第40音 「小星光底」
ミスコン後…
「ぶ、ぶふう、12票!!笑」
ゴス!
「いつまで笑ってんだ」
「あ痛!グフゥ。笑」
もういいや。
茜どこ行ったんだろ、夕夏紹介したいのに。
……
「ハーイ、トーマ!!」
ん、マリア?
アイツは個展じゃなかったか?
「ヘイ、パース!!」
「お、おわ。バシン!!」
「オオゥ、キャッチずるいでーす!!
あっ、キーパーでした!笑」
「マリア、個展は良いのか?
ってなんでサッカーやってんだよ?」
「あぁ、フットサル体験コーナーか」
「そうでーす。トーマやりませんか?
もちろん無理しないで良いでーす」
…
ウズッ!!
…
「よし、少しやろうか?だけどキーパーでな」
「流石にまだ、無理は出来ないし」
「OK、OK、のんびりやるでーす!!」
…
「ところで、それなんでーすか?」
「それ?あぁ、妹の夕夏だ。ホレ挨拶」
「夕夏?」
「はっ!ねぇなんなの!!」
「お兄の周りには美女しかいないの!?」
「マジでハーレムじゃん!!」
「面白い子ね、Piacere、荻原マリアでーす。
イタリアと日本のハーフでーす♬」
「岬、夕夏です、よ、よろしくお願いします!」
「はぁ、一生見てられるわぁ…」
「…」
「はっ、それよりお兄、フットサル大丈夫なの?」
「あぁ、この間なボール蹴れたんだよ」
「まだ、無茶は出来ないけど。
少しずつならやっても良いって♬」
…いや、ちょっと待て
「マリア、個展は!?」
「ん〜、見たい人が見ればいいでーす」
「興味ない人の為に、私時間使いたくないでーす」
「本当に必要な人には必ず伝わりまーす!!
そして、必ず繋がりまーす!!笑」
…スゲェな
「さぁ、やりましょう!夕夏も一緒でーす!」
「は、はい!!」
…
うわっ、
フットサルとはいえピッチに立ってる。
あっ、やばい泣きそう…泣きそうだ
…
ドゴッ!!
「グェ!!」
「ハイ、トーマ。何悲しい顔してまーすか?
サッカー、楽しい!でしょ?笑」
「あぁ、ああ♬」
…
やっぱり、
後ろから見るこの景色はたまんねー!!
それと、
やっぱり、キーパーは指揮に通じてる!!
ホラ、今そこにパスが欲しいんだろ?
バシッ
蹴れる!通る!!
次は、そこ!!
バシッ
ホラみろ!!笑
(お兄、嬉しそう)
……
「ハァ、ハァ」
「さ、流石でーす」
「パスが、欲しい所に来て気持ち悪いくらいでーした!!笑」
「へへ、ハァ、ハァ」
「デモ、今度はもっと一緒にやりましょうね!笑」
「私は、トーマと一緒にサッカーしたいでーす!!」
「…?あ、あぁ、もちろんだ!!」
……
「ふぅ、サンキューマリア、久しぶりに楽しかったよ!!」
「良かったでーすね!オウ、夕夏プレゼントね」
「お、俺にも見せてくれよ。どれどれ」
雨で濡れたアスファルト
暗い水溜りに
一瞬差し込む
電車のヘッドライト
「偶然撮れた写真ですが、私大好きでーす!」
「あ、ありがとうございます!大切にします!!」
「Brava!!大事にして下さい。笑」
オウ、流石にまずいでーすとか言って個展に戻って行った。
「なんか、不思議な写真だな…」
「うん…でも私好きだよ、コレ」
◇
「ちょっと腹減ったな、なんか食うか?」
「奢り?奢りなら食べてあげる!」
「ヘイヘイ。奢らせていただきますよ」
…
「ねぇ、誰のおかげ?」
「ん?何言ってんだ?」
「お兄、サッカーやってた頃よりも楽しそう」
…
「バーカ」
「おっ、西田!!ん?ルー?」
「おお、岬!」
「ん、それが妹か?」
「ふむ、似ているな。感情最優先で物事を考えそうな顔がそっくりだな!!笑」
「すいません〜、ビール下さい」
「むか!お兄コレ殴って良い?」
「む、何故怒る?褒めているのに??」
「僕は西田直継だ。宜しくな、夕夏さん」
カシュッ
「あれ、妹紹介したっけ?」
「ゴクゴク、プッハー。
…なんでルーが焼きそば焼いてんだ?」
「ん?やつは試食を食い過ぎた罰だ」
「僕はレモンサワーを」
俺達に気付いたルーが遠くから
「YA-MAN」と言っている。
カシュッ
「本当なら茜にもやらせるべきだが、ミスコンがあるとか言ってな」
「こちらの都合で、
穴を開けるわけにもいかんだろう」
「グビッ、グビッ、クゥー。
妹の名前は君から何度か聞いているぞ!!」
「そうだ、
弘を見かけたらこっちに来るように言ってくれ」
「あ、ビールもう一本」
「ヤツのことだ、どうせ何処かで本を読んでいるんだろうが、こういう祭り事の時には共に楽しまないとな!!」
カシュッ
「分かった、伝えておくよ」
「それにしてもよく覚えていたな!?」
カラン
「ふふ、頭の作りが違うのだよ♬」
「ではな、僕は戻るぞ」
「ああ、夕夏さんたこ焼きで良ければ持っていきなさい。僕の奢りだ」
「せいぜい学祭を楽しんでくれたまえ」
…
「ねぇ、お兄…」
「うん、悪気は本当にないんだよ」
「悪い人じゃないのはすっごく伝わったよ…」
◇
ふう〜、ヤバイヤバイまさか優勝するとは!笑
ウチ、清楚系もイケるんじゃん!!笑
とりあえず、ウィッグと衣装を
音楽堂に隠しとかないと。
…黒髪も、マジで考えてみようかな?
「葵です〜」とか言って
「斗真君、よろしくね」とか…
ぶはっ、無理無理!!
やっぱウチはウチだわ!!笑
何処に置いとこーかなぁ??
……
「わぁ、弘!!
びっくりした、てか、なんでこんな所?笑」
「…落ちつく」
「にゃ〜」
「ありゃ、アンタもいたのかにゃ?
可愛いにゃあ♡」
「…先輩…きもいっす」
「ちょ、ウケる!酷くない!!笑」
「あっ!そういや、ニッシーが探してたよ。
飯くらい食べないとって」
「…」
「パタン」
「一緒にいく?」
「…ウッス」
「じゃあ、またにゃ!
あとで美味しいご飯持ってくるにゃ♡」
「…先輩…」
「分かってるし!!笑」
◇
「お〜い、茜〜、弘〜」
あっ、いっちん。
「ウェーイ!!あっ、坂下のばぁちゃん!?
久しぶり〜、元気ですか?」
「茜ちゃんはいつも元気ねぇ、私も元気よ!
ブイ!!」
「…お久しぶりです…」
「あら、弘君も!?
たまには遊びにいらっしゃいね」
「縁側で読書してるだけでも良いんだから♬」
「…ウッス」
「それで、どしたのいっちん?」
「おぅ、坂下のばぁちゃん案内してんだ」
「佳代が書道で動けねぇからよ、
それならオイラの出番ってもんだ!!笑」
…
「ん〜んっん〜♬ヒック」
「おっ、何してんだお前ら?」
「あっ、せんせー!!せんせーは?」
「俺はお前、ツマミにたこ焼きでもってな」
「ん?坂下さん!!」
「ご無沙汰してます。最近はお伺い出来ず」
「それにこいつらまで、世話になってるみたいで
ご挨拶もせずにすみませんでした」
「もう、良いのよ。笑」
…
「…やっちゃん、良い子達が集まったのね。
良かったわね」
「ちょ、敵わないなぁ。
流石にやっちゃんは勘弁してください。笑」
「あらっ?私にとってはずっとやっちゃんよ」
…
や、やっちゃん!?
…
ウチ等は顔を見合わせて
その衝撃に耐えていた。
「一心君、私は少しおしゃべりしていくから
ここで大丈夫よ」
「あなたも遊んでらっしゃいな」
「あぁ、行ってこい。
坂下さんは俺が責任持ってお相手をするから。
そうだ、渚も呼びましょう!!」
「あら3人きりなんて、何年ぶりかしら?」
「はっは、10年はたってますよ」
…
2人は音楽堂へ消えて行った…
って、やっちゃん!?
…
「あぁ、お前ら。…喋るなよ!!」
◇
「どーする?ニッシーのとこいく?」
「それとも佳代?」
「先に佳代んとこ行って、一緒に飯いこーぜ」
「そだねぇ、かよかよも、お腹空いてるっしょ」
「弘はどうする?」
「…先に行ってる…」
「そだね、ニッシー、弘探してたし♬」
「…ウッス」
「ほいじゃ、いっちん行こっか!!」
「またあとでね、弘」
「…」
◇
「確か、この棟の2階だったよな?」
…
「ん?ありゃ、兄弟じゃねえか!?」
「お〜い、兄弟!!」
ゲッ、トーマっち…気まずい…笑
……
◇
「お〜い、兄弟!!」
ん?一心か?
…茜!!…いや…葵かな?笑
「よお、一心。佳代んとこか?」
「おうさ!!佳代も誘って飯でもってな」
「おっ、良いね。俺らも行くよ!!」
「おお、そうだそうだ!」
「お嬢ちゃんが兄弟の妹さんか?」
「俺は澤村一心だ。一心で良いぜ!!」
「兄弟の妹って事は、俺の妹でもあるわけだ。笑」
「遠慮なんかいらねー、よろしくな」
「は、はい。夕夏です」
「夕夏。上見過ぎ!!」
「あっ、すいません!!」
「良いって事よ」
「コイツは…このリーゼントは俺のポリシーだ」
「好奇の目で見られようが、
なんだろうが別に気にしちゃいねぇよ!!笑」
「は、はい。ありがとうございます♬」
「触るか?笑」
「良いんですか!笑」
…何故か微笑ましい。笑
…
「え〜っと、そちらの方は…葵さんでよろしいでしょうか?」
「優勝おめでとうございます!笑」
「やめてよトーマっち!!
ウチだってまさかあんな事になるとは!!笑」
「大体、そっちだって優勝じゃん!!」
(おやっ?)
「12票で!!ブホッ、マジウケる!!笑」
「あっ、お前それは言わない約束だろ!!」
「俺の方がまさかだよ…笑」
「由希子にやられたよ…」
「ウチも由希子…」
(おやおや?)
「だよな、由希子のウィッグだったもんな」
「なんかゆっきーが、急に欠員が出ちゃって、これじゃコンテストが無くなっちゃう!!」
「ってゆーから、急いで行ったら欠員1人じゃん?17人もいるし!!笑」
「俺はヒロミだ…あのヤロー」
「流石に泣いてるから復讐できなかったが、
近々覚えてろよ!!」
(おやおやおや?)
「兄弟、俺には返り討ちに合う姿しか見ぇねえよ」
「マジそれ!
トーマっちじゃヒロミに勝てないよ!!」
「むっ、いつか必ず一人で立ち向かってみせる」
「抱きつかれて、『ト・オ・マ、嬉しいわ。
あたしと新しい扉を開きましょ〜♡』
とか言って食べられる未来しか見えん!!笑」
(は、はぁ〜ん)
…
(いや、…待って!!葵さん?)
「え、あの草薙『葵』さん?」
「おわぁ、ごめんねちゃんと挨拶してなくて」
「草薙『茜』です…ヨロ♬」
「え、お兄。じゃあさっきの17番の人?」
「…そうだ、あれは多分ノリだ!笑」
「でも…なんかもう驚かないよ」
「お兄の周り美女多すぎてお腹いっぱいだよ…
はっは!笑」
「えぇ、酷くない!ウチは可愛くないって事?
ウチ、ミスだよミス!!」
「あっ、いや、そういうつもりでは」
「『葵』さんも素敵でしたけど…」
「茜さんにお会いできて、なんて素直で、正直に生きてらっしゃる人なんだろって感激してます!!」
「それに…可愛すぎです♡」
「マジ良い子!!泣。
プリン好き?プリン食べ行く?」
…
「おぉい、茜。俺達ぁ佳代誘いに来たんだろ!?」
「やば、忘れてた!!ウケんね」
「そんなわけで佳代んとこ行こうぜ、兄弟」
「ゆかっちも一緒ねぇ〜♬」
「あっ、ウチの事は茜で良いから!ヨロっ♬」
「…茜さん…マジ天使!!」
「はっは、あっ!
そういや一心、弘見なかったか?
西田が探してて」
「あぁ、先に西田のとこ行くって、別れたぜ」
「それなら良いんだ。おっ、佳代〜!!」
「あら、皆んな来てくれたの!!」
…
…
「もう…またかよ!!」
「茜さんで最後だと思ったのに…
もう身構えてなかったよ!!」
「そんで、デッカ!デッカ!!
顔ちっさ!!そんで、良い匂〜い♡」
「ゆ、夕夏?」
「この楽しい子が夕夏さん?」
「初めまして西佳代よ。よろしくね」
「はい!!もう本当によろしくお願いします」
「茜さんも本当にお願いします」
夕夏、
そんなに胸がコンプレックスだったのか。
……
「ハァ、ハァ、ハァ」
「もう、なんかパンチドランカーってヤツだよ」
「ねぇお兄、もういないよね?ねっ!!」
「いや〜、あと一人」
「まだいるの!!」
…
「あっ、でも、多分気が合うと思うぞ!!」
「とにかく、ウチの連中は皆んな本当に濃いからな。疲れたろ?」
「飯食って元気出せ!!」
……
「おぉーい、西田ー!!」
「あれ、そういや木下さんは?」
「え、ミツミ?
ミスコン会場には居たわよ?」
「うん、助かったよ。笑」
「あの子、大丈夫だったかしら?」
「サッカーも、いまーした!!」
「…居たよ…」
「うむ、屋台の手伝いをしていたような?」
「YA-MAN!ミツミ?助かったぜ!!」
「おっ、木下かアイツは良いやつだな」
「みっちゃん、マジ感謝♡」
……
「え〜っと、夕夏…
…そんなヤツだ!!笑」
「いや、わかんないよ!!!!!」
……
ーーーー
次回 第41音
「残響」




