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イディアハルモニア  作者: 金柑


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第48音 「それぞれのクリスマス」


「…」


「明日だな」


「明日だね」


「まさかなぁ。笑」


「まさかねぇ。笑」


「勝てるかな?」


「別によくね?笑」




「…まさか、本戦に出れるなんてなぁ」


「いやいや!教授、何回言ってんすか?笑」


「良いだろ別に、嬉しいんだから」


「ウッス!!笑」


「それより、明日は休みにするからな」


「え、明後日っすよ、本戦!!」


「だからだよ、一日くらい休め」


「それに明日はイブだろ?俺にも用事ってもんがあんだよ」


「「イェーイ」」



「そ、そんな!練習だと思ってたから今年のクリスマスイブは寂しくないって思ってたのに…」


「まっ、頑張れよ。

皆んな暇してんじゃないのか?」



「い、一心…」


「俺は、実家の手伝いだよ。浅草はクリスマスも意外と客くんだよ」


「あれ?そういや実家って?」 


「…イタリアン…」


「ま、マジか。リーゼントでピザ?」


「ほっとけ!!」



「にし、直継…」


「ん!僕か?僕は毎年会社のパーティーだ。

僕らがホストだからな、準備から大変だよ」


「へぇ、なんか凄そうだな…」


「うむ、政界やスポーツ界、タレントなんかも来るな。そういえば、今年の司会は芸人だそうだ」


「なんだ、来たいのか?構わんぞ」


「か、考えとく」



「ルーは?」


「俺は弘の家でパーティーだぜ!!」


「…しょっちゅう来てる」


「YA-MAN、弘のパパさんにテキーラ用意しといたぜ!!」


「…これ!クラセアスール!!」


「送ってもらったんだよ、Mano」


「…勿体ない。…中身変えよう」


「…」


「…先輩も来る?」


「あぁ、考えておくよ」


……


「…」


「…」


「…」


「何よ、ダメよ。女子会なんだから」


「逆に聞くけど、岬あんた耐えられるの?」


「女子7人の中に男1人で。まぁ、一応ヒロミがいるけど」


「うっ」


「やめときなさい、流石に居た堪れないわ…」


「…ありがとう由希子。道を誤るところだった」


「おとなしく家で寝てなさい…それが一番平和よ」


「そ、そうしようかな…」



「じゃあ、ここ閉めるぞ!!」


「ほら、行った行った」



「にゃー」


「お前、うち来るか?」


「にゃー」


「行っちゃった…」



ふう、やっと帰ったか。


ん?斗真。


猫と何やってんだアイツ。


逃げられた…アイツも俺と一緒だな。


あの猫全然なつかねぇ。



さてと…


パタン


ガチャ



カチャカチャ


トクトクトクトク


シュボ…フゥ〜


……


〜〜♬


今日で、15年か…


「陽向、好きだったろこの曲」



〜♩〜


「ごめんな、15年も…」


「あのホールお前の設計だってな」


「ってか、お前と丹下の爺さんが知り合いだった事が1番驚いたぜ」



♬〜〜


「あの部屋、入ったよ…」


「時計持っていくなよ、すげえ探したんだぞ」


「あそこから、ガキ共見てると、

見守るって事の大切さを教えられたよ」



〜〜♪


「そうだ、ワイン買ってきたんだ」


「お前の好きなヤツじゃないけど…」


「勘弁してくれよ。笑」


「美羽の事はすまない…まだ向き合う…」


「謝りに行く勇気が出ないんだ」


「だけど必ず…」



〜♪〜♬


「…あの日コンサートなんかなければ」


「今でもそう思うよ…」


「俺が、常任なんかに就かなければって」


「だけど、過去なんだよ…」


「変えられない…過去」



♬〜♪〜


「そうだ、あいつらコンクール本戦に出場決まったんだよ!!」


「島でドタバタやってあのガキ共が」


「俺は何にも出来なかったよ…」


「情けねぇ…」



〜♪〜♬〜


「…」


「約束守ってくれたのか?」


「陽向…」


「…」


「…」


「…」


「…声が、聞きてぇよ…」


「…」


……

………



「さてと…そろそろ良いかな?」


コンコン


「おじさん、起きてる?」


「おぉ、大丈夫だ」


ギィ、パタン



「ん?1人酒?イブに?笑」


「まっ、たまにはな!どうした?」


「あ、そうそう。坂下さんが良い酒入ったから

飲みに来いって!!」


「おっ、良いね!行くぞ渚。笑」



「ホラ、待ってるから早く行こうよ。

なんか買っていかないとね?」



「そうだな、肉屋寄って行くか?

コロッケ買って行こうや!!」


「いいねぇ♬ご馳走様ー!!」


「まっ、良いだろ。笑」


……



「おぅ、またな!!」



いやぁ、助かった!


正直、本気で助かった!!


地元の奴らが東京に出て来てて。



しかし、我ながらかっこ悪かった。


SNSを見まくってこっちにいるヤツを


さらにカップルじゃないヤツを


見つけた時は茜みたいに


キタコレ!!ってなったぜ。笑


「おっ、偶然!俺も近くだぜ!!」


とか言ってしまった。



さて、後は帰って寝るだけだな。


みんなへの言い訳も出来たし♬




「いやぁ、飲んだねぇ!笑」


「あ、明日残らないと、いいですね」


「マスター、メリークリスマス!!」



「…」


「あら、アンタどうしたの?まさかあたしを追って!!もう、素直じゃないのね♡」


「いやいや、ここで飲んでたのか。

俺は地元のヤツと飲みの帰り」


「ハイ、トーマ!メリークリスマスでーす」


「おぉ、メリクリ!」


「皆んな帰るのか?」


「岬、どうしたの?って飲んでるわね?

…良かったわね。笑」


「さすがに、明日本番ですからね。

今日は帰りますよ」


「ま、そりゃそうか!笑」


「あ、トーマっち!!」


「アンタ、方向同じなんだから茜を送って行きなさいよね」


「えぇ〜」


「何、ウチと一緒じゃ不満だっての??」


「クリスマスの瞬間を、ウチみたいなかわゆーい

子と一緒に迎えられんのよ!感謝せい!!笑」


「あぁ、はいはい。送りゃいいんだろ」


「ほんじゃなぁ〜!明日寝坊すんなよ〜!!」


「ホラ行くよ、トーマっち!!

エスコートしなさい!!笑」


「飲み過ぎだろ…いてて、ひっぱんなって」


……


「オ、メリクリね!!」


「タナ、外で何やってんだ?」


「ミテワカラナイ?ケーキヨサムイノに」


「ウチ、水買ってくる。ウップ」


「吐くなよ〜!!」


「トーマ、カエ!イマナラハンガクよ!!」


「う〜ん」


「タノム、カエ!!ノルマあるよ!!」


「分かったって、半額だよな?」



「じゃね、メリクリタナ!!」


……



「何?ケーキ買ったの!?」


「半額だってよ。笑」


「マジで、食べる!今!!」


「今?土手だぞ!寒ぃよ」


「良いじゃん、良いじゃん、土手ケーキ、オツじゃん!!笑」


「はいはい、流石にベンチ座るぞ」


「ヤァーーー!!」



「うんま!!これ半額?ウチ買いに戻ろかな?」


「…確かに、スンゲェ美味いなこれ!!」


「ねっ!これで明日頑張れるよ!!」


「安いヤツ…笑」



「しかし、俺達が本戦か」


「…」


「明日だな」


「明日だね」


「まさかなぁ。笑」


「まさかねぇ。笑」


「勝てるかな?」


「別によくね?笑」


「…だな!!」


……


「ねぇ、メリークリスマス!!」


「なんだ、急に?」


「12時回った♩」


「マジか、もうそんな時間か!!」


「ちょっと、ちゃんとメリクリしてよね」


「ハイ、メリークリスマス。いいか?笑」


「よし!!笑」



「んーー、帰るか。寒ぃし!!」 


「そだね、帰ろっかトーマ♬」


「だな。…トーマ?き、急にどうした!!」


「ん?ウチからのクリスマスプレゼント!!」


「トーマっちって長くてさ!笑」


「はは、安いプレゼントだな。笑」


「お返し、期待しておりまする」


「考えとく。笑」


……


きよしこの夜

明日の行方は

誰知るものよ


ってか


……


ーーーー

次回 第49音

「俺たちの音楽」




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