第46音 「2度目のRestart」
…
「うわぁ〜、酷いな俺の指揮!笑」
「僕も見られたものではないな。笑」
「俺は…止まってるな…楽譜がねぇと次どうしたら良いか全然わからねぇ。かっか!!笑」
「あら?アンタ酷い顔!!これがミス?
返上して、あたしに渡しなさい♬」
カシャ
「はぁ?
何とボケた事言ってんだか、この歯抜けが」
「それは、言わない約束でしょ…それに歯ならもう入ってるわよ!!」
「歯抜けのせいで、音まで間抜けになってんのよ!!それに仮歯でしょそれ!!」
「む、難しいです、や、やっぱり…」
「ミツミちゃん、気張りすぎよ。
ホラ、肩に力入ってるもの。お茶飲む?」
「…楽譜なしは、無理」
「でも、茜ちゃんとルーカス君、マリアちゃんは
音出し続けてるよね?笑」
「演奏としては、微妙な所だけどな。笑」
やっぱり、感覚派はちょっと違うんだなぁ。
カシャ
それにしても、茜はうまいな…
「ん?3人はどうした??」
「…ルーはトイレ、茜先輩はコンビニ、
マリアは分からない…」
「分からないって。笑
まぁ、そのうち帰ってくるだろ」
「ともかく、反省会続けようぜ」
「うむ、ここの所だが…」
「あぁ、やっぱり?…」
「ちょっと、あたしのグロス…」
「あたしの涙返してもらう…」
「はいはい、喧嘩しない…」
「…新刊」
「兄弟、俺も厠に…」
「あら、冷めちゃったわ…」
「YA-MAN!スッキリ…」
「お待た!差し入れ〜!!
はい、プリンでしょ、プリン…」
カシャ
「うん、みんないい顔でーす」
◇
「教授」
「ん?どうした渚?」
「楽しそうですね」
「そうか?笑」
「…勝つのは無理ですよね?」
「…無理だろうな」
「やっぱり!良かった!!」
「そっちかよ!笑」
「だって、ここで勝ってしまったら
あの子達また止まってしまいそうで」
「せっかく歩き出したのに」
「わかってないね、渚くん」
「止まっても良いんだよ。今のあいつらなら
止まる事の意味をちゃんと分かってるさ」
「教授…」
「第一、絶対勝てねえ!笑」
「本戦も、無理なんじゃねえか!笑」
「立ち止まる暇ねぇだろ!!笑」
「ヒーヒー!笑。
だ、だが立ち止まるさ」
「一息入れてまた歩く為に」
「まっ、立ち止まりもせずに走り続けようとしたら、俺が力づくで止めてやる!!」
「教授…笑」
「ともかく、ようやく『音楽』って言う楽しい、楽しいステージに立ったひよっこちゃん達だ」
「俺達はチョンチョンって、そっちじゃないでちゅよ〜って、軽く導いてやるくらいで良いんだよ」
「…多分な。笑」
「俺もお前も、この歳になって成長中ってわけだ」
…
「私はそんな歳じゃないです!!」
「な〜に言ってんだ?アラサーが。笑」
「…」
「…」
「いや、スマン。ホント、ちょっと調子に乗ってしまった、しまいました」
「ホント、反省してます!
だ、だから、無言で
あっ、やめ、灰皿は、人を…」
…
ゴス!!
…
……
「あっ!渚っち〜、昨日の動画ウチの部分だけって、ないかなぁ?」
「えぇ、ありますよ〜」
「みんなの個人の分も後で送りますね♬」
「やた!!ありがと、みんなにも言っとく〜♬」
〜〜〜♪
「やだ!袖に血が付いてる」
…
……
「じ、じゃあ始めるぞ…」
「教授?そのケガは?」
「なんでもない、気にするな」
「そ、それじゃ、カメラを回してください…」
「はぁ〜い」
「…」
「よし、今日は斗真お前が先攻だ」
「えぇ、リストなんて振った事ないっすよ!」
「楽譜は見たんだろ?」
「そりゃ、まぁ。隅々まで…」
「じゃあ、問題ねぇ。ホラ時間なくなるぞ」
「…ウ、ウッス!」
〜〜♪
……
「だぁ、はっはっ!!笑」
「ダセェ、ひでぇ、そんでその顔!!笑」
「…教授?」
「ひぇ、渚!あぁ、えっと。
まぁ仕方ねぇよな初見じゃよ」
「また、ヒントになっちまうからあんま言いたくねぇんだけど」
「お前ら全員酷かった。
それは自分達が1番分かってると思う」
「だが、
たった1日で、一点だけ素晴らしい成長が見える」
「…なんだと思う??」
「…」
「しょうがねぇな、誰も言葉にできねーのかよ」
「お前らみんな、こいつを。斗真を見てんだよ」
「お前はみんなを見てた」
「あんまりキョロキョロするのは、良くねぇが。
まぁ、まだスタートしたばかりだ」
「言葉にできねぇって事は
無意識に出来てるって事でもあると思う」
「良いと思うぜ!演奏以外」
「あ、あんたは素直に褒める事が出来んのか!」
「なんだよ、噛みつくなよ斗真!笑」
「良いんだよ、必死になってみんなを見てたろ?
それで良い、1人でやってんじゃねぇんだ」
「…教授」
「忘れんな」
…
「さて、そんな酷い演奏だが。
俺様が指揮するとどうなるか…」
おっ、良い顔するようになったじゃねぇか。
「お前ら…かかってこい!!」
…
……
「じゃあな
しっかり遊んで、しっかり寝てこいよ〜!!」
「…なんか、遊んでません?笑」
「久しぶりに
指揮台立ったら楽しくなっちまってよぉ」
「あ、楽しくなってしまいました…」
「もう、いいです」
「…ありがとうございます」
…
「し、しかし」
「俺も、まだまだ捨てたもんじゃねぇな!!」
「何言ってんですか、天才が」
「なんか…昔を思い出したよ。
がむしゃらに音楽やってたあの頃を」
「…」
「…戻ります?」
「ん?」
「戻りたいですか?」
「…」
「…さぁな〜笑」
…
……
ーーーー
次回 第47音
「いざ!」




