2章-57話 護衛依頼と黒き棺
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【ゴロズゥゥゥー】(バーニングチャージ)
完全に暴走したヒイハが、声にもならない狂言を撒き散らしながらスキルを発動!
自らの肉体を業火で包み込みながら、ルクを目がけて音速の突撃を開始する!
「ほぇ!?」
ヒイハの周りにはサキ達がいた為、サキ達に攻撃を開始したら重力で拘束してやろうと考えていたルクだったが……
真っ直ぐにルクに突撃してきた為完全に不意を突かれる!
【ダークシールド】
寸前で闇の盾を展開するルクだったが。
——ガアァァンッ!!
ヒイハはその盾ごと、ルクの身体を容赦なく体当たりで吹き飛ばした!
「グッッッ!」
「オ゙オ゙オ゙オ゙!!!!」
【ゴロズゴロス】(ファイアーファング)
ルクを吹き飛ばすと、地面に着地する前に勝負を決めるべく自身の羽をも燃やし速度に変え突撃する!
「これ以上のダメージは不味い……」
【ダークシャドウ】
再び周囲に自身の影文体を10体展開するも
【ムダダァァァァ!!!】(バーニングアップ)
獣じみた咆哮とともにヒイハの全身に纏う炎の火力が爆発的に上昇!
残像すら置き去りにする超スピードで影へと突進を開始すると。次々に本物か偽物かの確認すら挟まず、影を力任せに潰していく!
「ルクっ!」
リリ達が援護に向かおうとするも…………。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーー!」
今度は煙幕の中から、ホーリードライブ状態のもう一体の天使がリリ達に突っ込み場をかき乱すように暴れ回る!
「クッ邪魔!!」
サキたちが足止めされている間も、ルクは死力を尽くして次々に影を生成し続ける。
しかし、暴走したヒイハの圧倒的なステータスを前に、影の生成速度がどうしても追いつかない……!
「ちょっ!速い速い速い!!」
位置を入れ替えるための影が尽きたその瞬間、ルクとヒイハの全質量が真っ正面から衝突した!
【パリィ】
ガキィィィン!
ルクの魔短剣と極限まで硬度が上がったヒイハの体が激突!必死のパリィを試みるルクだったが、跳ね上がりすぎた威力を受け流しきれず、衝撃波が直接内臓を揺らす!
「グハッ……くっ力が強すぎて我のパリィじゃ無理か」
【ダークシャドウ!】
追撃を狙ってくるヒイハに対し、影分体を周囲に作りだし距離を稼ごうとするも暴走ヒイハの高速の速さ相手にはあまり意味をなさず一方的にダメージを受け続けてしまう。
「……グブッ、……まだか…………まだなのか??」
チラリとヒイハの体を確認しようと前を向くと……。
「オ゙オ゙オ゙オ゙ーーー!!!」
ヒイハは既に目の前に迫っていた!
「はぁ!?」
腹部へもろに超重量の体当たりを叩き込まれ、ルクの身体が「くの字」に折れ曲がって激しく吹き飛ばされる!
「かっ……はっ……!」
(ぐっ……意識を……保て……!!)
薄れかける意識の中、ルクは間一髪で土壇場に生成した影と自身の位置を強制シャッフル!
————ブシャァァッ!!
すると入れ替わった影が、ヒイハの炎の爪によって一瞬で抉り飛ばされた。
「危なっ!?」
【ダークシャドウ】
【ダークシャドウ】
【ダークシャドウ】
次々に生成される影。しかしその度に全てが驚異的なスピードで打ち砕かれていく!
「クソッ……!」
バキッ!!ドゴォ!!ガキィィン!!
と体を蹴られ吹き飛ばされ、その直後にまた短剣で攻撃を受ける……。
もう闇結界の維持もできなくなつつあり、結界がなければ影分体も作ることができない……
完全に限界が近づいていく……。
それでもルクの作戦は変わらず、ひたすらに影を作り続けていく、まるで…………何かを待つように。
「サッ゙サとシネ゙ェェェー」
狂人に成り果て、ひたすら高速でルクへ突撃を繰り返すヒイハ。だが……ここでヒイハの俊敏な動きに、わずかな異変がが生じ始めていた。
影を潰すスピードが衰えてきて、全ての影を潰し切る前に新しい影の生成が間に合うようになってきたのだ!
「クハハッやっと効いてきたな!どんどんこい!能無しめ!!」
【ダークシャドウ】
完全に正気を失ったヒイハは、自身の体に起きている決定的な狂いに気づくことすらなく、ただ目の前の敵を殺さんと攻撃を繰り出し続ける。
そして。ついにその時が訪れる!
「ガ……ナ?ウゴカ…………ナイ??」
ルクのダークシャドウを攻撃し続けた暴走ヒイハは気づいていなかった……。
自身の身体に少しづつ闇が纏わりついていってたことに。
その闇の正体はルクのユニークスキル星喰いによって作り出された相手を喰らう為の星の欠片。
影を破壊する度にその欠片はヒイハへ付着し付着する度にその魂へ根を張っていくという、決まりさえすれば防御不能の絶対技。
闇に囚われ動きが封じられたヒイハに最早抗う術はなく、ヒイハの生命力が、魔力が、そして聖力までもが闇に呑まれていく。
「ナ゙ン゙、な゙な゙、だずげで、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
「フゥ、全く手こずらせおって!暴走しただけの脳筋が我に勝てると思うな!!ハーハッハッハ!消え去れ!」
その言葉と共に闇が爆発的に膨れ上がっていくとヒイハの身体を覆い尽くすような一つの巨大な棺が完成した。
それは天使すら封じる漆黒の棺であり、全ての存在を喰らう終焉の棺。
その名も!【星喰黒棺!】
棺の蓋が閉じると共にヒイハの魂も、その存在自体も飲み込みその生命を終わらせるのであった。
四翼の天使HP0
「フッ、勝った…………か」
ヒイハの消滅を確認するとパタリと倒れ込み、同時にエクリプスフィールドが解除される。……ルクはもう限界だったのだ。
闇結界の維持に度重なる影分体の生成、最後には大魔法まで使った……。
魔力も体力も精神すらギリギリだったのである。
「フハハ、我の完全勝利だが…………疲れたな……zzZZ」
しかしここで問題が起きる。
サキ達は残り一体の2羽の暴走天使を後一歩で倒せる所だったのだが闇結界が解除されてしまったのだ。
天使は倒されるとその魂を天に打ち上げ記憶を残してしまう。
だから倒す時には結界内で倒し魂を封じ込めるか、魂そのものを砕くしか無いのだが…………。
サキ達にはそんな芸当はまだ不可能……完全に手詰まりになってしまった。
「ちょっと!ルークー起きなさいよー!!」
「不味いですね、ルクに回復魔法を試します!2人で何とか逃げられないよう押さえていてください!」
「MPにもう余裕ないデス、早めにお願いシマス!」
「…………ヒイハの消滅を確認、第一目標を達成不能と判断し第二目標へとフェーズ移行」
突如2翼の天使から今までの声色とは違う無機質な声が響き渡る。
「!!ちょっとやばい感じよ!!止めるわよ!」
【ファイアランス!】
「逃しまセン!」
【属性纒装:風!エアスラスト!】
サキ達が危険を察知し天使へ攻撃を放つがそれよりも速く天使が動き出し魔法を発動すると
【ホーリーアセンション起動】
「眩しぃ!」「目が!」「くゥゥゥ」
眩い光の爆発と共に2翼天使は自爆。記憶を天に引き継ぐためにその魂を天へと打ち上げ、そのまま超高速で昇天していくのだった。
2翼の天使HP0
もう直ぐでエピソード累計100話突破です!
記念にルク達がもし日本の高校だったらのコメディ短編を執筆中です。
100話を突破したら短編作品として投稿予定ですのでよければ見てみてください。




