「此処のボスはジャイアントサンドトレントって言ってね。土魔法を使ってくるんだけど、パターンを知っていればそこまで怖くないんだ」


 そう言いながら羊皮紙を広げる。


「それに水と氷が弱点だからね。サフィアの魔法を中心に、僕とイグニスが援護に回れば難なく倒せると思う」


「ワタクシが中心に!」


 サフィアが胸を張る。


「フンス!」


「ふふっ、そのくらいの意気込みでちょうど良いですよ、そうですね……確かに此処のトレントには飽きてきたところでしたし、次のステップに進むには良い頃合いですね」


「うん、ありがとう」


 アシュレイは二人を見て笑う。


「じゃあ明日は休息日にしよう。身体も装備も万全にして、明後日ボスへ挑戦だ」


「ハイ!」


「了解しました」


「もう地図も完成してるしね」


 そう言って広げられた地図には、一週間かけて調べ上げたダンジョンの情報が細かく書き込まれていた。


 サフィアはその地図を見つめながら、小さく拳を握る。


 初めてのダンジョンボス!不安はある。


 けれど……今ならきっと大丈夫だ。


 そんな自信が、少しずつ芽生え始めていた。

 

 




次からまたルク編です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ