第44音 「設楽弘の場合」
学祭、3日前
「ま、まどか先輩、みんなは?」
「さぁ?笑」
「さってと、仁美手伝いに行かないと。笑」
「じゃね!!笑」
「…」
「お、置いていかないでくださ〜い!!」
…
「パラっ…」
…
「…ん?」
「?」
「パラっ…」
…
……
………
「パタン」
「…ふう、面白かった…」
…
「…帰ろ…」
◇
学祭1日目
「…ここで良いか」
…
「にゃー」
「…」
「…乗るな…」
「にゃぁー」
「…ふう」
…
……
「わぁ、弘!!
びっくりした、てか、なんでこんな所?笑」
茜先輩
「…落ち着く」
「にゃ〜」
こいつすぐ僕に乗ってくるな。別に良いけど
「ありゃ、アンタもいたのかにゃ?
可愛いにゃあ♡」
「…先輩…きもいっす」
「ちょ、ウケる!酷くない!!笑」
なんで人は猫に話しかける時に
語尾が変わるんだろうか?
「あっ!そういや、ニッシーが探してたよ。
飯くらい食べないとって」
そういえば、誘われたような?
「…」
「パタン」
「一緒にいく?」
「…ウッス」
「じゃあ、またにゃ!
後で美味しいご飯持ってくるにゃ♡」
まただ、由希子先輩辺りにチクったら面白いかな?録音しとけば良かった
「…先輩…」
「分かってるし!!笑」
◇
学祭、2日目
「さて、出番まではまだまだ、時間あるし。
もう一丁合わせるか!!」
Camille Saint-Saënsの
ピアノ協奏曲第2番、第3楽章。
…
先輩、良いチョイス。
茜先輩のピアノを前面に出せる、
僕等らしい選曲だと思う。
…
僕等には茜先輩がいる。
必然的に、ピアノ協奏曲がメインになる。
普通のオケは上手いピアノがいたって
わざわざピアノを組み込まない。
そんなのナンセンスだ。
…
茜先輩はお世辞抜きで上手い。
そして、それを当たり前のようにオケに入れる岬先輩、そして受け入れるみんな。
自分でも意外だけど、
最近ここにずっと居たいとさえ思っている。
ふふ、まさか僕が…
…
今笑ったか?
…
変わったのか変わってないのか。
変えられた、が一番適切な気がするけど。
とにかく、ここはどうやら
僕の居場所に
なってしまったようだ。
…
コンバス弾くのも嫌いじゃないし、
本読んでても誰も文句言わないしな。
嫌になるまで、居てやるか。
……
ーーーー
次回 第45音
「ハーフタイム」




